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高血圧・ブログ・クリニック

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2005/03/30
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カテゴリ:カテゴリ未分類
聞きなれない言葉かもしれませんが糸球体高血圧という概念があります。
腎臓は腎動脈が細くなって糸球体という血液濾過器官を形成しています。汗腺も似たような機構を形成しています。この糸球体の存在によって原尿が生成され、電解質やアミノ酸、糖代謝がその後の尿細管で行われます。高血圧をはじめとする生活習慣病が持続すると腎障害を来たすわけですが、その病巣となるのが糸球体です。糸球体に入ってくる血液の量は変化しますが一定の上限があります。その制限を越えて過剰量の血液が流入すると糸球体は緊満した状態となって物理的圧力(内圧)が増加します。これが糸球体高血圧という状態です。この物理的圧力が長く続くと糸球体は炎症を惹起して、その結果として瘢痕性に硬化していくわけです(良性腎硬化症)。
動脈硬化などがない場合、糸球体へ入る動脈(輸入細動脈)が糸球体への血流量を自動的に調節して、糸球体に圧負荷がかかり過ぎないように調節します(輸入細動脈自動調節)。しかし、動脈硬化や糖尿病性血管病変など内皮障害があったり血管の肥厚性変化があるとこの自動調節能が働かなくなり、糸球体に入る血流量が多くなり圧負荷が増加し、糸球体高血圧の原因になります。このような影響によって良性腎硬化症は時間をかけて起こります。
一方、免疫系の異常でおこる糸球体腎炎においても糸球体高血圧の関与が示唆されます。糸球体腎炎に犯された糸球体は急速に硬化して機能しなくなりますが、生体において腎機能として必要な血液濾過を行う必要があります。そのため残存した糸球体がその濾過の役割をすべて担わなくてはなくなり、糸球体一個一個にかかる血液濾過負荷が増加します。この場合にも糸球体高血圧が惹起します。
この糸球体高血圧を是正すれば腎障害の進行が抑制される可能性があります。高血圧治療がその一つとなります。血圧を下げて、糸球体への圧負荷を低下させることが重要です。また、糸球体からの血液流出を促進して糸球体血流量を低下させることによっても是正されると思われます。糸球体からの血液流出を調節するのが輸出細動脈ですが、この動脈の収縮はアンジオテンシンIIという血管収縮ホルモンで大きく影響を受けています。このアンジオテンシンIIの作用を低下させれば糸球体からの血液流出が進み糸球体高血圧が是正されます。この意味からもアンジオテンシンII抑制を考慮した高血圧治療が有効なわけです。腎障害を伴う高血圧治療には、アンジオテンシンII抑制につながるアンジオテンシン受容体阻害薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬が積極的適応となる由縁です。





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Last updated  2005/03/31 12:08:48 PM
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