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2005年02月24日
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前回と前々回の日記では、財務の健全性を図る尺度として「株主資本比率」と「総資産経常利益率」を紹介し、さらにその2つを合成した指標について説明しました。

これらの指標は、第一段階の銘柄スクリーニングとしてはまあ悪くないと思うのですが、それと同時に限界もあります。こうした限界は「株主資本比率」と「総資産経常利益率」の質に関係していますが、その限界を「その他の尺度」でカバーすることで万全を期したいと思います。

四季報において、財務の健全性を確認するための情報は「株主資本比率」と「総資産経常利益率」以外にもたくさんありますので今回はそれを紹介したいと思います。

「株主資本比率」や「総資産経常利益率」で見て健全そうな企業でも、以下の点に多く該当する企業であれば、財務の健全性について疑いの目で見たほうが良いでしょう。

(以下の話は「一般業種」についての財務の健全性であり、「金融」「不動産」「公共セクター(電気・ガス・鉄道など)」には適用できないかもしれませんので、その点はご了承ください。)


1.純有利子負債と当期純利益の倍率

「株主資本比率」は負債の質を一様とすることを前提とした指標ですが、実際には利子のある負債とそうでない負債があります。とりわけ「有利子負債」は他の債務とは区別すべきであり、それが過大になれば事業の継続性に問題が生じます。

したがって、有利子負債は少ないほうが望ましいですし、あったとしても現状の収益力で十分に返済できるだけの程度であるほうが良いと思います。以下では、当期純利益が正であることを前提としますが、「純有利子負債・当期利益倍率」を以下のように定義します。

純有利子負債・当期利益倍率=(有利子負債-現金同等物)÷当期純利益

「有利子負債-現金同等物<0」であれば、この指標は不要です。ちなみに、この数字が5を超えていれば少し考えたほうがいいと思います。相応の理由があっての借入であればいいのですが、大抵の場合は「有利子負債が多いのは何か問題がある」と疑ってかかるほうが無難だと思います。特に、初心者に対してはそう言えますし、私もそうしています。

より保守的な判断としては「有利子負債-現金同等物<0」である企業に限定することをおススメします。(特に、資産バリューでの投資だとかなり重要。)


2.通常営業での利益の推移

次に、過去における通常営業での利益の推移を見ることをおススメします。四季報では過去3~5期くらいの要約損益計算書(売上・営業利益・経常利益・当期利益)が掲載されていますが、このうち、通常営業での利益である「営業利益」や「経常利益」の推移を確認します。

この項目で赤字が多い企業は基本的には投資を見送ったほうが無難です。将来どうなるかは分かりませんが、少なくとも「過去において事業がうまくいっていなかったのではないか」と推測できるからです。過去5期のうち「直近も含めて2期以上赤字」であれば、基本は見送りです。

もちろん、こうした赤字体質の企業への投資の理由として、業績の回復の可能性に注目したり、資産バリューに注目したり、一般に認められた会計原則(GAAP)の盲点(特に、利益とキャッシュフローのずれ)に注目する方法も考えられますが、それは財務諸表をある程度見ることができるようになってからでいいと思います。


3.利益剰余金

「利益剰余金」は、その企業が過去に蓄えた留保利益(利益を配当として出さなかった累積分)が表記されています。株主資本比率が高くても、それが過去の利益の蓄積ではなく第三者から資金を調達しただけに過ぎないものであれば、株主資本比率の質は格段に落ちます。少なくとも「事業がうまく行っている」とは言い難い状態です。

利益剰余金がマイナスである企業は基本的には見送りです。特に、株主資本比率が高いボロ株はこのような特徴を持っていますので要注意です。


4.キャッシュフロー(CF)

次に、利益の質にも注目します。ここでは、「営業CF」と「財務CF」に注目します。(「投資CF」ももちろん重要ですが、今回は考察の対象外とします。)


(1)営業CF

とりわけ「営業CF」が重要です。「営業CF」がマイナスであれば何故そうなっているのかを有価証券報告書で突き止める必要があります。仮にマイナスでなくても純利益と比べて大幅に低い水準であればその理由を確認すべきです。理想は、当期純利益と同水準である(もしくは、それよりも多い)状況です。

キャッシュフロー計算書をうまく読みこなせない場合、「営業CFがマイナスであれば投資を見送る」という判断をするのが無難です。直近の2期において連続でマイナスであればなおさらそう言えます。


(2)財務CF

営業CFがマイナスであれば、資金を何らかの形で手当てしなければなりません。営業CFがマイナスで、財務CFがプラス(新規借入や第三者割当増資)であれば、かなり要警戒です。業務を拡大している最中なのか、事業がうまく行っていないのかを見極める必要があります。

仮に、業務を拡大している最中であるとしても、無理に資金調達をしてまでそれをやる価値があるのかを確認する必要があります。大抵の場合、無謀な拡大路線は財務的な問題に直面します。

キャッシュフロー計算書がうまく読みこなせない場合、営業CFがマイナスで財務CFがプラスであれば、基本的には「投資は見送ったほうが無難である」と判断すべきです。


5.資本調達の状況

財務CFがプラスであれば、「資本調達」の項目もチェックです。新規上場の場合を除いて、上場後に「第三者」(第三者割当増資の意味)という項目がやたらと並んでいる企業は注意が必要です。

特に、「営業CFがマイナス」で「財務CFがプラス」である企業に「第三者」という項目が多ければかなり危険です。


四季報だけで財務の健全性を判断するには限界があるものの、判断するための基礎となる情報は意外と多いことが分かるかと思います。

今日の言葉:
「情報源は会社四季報だけなんです。四季報が間違えたら、ぼくも間違えると。そういう覚悟さえ持っていればいいんですよ。」
(竹田和平)

P.S.
その竹田和平さんも、「日本システム技術」で地雷を踏みましたが、それでも四季報だけで財務の健全性を判断できる材料はたくさんあると私は思います。さらに、CD-ROM版の四季報まで使いこなせれば財務の健全性についてはかなり分かると思います。(CD-ROM版の四季報まで使えば、日本システム技術の投資は控えていたという判断は十分にできると思います。)





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最終更新日  2005年02月24日 06時03分01秒
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