P-Blog アイデア&インプレッション

「恐るべきさぬきうどん」という本が流行り、全国に讃岐うどんブームが起き。全国から四国・香川県までうどんを食べに来る人が増えたり、通販や全国のスーパーやコンビニエンスストアでも冷凍讃岐うどんが買えるようになって久しい。しかし、本場の讃岐うどんの、セルフサービスで、自分の食べられる量に合わせて、麺の熱さ、汁の熱さを選択し、トッピングを選べ、しかも低価格というシステムまでは、なかなか広がらなかった。それが、最近、全国に広まりつつあるのだ。

今日の昼のおやつは、近所のサティのフードコートで、100円のうどん小を頼み、それに80円のちくわのてんぷらを乗っけて食べた。しめて、消費税込みで189円だ。
これは、マクドナルドのコーヒーと同じ値段である。
出汁は、讃岐風の薄いもので、100円なのにちゃんと天かすまで入っている。さすがに、中サイズを選ぶと、200円になるので少し高いが、それでも、駅の立ち食いうどんよりリーズナブルだ。
大中小と選べるのは、子供が多く来るスーパーのフードコートに丁度いいし、財布にやさしいのもうれしい。こういうシステムを、いままで、讃岐地方だけにしていたのがもったいないと思っていた。

4年ほど前、今ほど、讃岐うどんがブームになっていなかった頃、レンタカーを借りて、24時間で9軒の讃岐うどんを食べるという事をした。24時間といえども、ちゃんと「山越」「田村」「あたり屋」「竹清」など、評判の高い店も、あまり行列で並ばずに食べられた。これだけ、一日にたくさん回れたのも、1杯でも少ない量を選べて食べられるという、讃岐うどんのセルフサービスシステムがあったから実現できたのだ。
実は、埼玉県あたりも、密かに、おいしいうどんの産地なのだが、ここは、うどんを頼むと、無茶苦茶なボリュームで出てくる所が多く、とても、24時間で9軒を廻るというのは不可能だ。
うどんは、食べてから、素早く体のエネルギーになる食品。おそらく、讃岐の人たちは、農作業の途中の栄養補給のために、軽く、食べ、そしてすぐに仕事に戻ったので、少ない量から食べられるシステムを編み出したのかもしれない。

今では、東京ビッグサイトの近くのビルでも、青山の国連関係の建物の近くでも、安くて量の選べる讃岐うどんのセルフシステムのお店がある。
ハンバーガーショップで、ついついセットを頼んでしまう人が多い中、セルフサービスという、コシのある麺以外の、讃岐うどんのよさが全国に広まり、お仕着せではない、自分のスタイルで食事をする習慣が広まりつつある。
これからの日本は、消費者の目を肥やし、消費者が自分で決める時代になっていくだろう。そんな予感がする。
たった100円のセルフの讃岐うどんだが、日本人を変える、大きな可能性が隠されているのだ。