佐野 洋
さの よう
1928年5月22日 - 2013年4月27日(84歳没)
日本の 推理作家
評論家
本名は、丸山一郎
・・・・・・・佐野洋さんの歴史・・・・・・・
東京都大森出身
旧制一高に首席合格
東京大学文学部心理学科卒業
読売新聞社に入社
当初兼業作家だったため、
ペンネームは「社の用」にかけて付けた。
最も好きな推理作家として
英国のアンドリュー・ガーヴの名を挙げている。
黒岩重吾に「血や汗を流していない小説」と批判され、
「むしろ賛辞と受け止めたい」と返したほど
知的遊戯としてのミステリを貫いているが、
一方でシリーズ探偵には否定的立場を取り、
エキセントリックな犯罪や大掛かりなトリックも排除するなど、
ほどのよいリアリズム、
中庸さが持ち味でもある。
近年は雑誌発表短編を直接文庫本にまとめるケースが多い。
論客であると同時に
作家同士の交友には積極的なタイプで
(上記の黒岩とも私生活上は親しい友人であった)
多岐川恭、河野典生、星新一、水上勉、結城昌治らとともに
若手作家の親睦団体「他殺クラブ」を結成、
のち笹沢左保、大藪春彦、都筑道夫、生島治郎、戸川昌子らも加えて
70年ごろまで活動した。
1973年より「小説推理」誌に「推理日記」を連載。
ベテランの実作者による推理小説時評として、
さまざまな反響や議論も呼びつつ執筆は39年に及んだ。
2012年7月号(5月発売)掲載分をもって
連載終了とすることが8月下旬にいたって
発表された(8月26日読売新聞電子版)。
実弟の丸山昇は
中国文学者で東京大学名誉教授。
兄弟ともに日本共産党の支持者として知られる。
「九条の会」傘下の「マスコミ九条の会」呼びかけ人を務めていた。
2013年4月27日、肺炎のため死去。84歳没。
次女の夫は放送作家の柊達雄(ひいらぎ たつお、1948年 - )。
【略歴】
1958年 - 『週刊朝日』と
『宝石』の共催コンクールで短編『銅婚式』が入選しデビュー。
1964年 - 長編『華麗なる醜聞』で第18回日本推理作家協会賞受賞。
1997年 - には推理文壇への貢献を讃えられ、
日本ミステリー文学大賞受賞。
2009年 - 菊池寛賞を受賞。
2013年 - 死去。
また6年間にわたり日本推理作家協会理事長を務めた。
【主な著書】
一本の鉛 東都書房、1959 のち角川文庫、講談社文庫
第4の関係 東都書房 1959 のち春陽文庫、集英社文庫
銅婚式 東都書房 1959 のち春陽文庫、講談社文庫
高すぎた代償 和同出版社 1959 のち春陽文庫、徳間文庫
透明な暗殺 東都書房 1960 のち角川文庫
賭の季節 新潮社 1960 のち春陽文庫、角川文庫
脳波の誘い 講談社 1960 のち春陽文庫、講談社文庫
二人で殺人を 光文社カッパノベルス 1960 のち角川文庫
未完の遺書 浪速書房 1960 のち春陽文庫、角川文庫
貞操試験 東都書房 1960 のち春陽文庫、集英社文庫
ひとり芝居 桃源社 1960 のち春陽文庫、角川文庫
秘密パーティ 新潮社、1961 のち春陽文庫、集英社文庫
第112計画 東都書房 1961 のち春陽文庫、徳間文庫
完全試合 光文社カッパ・ノベルス 1961 のち角川文庫
金属音病事件 新潮社 1961 のち角川文庫
未亡記事 新聞社殺人事件 角川書店 1961 のち春陽文庫、集英社文庫
10番打者 角川書店 1962 のち文庫
不幸な週末 東京文芸社 1962 のち角川文庫
遠い声 東都書房 1962 のち春陽文庫、徳間文庫
殺人書簡集 七曜社 1962 のち徳間文庫、集英社文庫
重要関係者 東都書房 1962 のち角川文庫
無効試合 光文社カッパ・ノベルス 1962 のち角川文庫
重い札束 新潮社 1962 のち春陽文庫、集英社文庫
