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今日は尿細管―糸球体フィードバック機構という、マニアックな話になりますが重要な腎機能調節機構について話ます。
腎糸球体と尿細管は一部で解剖学的に隣接しています。この間にマクラデンサ細胞という特殊細胞があります。“腎臓の頭脳”と呼ばれている細胞です。尿細管からの情報(尿細管の中の食塩濃度)を感知して糸球体の血流量を調節しています。すなわち、尿細管の中のNaCl濃度が増加するとそれを感知して(Naトランスポーターがそれを担当する)、糸球体細動脈に指令(何らかのメデイエイター物質)をだしこれを拡張させ糸球体への血液流量を増加させる。また、逆に尿細管のNaCl濃度が高くなると糸球体への血液流量を減少させる。この機能によって、尿細管のNaClが少ないときは糸球体からのNaCl濾過量を増加させ、十分量のNaCl排泄を保とうとするのです。一方、尿細管内のNaClが多いときは、糸球体からのNaCl濾過量を減少させてNaClを体内に保持しようとするわけです。この機能(マクラデンサ機構)があるため、体内のNaClは腎臓のレベルで程よく保てるように調節されているわけです。 食塩感受性高血圧ではこのマクラデンサによる尿細管―糸球体フィードバック機構が破綻していて起きることが提唱されています。すなわち、高血圧ではマクラデンサ細胞のNaCl感知力が異常をおこして(過敏になって)NaClを保持する方向に亢進しているため、食塩感受性高血圧が惹起するというものです。このマクラデンサによる尿細管―糸球体フィードバック亢進にはアンジオテンシンIIやトロンボキサンというホルモンによっても生じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/31 04:56:52 PM
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