前夜に高知の酒場でどんちゃん騒ぎをして、酔鯨や土佐鶴や栗焼酎ダバダ火振etcをたらふく飲んだ場合。
昼過ぎに目覚めて、なんにも食べずに昼下がりの高知競馬場へ向かうわけです。
無料バスが競馬場に着くころには、空腹で倒れそうになっています。
これじゃ競馬新聞を読み込めないし、パドックで馬を吟味することもできません。
だからなにかをむさぼり食う。
だけど夜の7時頃になると、またまたお腹が空いてくるわけです。
ナイター競馬はハラが減る。
私は高知競馬場へ行く度に、場内の「まるまん」に駆け込んで、焼きそばをこしらえてもらいます。
アツアツの焼きそば、350円也。
いつも【青のり抜き・マヨネーズあり】でオーダーします。
高知競馬は基本的に土日開催なのですが。
冬場は平日開催がドーンと増えます。
平日のネット馬券販売は盛況だけど、競馬場にやって来るお客さんはグンと減ります。
だから売店の大半は、平日の開催日は営業休止。
そんな中、場内の端っこにある“まるまん”および、まるまんの屋台は、競馬開催日は平日でも営業しています。
白いタオルがトレードマーク大将は、「食べるもんがないと、お客さんが困りますき」と言って笑います。
2004年3月、ディバインシルバー&安藤勝己騎手(当時)が制した第7回黒船賞の日。
最終レースの「YSダービージョッキー特別」では、稀代のアイドルホース・ハルウララに武豊騎手が騎乗しました。
高知競馬場に1万3千人の観客が詰めかけた日。
ハルウララの単勝馬券専用窓口にできた長蛇の列は、50馬身ほど後方にある“まるまん”にまで到達したそうです。
「100円の単勝を、200枚も買う人もおりましたきねえ」
“まるまん”から24年に渡って高知競馬を見つめてきた大将は、しみじみ振り返るのでした。
馬券売り場の近くには、まるまんの屋台があります。
屋台では、大将のお母さんが優しい笑顔で迎えてくれます。
お母さんは、「かいばおけ支援金」の話をしてくれました。
かいばおけ支援金とは、2007年に第10回黒船賞を実施することを目的として集められた支援金のことです。
「『最後の黒船賞になる』ゆうて、お客さんがかいばおけの中に、100円、1000円……と入れてくれたんですよ」
私はお母さんの話を聞いて、どん底時代の高知競馬を支えた人々の存在を思い出しました。
夜さ恋ナイターの成功も。第18回黒船賞が、自力で開催されることも。
ファンの支えあってこそであることを、あらためて実感。
おでんも美味しいぜよ。
3月15日の黒船賞まで、あと23日!