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資格試験の予備校である「TAC」のホームページを見ていると、つい最近実施された各種資格試験の模範解答が載っていました。
TACのホームページ 解答速報 今年の8月に実施された公認会計士の論文試験の模範解答も載っており、中でも興味深かったのが「経営学」でした。公認会計士の論文試験は大問が2つという形式ですが、そのうちの一つがファイナンス関連でした。 当然ながら私は試験を受けていないのですが、この模範解答からどのような問題であったのかを推測することは非常に容易でした。 経営学の模範解答 ************************** <経営学試験 第十二問>:PDFファイルの2ページ目 問1 裁定取引が機能する条件は、まず、合理的投資家の資金量が非合理的投資家のそれを上回ることである。非合理的投資家の資金量が上回ると、彼らのバイアスのかかったどう方向への行動が裁定取引を阻害しかねないからである。また、市場の完全性も必要である。空売りなどの取引に制約がある、取引に多額のコストがかかる、完全に代替的証券が存在しない、などの制限があると、裁定取引が阻害されるからである。 問2 本文のケースは市場の非効率性を意味している。市場が効率的であれば、プロの投資家でも、いかなる情報分析をしようとも、市場より高いリターンを継続的に獲得することができない。ところが、当該ケースでは3年という期間に渡り継続的に市場を超えるリターンをあげており、このことは市場が非効率的であることを示すと考えられる。 問3 本文のケースは市場の効率性を意味している。市場が非効率的であれば、決算短信等の公開情報は瞬時には株価に繁栄されず、情報開会後の一定期間、株価が上昇ないし下落し続けることが起こる。ところが、当該ケースでは、決算短信による増益報告という情報は株価に既に織り込まれており、このことは市場が効率的であることを示すと考えられる。 問4 (1)完全市場、(2)企業価値 (3)法人税、(4)所得税 (5)支払利息、(6)直接的コスト (7)間接的コスト、(8)負債 (9)情報の非対称性、(10)ペッキングオーダー (11)自家製配当、(12)後悔回避 (13)顧客効果、(14)フリーキャッシュフロー ************************** 問1はおそらく、「裁定取引の限界について合理的投資家と非合理的投資家を関連付けて論述せよ」という類の問題だと推測されます。いわゆる「ノイズ・トレーダー・リスク」の話です。 問2はおそらく、「市場を継続してアウトパフォームしたことを市場の効率性と関連付けて論述せよ」という類の問題だと推測されます。 問3はおそらく、「決算情報が株価に織り込まれたことを市場の効率性と関連付けて論述せよ」という類の問題だと推測されます。 問4は今流行りの「行動ファイナンスの基本的な話題」に関する言葉の穴埋め問題だと推測されます。 公認会計士試験の問題は試験委員の影響が大きく、経営学についてはその試験委員の一人が神戸大学の加藤英明教授という行動ファイナンスの研究者であるとことからすぐに納得がいきました。 それにしても、「経営学は公認会計士の中で一番簡単な科目である」という定評があるとはいえ、仮にも司法試験の次に難しい国家試験とされている公認会計士の論文問題の一つがこんなに簡単でいいのかと思った次第です。 だからと言って、他の科目(特に、会計系の科目)はそれ相応にやらないと駄目なので簡単に受かるという話にはならないのですが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年11月26日 05時47分36秒
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