745497 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ムッチのことば散策

ムッチのことば散策

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

常念 太郎

常念 太郎

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

Lord, teach us how … New! angel rubyさん

mmhirom Style's mmhiromさん

コメント新着

フリーページ

ニューストピックス

2016年07月05日
XML
カテゴリ:文学
竹 萩原朔太郎 詩集『月に吠える』より

光る地面に竹が生え、
青竹が生え、
地下には竹の根が生え、
根がしだいにほそらみ、
根の先より繊毛が生え、
かすかにけぶる繊毛が生え、
かすかにふるえ。

かたき地面に竹が生え、
地上にするどく竹が生え、
まつしぐらに竹が生え、
凍れる節節りんりんと、
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。

 解説を試みよう。

 「生え、」の繰り返しは連用中止法。どこまでも竹が続いて生えているかの印象を与える。脚韻「え」。各行の末尾が「生え」で終わっているため、それ以外の「ほそらみ」 「ふるえ」が際立ってくる。「ほそらむ」は朔太郎の造語であろうか。意味は「ほそくなる」
 作者、朔太郎の繊細な神経が「かすかにけぶる繊毛」に感じ取れる。地下では、繊細、かすかにふるえている有り様とは対照的なのが、「地上にするどく」「まつしぐらに」「凍れる節節りんりんと」などによって与えられる強いイメージ。どこまでも続く竹に、相反するものをもつ作者の姿をうつしだしたのかもしれない。
どのように音読すればよいだろう。詩人の佐々木幹郎氏によると、朔太郎自身の朗読の仕方は「ブッきらぼうな、息を継ぐたびに途切れさすような詠み方(国文学34巻)」であったという。第一連に病的な朔太郎を投影させるとすれば、ゆっくりと、たどたどしく、ぶっきらぼうに読みたいところ。不安で弱々しく、それでいて細やかで、いきとどいているかのように。五音、七音、五音のまとまりで間をあけたい。朔太郎自身の言葉で言えば、「リズム本位」。
第2蓮では第一連と変わって力強く、たくましく凛として屹立する竹をイメージして音読してみてはどうであろうか。
                 ​
Nintendo(任天堂) マリオカート7 【3DSゲームソフト】 マリオカート7





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020年09月03日 00時34分27秒
コメント(0) | コメントを書く
[文学] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.