再婚旅行 宝石社 1963 のち春陽文庫、集英社文庫
I.N.S探偵事務所 角川書店 1963 のち文庫
見習い天使 新潮社 1963 のち徳間文庫
地下球場 集英社 1963 のち角川文庫
蜜の巣 光文社カッパノベルス 1963 のち中公文庫、角川文庫
金色の喪章 新潮社 1964 のち春陽文庫、角川文庫
密会の宿 アサヒ芸能出版 1964 のち徳間文庫
光の肌 東都書房、1964 のち春陽文庫、徳間文庫
華麗なる醜聞 講談社、1964 のち角川文庫 - 日本推理作家協会賞受賞。豊田行二の作品(旧題「アイドル狩り」)とは全く別
盗まれた影 集英社 1964 のち文庫
透明受胎 早川書房、1965 SF のち角川文庫
死んだ時間 講談社、1965 のち文庫
壁が囁く 文藝春秋、1966 のち角川文庫
狂った信号 講談社 1966 のち文庫
佐野洋推理シリーズ 1-6 講談社、1966-1967
赤い熱い海 読売新聞社 1967 のち角川文庫
空翔ける娼婦 桃源社 1968 のち文春文庫
旅をする影 桃源社 1968 のち春陽文庫、集英社文庫
一瞬の殺意 青樹社 1969 のち徳間文庫
喘ぐ萠え木 集英社 1969 「宝石とその殺意」集英社文庫
赤外音楽 毎日新聞社、1970 のち旺文社文庫 - 1975年にNHK「少年ドラマシリーズ」でドラマ化されている。
吠える炎 桃源社 1970 のち講談社文庫
入れ換った血 青樹社 1970 のち講談社文庫
闇をひらく 桃源社 1970 のち角川文庫
轢き逃げ 光文社カッパ・ノベルス 1970 のち講談社文庫
小説三億円事件 講談社 1970 のち文庫
生き還った女 桃源社 1970 のち角川文庫
闇の告発 サンケイノベルス 1971 のち角川文庫
実験性教育 中央公論社 1971 のち集英社文庫
大密室 桃源社 1971 のち徳間文庫
直線大外強襲 講談社 1971 のち角川文庫
第6実験室 蒼樹社、1971 のち春陽文庫、角川文庫
砂の階段 講談社 1971 のち文庫
隠された牙 桃源社 1972 のち角川文庫
幽霊屋敷 双葉社 1972 のち角川文庫
蹄の殺意 産経新聞、1972 のち集英社文庫
謎が逃げる 桃源社 1972 のち角川文庫
野球が殺した サンケイ新聞社 1972 のち角川文庫
同名異人の四人が死んだ 講談社 1973 のち文庫
かわいい目撃者 双葉社 1973 のち集英社文庫
白く重い血 実業之日本社 1973 のち講談社文庫、集英社文庫
片翼飛行 毎日新聞社 1974 のち集英社文庫
人面の猿 祥伝社ノン・ノベル 1975 のち集英社文庫
折鶴の殺意 文藝春秋 1975 のち文庫
佐野洋の殺人レース ベストセラーズ 1975
牧場に消える 光文社カッパ・ノベルス 1975 のち文春文庫
大滑空 講談社 1976 のち文庫
禁じられた手綱 集英社 1976 のち徳間文庫
優雅な悪事 実業之日本社 1976 のち集英社文庫
推理日記 佐野洋ミステリー論集 潮出版社 1976 のち講談社文庫
七色の密室 実業之日本社 1977 のち文春文庫
完全犯罪研究 講談社 1978 のち文庫
美しい死刑 講談社 1978 のち文庫
姻族関係終了届 双葉社 1978 のち文春文庫
海を渡る牙 徳間書店 1978 のち文春文庫
しかし殺人は...... 実業之日本社、1979 のち角川文庫
推理小説実習 新潮社 1979 のち文庫
賢い人の愚かな犯罪 青樹社 1979 のち文春文庫
平凡な人の平凡な犯罪 青樹社 1979 のち文春文庫
ハンドバッグの証言 実業之日本社 1979 のち角川文庫
空が揺れる日 光文社 1979(カッパ・ノベルス) のち新潮文庫
犯罪総合大学 講談社 1980 のち文庫「総合犯罪大学」
