腎臓はいろいろなタイプの組織によって構成されています。血管、糸球体、尿細管、間質です。高血圧においては、血管、糸球体から炎症性病変が進行します。高血圧の病悩期間、血圧コントロールに応じてその進行程度が影響されます。進行がゆっくりで、末期腎不全・透析まで進行することはそれほど多くありません(糖尿病などの合併症が無ければ)。通常の高血圧で見られるのはこのタイプの腎障害で良性腎硬化症と呼びます。治療は、減塩や降圧薬治療です。
一方、免疫学的異常によって糸球体に免疫反応が起きて糸球体障害が進行性に起きて末期腎不全・透析まで進行する腎障害は悪性腎硬化症とよばれます。急速進行性糸球体腎炎と呼ばれている糸球体疾患がその典型的な疾患です。腎組織をとって調べると糸球体周囲に特徴的組織異常(半月体形成)がみられることが多いです。悪性高血圧を来たす疾患でもあります。尿検査で、蛋白尿、血尿、多彩な円柱(尿成分、細胞の集塊)も観察され、著明な高血圧を呈します。原因が明らかなものもあり、結節性動脈炎、SLE、ウェイゲナー肉芽腫、紫斑性腎炎などがあります。腎臓の組織をとって顕微鏡で観察し(腎生検)、糸球体障害の程度や半月体を確認し、多くはステロイド薬を使用する強力な治療が実施されます。非常に良くなるものもありますので、早期の発見が重要です。
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Last updated
2005/03/29 02:46:19 PM
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