カテゴリ:書籍関連
デビューから50数年が経っていまだにロック界の頂点に君臨する、ご存じローリング・ストーンズのシンボルマークのベロ・マークです。
1970年に当時まだアート・スクールに通う学生であったジョン・バッシュ君によりデザインされた。 ジョン・バッシュ君は、ミック・ジャガーの厚く大きな唇と長い舌をイメージして、この衝撃的なデザインを創り上げたのは言うまでもないことだろう。 それともう一つこれも有名な話なのですが、彼に支払われたデザイン料はなんと、たったの50ポンドだったという信じられないような話です。 まだアート・スクールに通う若き学生にとって、そんなギャラのことなんかはさしたる問題ではなく、自身が創作したデザインがローリング・ストーンズのシンボルマークに採用されたというだけで、天にも昇る気持ちだっただろうことは想像に難くない。 一方話はかわって、先日我が書棚をごそごそやっていた時にこんな本に出くわした。それは昭和45年3月に誠文堂新光社から発行された『THE BEATLES SONG ILLUSTRATED LYRICS(ビートルズ・ソング・イラスト集)』というタイトルの本のこと。 イラストレーターのアラン・オルドリッジ氏が自身のイラストレーションとともに編纂した、大きさ210×277mmで156頁の書籍(作品集)で価格は1300円となっている。 内容はビートルズがそれまでに発表した楽曲全ての歌詞をテーマに、アラン・オルドリッジ氏がイギリスのデザイナーや写真家などアーティストに声をかけて、イラストレーションや写真やコラージュなどの作品で表現・構成するとういう作品集となっている。 この作品集をパラパラと懐かしく捲っていて、ある見開きページでその手が止まったのです。 それはビートルズの楽曲『Day Tripper』をテーマのイラスト作品で、その作者はアラン・オルドリッジ氏その人だった。 それがこの作品です。 これを観ていかが思われるでしょうか? あまりにもイメージがそっくりではありませんか。 これはどうしたことでしょう。ジョン・バッシュ君とアラン・オルドリッジ氏、どちらが先にこのアイデアを持っていたのであろうか? ストーンズのベロ・マーク採用(1970年)とビートルズ・ソング・イラスト集の日本での発刊(昭和45年)は同じ年で、なんと時期を同じくしているのです。ただしオリジナル英語版は1969年発行ですから、こちらが少し早いようです。どちらがどちらを模倣したなんて野暮なことは申しませんが、同時期に全く別のアーティストが同じイメージを持ち、表現が似てしまう。そんなこともままあるのですね。 因みにこの『THE BEATLES SONG ILLUSTRATED LYRICS』は一昨年2012年に、1500部の限定で復刻版(洋書・英語版)がOMNIBUS PRESSという出版社から、大判ハードカバーにグレードアップされて発刊されますが、価格は8570円とかなり高価なものになっていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.07.10 14:40:16
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