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カテゴリ:魔法使いたちの恋
『魔法使いたちの恋』、第3部スタートします♪
少しだけリュイも成長しました(^^) ===================== 『魔法使いたちの恋』―試験1― 「はあぁ……」 これで何度目になるだろう。 口を開くと溜め息ばかり零れてしまう。 溜め息は、カイの専門なのに……。 その原因の大半が自分にあることは判っていたが、それはこの際無視する。 今、カイがこの場にいないのが悪い。 僕を、抱かないのが悪い。 だから、質問にも答えようがない……。 「なあ、教えろよ、リュイ。どんな顔してカイに抱かれてんの?」 図書館で本を探していたら、突然声を掛けられた。 驚いて顔を上げたら、本棚へと押し付けられた。 不幸なことに、専門書が並ぶそのコーナーの近くには、他に人影はなかった。 何処かで見たことのある顔だ。ずっと昔、第1の塔にいたような気がする。 しつこいくらいに問い掛けられる。 その度に溜め息を落とすしか出来ない。 だって、僕は知らない。 カイは、僕を抱かない。 『星祭りの集い』の夜、カイに「好きだ」と告げた。カイは頷いて、キスしてくれた。 学院中が知っている。 カイと僕は、恋人になった。 時間が流れるのは早い。 あれから1年近くの時間が経った。僕たちは最高学年になった。来週からは卒業試験も始まる。 抱くということがどういうことかも、僕なりに勉強した。正確ではないかも知れないが、今では多少なりの知識もある。 でも、カイは僕を抱かない。 何故かなんて、そんなこと知らない。――訊けない。 「何、リュイ苛めてんの? ソイ」 別の声が割って入ってくる。 そう、ソイだ。 明るい金髪に茶色の吊り目。間違いない。 もっとも記憶にあるソイは、少年の姿で、苛めっ子のままだったけど。 いつの間にこんなに大きくなったのだろう。 だが別に不思議なことではない。僕だって次の誕生日を迎えると17歳になる。 華奢な自分と違って、ソイは手足も大きく、肩幅も随分と大きくて、とても同じ歳とは思えなかったけど。 「エルか」 ソイがそう答えるのを聞いて、リュイは顔を上げた。 ソイの言葉どおり、割って入った人物はエルだった。 助かった、そう素直に喜べないのは、リュイがエルという人物を良く知っているからである。 見た目は美人だが、その性格はかなり破綻している。何を考えているのかよく判らない。 エルは第1の塔の同期生の中で一番関わり合いたくない相手であった。カイにも「近付くなよ」と念を押されたばかりである。 「……ふうん、ソイはリュイを抱きたいってわけか」 上から下まで舐めるように見つめた後、エルはアッシュブロンドの長髪を掻き上げてそう言った。 「趣味悪いね、ソイ」 溜め息とともにそう付け足す。 何だか悪い予感がする。 早くこの場を離れた方がいいような気がした。 そう考えて、リュイは口の中で小さく呪文の詠唱を始めた。 「あれ、察しがいいね。いつもぼーっとしてるお人形さんにしては」 エルがにやりと笑う。薄い灰色の瞳と、視線がぶつかった。 その瞳が、薄紅色を帯びていく。 しまった。 そう思ったときには、既に手遅れだった。 発動しかけた呪文が消失するのを感じ、リュイは嫌な汗をかいた。 エルの空間に、囚われていることを認識する。 「リュイは知ってるよね。僕の得意魔法。いや特異体質、といった方がいいかな?」 知っている。 エルの作り出す空間は、全ての魔法を無効化する。 かなり厄介な代物だ。 「さあ、イイコトしようか」 くすくすと笑うその声に、ぞくり、と恐怖を感じた。 ===================== 続きます♪ 6話程度の予定♪ お付き合い下さると嬉しいです♪ ===================== 今日もお天道様が頑張っています(^^; この日照りに参っている庭木に水をやるのが日課ですが、どうにも困ったことが…(><) 高瀬、虫、苦手なのです(><) とんでもなく…!! それなのに! 庭に出ると必ずセミに襲われます! 昨日はあろうことか高瀬の頬をかすめてくれました! ひええええーーーー!!! 怖い! 真面目に怖いです!! 毎日、恐怖の時間です(><) お面でも被ろうかな…(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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