カテゴリ:科学関連
Thirty Meter Telescope(サーティ・メーター・テレスコープ=略称TMT)なるものが、ハワイのマウナケア山に建設されるべく計画が進んでいるようです。
この建設地はご存じ日本の “すばる望遠鏡” も設置されているところで、こと天体観測に関してはメッカのようなところです。 そこに “TMT(サーティ・メーター・テレスコープ)” と名付けられた口径30メートルもある鏡面を持つ、光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡が、アメリカ・カナダ・中国・インド等との国際協力によって実現されようとしています。 その口径30メートルの鏡面をわが日本が、技術の粋を駆使して造りだすのだという。 既にあるすばる望遠鏡の鏡面は後継8.2メートルでワンピース(一枚もの)の鏡面ですが、今度のTMTは正六角形の鏡を492枚継ぎ足して一枚にして、その口径を30メートルの鏡面に仕上げる “複合鏡望遠鏡” ということです。 TMTは2021年度の稼働開始を目指して建設計画を進めているといいますから、東京オリンピックが行われた次の年ということになります。だからあまり遠い未来の事というわけではありません。 これが完成して実際に宇宙観測が始まると、すばる望遠鏡の能力をはるかに凌ぐ高解像度と高感度を期待できるのです。 TMTは光を集める能力で従来の望遠鏡の10倍以上というから長足の進歩ということになるし、天体の性質を調べるのに不可欠な分光観測などにおいて圧倒的な力を発揮するのだとも。 それによって、太陽系外惑星の探査や宇宙初期の天体の成り立ちの解明など、新しい天文学の研究分野を切り開くとされていますが、それよりももっと別の予期せぬ発見などもあるかもしれない。 とにかく何が見えてくるのか? 何が解明されるのか? 私は今からワクワクして期待が膨らんでいるのです。 宇宙の事を夢想するのが好きなわたしには、待ち遠しい限りです。 ガリレオ・ガリレイが400年ほど前に望遠鏡を覗いていた時代から、望遠鏡は大型化とその技術革新の繰り返しの歴史を歩んできました。その結果新たな天体や現象が次々と発見され、その都度新しい宇宙像が書き換えられてもきたのです。 今度のTMTはどんな宇宙像を我々人類に見せてくれるのか? そんな事を想う時、地球上で起こっていることなど些細な微塵のように思えてくるから不思議な気持ちです。 TMT完成予想図 もちろん地上からの天体観測では、地球の大気に邪魔されて像が乱されてしまうことはよく知られています。しかながら、これを補正する “技術・補償光学” を用いると、地上からでも大気圏外からの観測と同様に、望遠鏡の限界性能の解像度を得ることができるのだという。 そこでこのTMTは、<<補償光学を利用することができる赤外線観測においては、30メートルの口径を活かしてハッブル宇宙望遠鏡を10倍以上上回る解像度を実現します>> ということですから、全く以て頼もしい限りの望遠鏡ということになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.08.23 05:43:20
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