娘の不登校の発端について・3
これから書くことは私個人の経験、考え、感想なので読んだ方の気に触る事がありましてもご容赦願います。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*―今日は教室で見聞きした事を書きます―*<一緒に授業を受ける・一週目>担任の先生は30代後半か40代始めごろの一見おとなしい女性でした。教室にいると、何故か全く笑わない先生でした。薄く微笑む事もありません。硬くて冷たい感じでした。そして子供達を褒める事もありませんでした。ただ、進めるべき事を形に従って淡々と進めるだけでした。勿論子供達は「こんなにつまらない授業はいやだ」と言っていました。休み時間になると拓山の子たちが私の所に来て話をしました。そして授業と掃除が終わって先生に挨拶に行くと、今までの鋼鉄のような顔が急ににこやかになって、私に微笑みかけるのです。でもこれまで息子の担任の先生方や、娘の先生方がとても良い先生方だったので私は自分が見ている事をきちんと把握できませんでした。(片時もじっとしていない多動性気味のその少年を、仮にH君と呼ぶ事にします。)何故笑わないんだろう?何故生徒を褒めないんだろう?何故他の生徒を注意するのにH君を注意しないんだろう?何故私と話す時だけ笑うんだろう?娘が先生を怖いと言う理由が少し見えて来ました。夜、寝る時に娘と布団の中で話しをしました。「先生は笑わないんだね。」「うん、いつも怒ってる。今日はお母さんがいたからあんまり怒らなかった」「そうなんだ。帰りのときは笑ってたけどね。でも、H君を注意しないんだね。」「うん!!!だから、近くの人は皆ひどい目に合うんだよ。先生が注意しないからHはドンドンうるさくなるし!!」娘は小さい頃から正義感が強くて、正しくない事が行われていると許せませんでした。娘はH君に対する先生の対応に怒りを感じていました。でも私は娘を諭しました。「真面目な先生なんだろうね。だからH君に対してどうして良いか分からないのかもしれない」そう先生を擁護しました。娘も自分の中で先生に対する不満を収めようとしていました。三日目は知能検査がありました。きちんと守らなければいけない条件の中で先生はピリピリしていたのかもしれません。とても強いきつい声で必要以上に「やめなさい!!!」「正確な検査が出来ません!!!!」と子供達に注意していました。それはお腹の底から出す、鋭くて怒気をはらんだような厳しくて威圧的で一方的な怖い声でした。一番後ろの席にいた私は一瞬教室から逃げ出そうか?と考えたほど怖い空気でした。それで私は娘が言った「いつも怒っている」「怖い」の理由をまた少し理解しました。私は検査の間は本を取り出し読書をしたり、ノートにこの状況を書き記したりしていました。つまり下を向いていたのです。すると急に先生の威嚇の声が穏やかな注意する声に変わりました。え?と思って顔を上げると教室の後ろに教務主任の先生が立っていました。知能検査の状況を各教室を廻ってチェックしていたのです。私はまた下を向いて本を読み始めました。しばらくすると、注意の声がまた恐ろしい威嚇するものに変わりました。え?と顔を上げると教務主任の先生がいなくなっていました。それでもまだ私はピンと来なくて本を読んでいたのですが、先生の声が穏やかになると教務主任の先生がいた・・・。先生の声が恐ろしくなると教務主任の先生がいなくなっていた・・・。と言う事が4回ほど繰り返された時に、やっと私は分かったのでした。この先生には裏表がある。いえ、人間には裏と表はいろいろあるとは思います。私だって人前で全部を出しているわけではありません。では、何故私はショックを受けたのでしょうか?先生が子供たちを威嚇して威圧しなければならない理由がどこにあるのでしょうか?そしてそれを隠している訳です。職員室ではこの先生は同僚の先生方と楽しそうに笑っていました。子供達は理屈では無しに感じます。大人のように「こうあるべき」「こうすべき」なんていう事で処理したりしません。だから、何かを感じていた訳です。そしてたった一人の部外者で大人の私も少しずつ感じ始めたのでした。知能検査で分かった事がもう一つありました。それはH君が本当の多動性の子ではないと言う事でした。何故なら彼は静かに検査を受けていたのです。少し声を出しましたが、それでも普段の百分の一位しか動きませんでした。つまりコントロールが出来ると言う事です。と言う事は、普段の授業で先生の指導の仕方次第でH君は普通に授業を受ける事が出来るかもしれない、と言う事です。では何故先生は指導しないのか?ますます分からなくなりました。*―明日は一緒に授業を受ける・二週目を書きます―*