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カテゴリ:熟語・慣用句・文法
私の職場で最近、聞くようになったこの表現。明らかに誤りです。比較的、年配の方も使用しているのはどうかと思います。しかし、「今の表現は文法的に間違っています。」という指摘は、なかなかできません。人間関係が悪いわけではないのですが、相手の揚げ足をとることになり、誤りを正すことのほうに弊害が生まれそうです。
文法的に正しい表現は「書かせていただきました」 使役の助動詞「せる」「させる」は、「書く」が五段活用の動詞ですから「せる」を接続させるのが適切な表現です。
さて、話題は変わりますが、平安時代、言葉の使用について繊細だった清少納言は、不適切な表現に接した際、相手に直接指摘したのでしょうか? 枕草子「ふと心劣りとかするものは」の中で、言葉遣いについての誤りや、流行語に対して「よろづのことよりまさりてわろけれ」とか「いとわろし」などと批判的に述べています。しかし、直接的に誤りを正したとは書かれていません。「人をば知らじ、ただ心地にさおぼゆるなり。」という記述から、直接的にはなかったかもしれないと思います。
私が社会人になったばかりの頃、ある先輩が私の言葉遣いを注意してくださいました。「すごい」は、もともと悪い意味に使われたから、「すごい」という言葉は、よいことに使わないほうがよいと。その先輩の忠告は、今や、時代遅れといえます。しかし、言葉に対する興味関心を起こさせていただけた貴重な忠告でした。
「言葉遣いの誤りを指摘するかしないか」、きっと清少納言も思案したに違いありません。そうだとすれば、1000年間以上続く、ささやかで大きな問題といえましょう!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年08月08日 13時55分38秒
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