ひとつの楽器で一番大きなものは、おそらく教会やコンサートホールにあるパイプオルガンではないだろうか?
そのパイプオルガンは荘厳な音を出し、厳粛な気持ちにもさせてくれる音色を持っている。
昔からそのパイプオルガンの音源メカニズムはどうなっているのかが疑問でした。
もちろんたくさん並んでいるパイプそれぞれに風(空気)を送り込んで音を出している理屈は分かるのだが、その空気の流れはどのように作ってどのように送り込んでいるのか? 定かなところが分からなかった。
もちろん想像では、「コンプレッサーのようなもので空気を圧縮してコントロールしているのだろう」くらいのことは思い描いていたが、パイプオルガンはとても古い歴史を持っていて、紀元前から存在していたようなのです。そんな昔にコンプレッサーなど有ろうはずもない。
そんな大昔、パイプに空気を送るメカニズムは水圧方式だったらしいことが分かった(詳しくはここに書かない)。
そしてその後は、”ふいご” で風を送る方式に代わってくる。オルガンの規模によって ”ふいご” の大きさもその数も違ってきますが必ず複数は必要になります。一つだと ”ふいご” が閉じてしまうと、空気を送り込めず音が途切れてしまうから、ひとつが降りるまでに別のふいごを上げ、次々と引き継いでいく仕組みになっているからです。
その方式だと、演奏者とは別に裏方として ”ふいご職人” が必要で、演奏中はずっと ”ふいご” が落ちたらレバーやロープなどで引き上げる作業を続けていた。オルガンの規模によっては、”ふいご” が4つも5つも備えられることになる。
そして現在、新たにパイプオルガンをつくる場合は、<<電気のモーターを回してふいごへ風を送り込み、常にふいごを膨らませておく方式が主流です。つまり、私たちには見えないところで、大きな送風機が回っているわけです。見えないところに置くのは、送風機の回転音がかなり大きいから。ひとつの送風機で複数の ”ふいご” に風を送る場合が多いので、送風機にはパワーが要るのです。そのためうるさくないように別の部屋を用意し、周りを吸音クッションで囲い、部屋自体も防音壁にして設置しています>> ということになっているという。
しかしながら現代でも、あえて人力で送風できるオルガンを新しく作ることがあるらしい。
これは、<<モーターを使うとどうしても空気に渦のような乱れた流れが生じ、パイプを通過する際に音に影響が出るのだそうで、昔ながらの方法だと空気が一方向に移動するだけなので音がいい>> ということが分かりました。