盗まれた嘘 光文社 1980(カッパ・ノベルス) のち分春文庫
夜そして昼 朝日新聞社 1980 のち角川文庫
新推理日記 評論集 光文社 1980 のち講談社文庫
死体が二つ 実業之日本社 1981 のち角川文庫
香水と手袋 文藝春秋 1981 のち文庫
ミステリー総合病院 光文社 1981(カッパ・ノベルス)
銀色の爪 集英社 1982 のち文庫
友人たちの殺人 文藝春秋 1982 のち文庫
紙幣の散歩 朝日新聞社 1982 のち角川文庫
嫌いな名前 朝日新聞社 1982 のち角川文庫
檻の中の被害者 講談社ノベルス 1982 のち文庫
鏡の言葉 実業之日本社 1983 のち角川文庫、集英社文庫
突然の余白 角川ノベルス 1983 のち文庫
北の事件簿 新潮社 1983 のち文庫
殺人順位 文藝春秋 1984 のち文庫
死刑か無罪か えん罪を考える 西嶋勝彦共著 岩波ブックレット 1984
推理日記 part3-4 光文社 1984-1988 のち講談社文庫
おとなの匂い 集英社 1984 のち文庫
D支局長の事件簿 推理"単身赴任の男" 講談社ノベルス 1984 のち文庫
犬たちと殺人と イヌ・ミステリー傑作集 光文社 1984 (カッパ・ノベルス)のち文庫
静かすぎる被告人 光文社 1985
ひとり、そしてそれだけ 角川ノベルス 1986 のち文庫
いろいろな目 実業之日本社 1986 のち角川文庫
巡査失踪 新潮社 1986 のち文庫
私版・犯罪白書 徳間文庫 1986
羽田発SN9便 文藝春秋 1988 のち文庫
歩きだした人形 シリーズ「赤枠の記事」 実業之日本社 1988 のち集英社
【文庫】
推理日記 part 5-11 講談社 1988-2008 のち文庫
私兵刑事 光文社 1989 (カッパ・ノベルス)のち文庫
元号裁判 文春文庫 1989
折々の犯罪 講談社 1989 のち文庫
楽しい犯罪 新潮社 1990 のち文庫
消えた人々 文藝春秋 1990 のち文庫
九つの離婚 実業之日本社 1990 のち光文社文庫
卑劣な耳 新日本出版社 1991 のち講談社文庫
喝!四十二歳 文藝春秋 1992 のち文庫
「小の虫」の怒り 新日本出版社 1993
檻の中の詩 ノンフィクション・布川事件 双葉社 1993 のち文庫
折々の事件 講談社 1993 のち文庫
寄り道したり眺めたり 新日本出版社 1994
2(S+T)の物語 講談社文庫 1994
別人の旅 私的休暇白書 読売新聞社 1994 のち光文社文庫
空飛ぶ名探偵カラスのコルブス大活躍 講談社青い鳥文庫 1994
動詞の考察 実業之日本社 1994 のち講談社文庫
検察審査会の午後 新潮社 1995 のち文庫 - テレビ東京の『事件・市民の判決』としてドラマ化された作品。
折々の憎悪 講談社 1995 のち文庫
情事の事情 光文社 1995(カッパ・ノベルス) のち文庫
正義同盟 実業之日本社 1996 のち光文社文庫
北東西南(NEWS)推理館 文藝春秋 1996
四千文字ゴルフクラブ 文藝春秋 1998 のち文庫
光る砂 講談社 1998 のち文庫
不可解な使者 実業之日本社 1999 のち光文社文庫
風鈴教授の優雅な推理 徳間文庫 1999
わざわざの鎖 新潮社 1999 のち徳間文庫
指の時代 講談社 2000 のち文庫
兎の秘密 講談社 2001 のち文庫
ゴルフ奥の細道 主婦の友社 2003
事件の年輪 文藝春秋 2004 のち文庫
葬送曲 光文社 2005 のち文庫
選挙トトカルチョ 双葉社 2007
・・・・・ほか短編集、評論など多数!
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