レディースジョッキーズシリーズ2011、荒尾ラウンドのヒトコマ。
女性ジョッキーに囲まれた武豊騎手、こじゃんと嬉しそうやきね。
藤田菜七子騎手“ひな祭りデビュー”の余韻もさめやらぬなか。
3月4日(金)に名古屋競馬場で、3月12日(土)には佐賀競馬場で、「レディス&ヤングジョッキーズシリーズ(LYJ)」が行われます。
3/4名古屋ステージ 第1戦 第2戦
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女性騎手5名と若手騎手5名が、各ステージ2戦ずつで腕を競うこのシリーズ。
昨年の名古屋ステージは、女性騎手チームが優勝。
個人優勝は岩手の鈴木麻優騎手でした。
今年も高知から、別府真衣騎手と下村瑠衣騎手が参戦します。
今年に入ってからすでに20勝を挙げ、高知の騎手リーディング上位につけている別府騎手。
2005年のデビューから積み上げた勝ち星は、「584勝」。
宮下瞳元騎手(名古屋)が保持する日本の女性騎手最多勝利記録「626勝」に、着々と近づいています。
LJS2008を優勝。当時はあどけない少女でした
2006年から2011年まで行われていたレディースジョッキーズシリーズ(LJS)における、別府騎手の成績は――。
2位、2位、優勝、2位、4位、優勝。
2008年のLJSでは、最終戦で執念の2着をもぎ取り、1ポイント差で初優勝を果たしました。
2年連続2位の悔しさを乗り越えた優勝劇。荒尾競馬場に響いた「よっしゃ~~~☆☆☆」という叫び声、忘れられません。
「レディース競走は楽しいです。みんな『負けたくない!』っていう気持ちが強いから、レース中はバチバチと火花が飛び散る感じなんですよ。でも、レースが終われば仲間なので、一緒に食事をして盛り上がったり。LJSがあった時は、ファンのみなさんを招いて前夜祭をやったりしてましたよね。そういうイベントも、ホントに楽しかったです。JRAでは藤田菜七子ちゃんがデビューしますし、瞳さんも復帰を目指しているそうですし、これから女性ジョッキーがどんどん増えていくといいな……と思っています」
所属する競馬場は違っても、常に意識しているライバル達と同じレースで腕を競いあうことは、別府騎手に成長をうながしました。
悔しい想いをしながら技術を磨いて。結果を出して自信をつけて。
レースが終わればノーサイドで、飲んで笑って、励まし合って。
元騎手の赤見千尋さんと。素敵な女性になりました
一昨年には、佐賀の「ル・プランタン賞」を自厩舎(当時)のクロスオーバーで制覇。
昨年は門別の「道営記念」にスポット参戦。
オファーがかかるだけですごいよなあ。
なんてことを思っていたら、11番人気のビッグバンドジャズで猛然と追い込み、3着をもぎ取ったではありませんか。
それでも別府騎手は、ファンや関係者の喝采を浴びながら、こう思っていたそうです。
(悔しい。もっと私が上手く乗れば、2着はあった……)
テキ(父であり師匠でもある別府真司調教師)にもらったおにぎりパワーでがんばります(笑)
4日の「レディス&ヤングジョッキーズ・名古屋ステージ」に向けて、意気込みをお願いします。
「名古屋競馬場は、少しだけ苦手意識があります。たぶん、瞳さんや茜は『地元では絶対に勝ちたい!』という強い気持ちで、臨んでいたと思うんです。自分が高知ラウンドの時に、そう思うように。そんな気迫に負けていたのかな? それに、瞳さんや茜が活躍しゆう名古屋で『自分も魅せたい』という気持ちがあって、妙に緊張してしまい、空回りすることが多かった。乗りにくいコースだとは感じないですから、1回でも勝てば、気分も変わると思うんですけどね。まず1勝。なんとか1勝したいです」
下村瑠衣騎手はルーキーイヤーの2011年、LJSに初出場しました。
これはラストの第3ラウンド(福山)の集合写真です。
このとき既に、LJSは翌年から休止されることが発表されていました。
女性騎手の引退が相次いだというやむをえない理由であるとはいえ、“ルイちゃんのレディース競走初勝利”は、何年先になってしまうのかな……なんてことを思いながら、福山競馬場へ向かいました。すると。なんと。
下村騎手、2連勝!
総合の表彰台は逃したものの、1着・1着のぶっちぎりで、ラウンド制覇を果たしたのです。
当時はホッカイドウ競馬に所属していた下村騎手。
初出場のLJSでは、第1ラウンドも第2ラウンドも最下位に沈んでしまい、強烈な悔しさを味わったそうです。
そのとき彼女は動きました。福山の主催者に調教騎乗を申し込み、第3ラウンド当日の朝3時から12頭もの馬に跨って、福山コースを体感。
そんな必死の想いが、2連勝に繋がりました。
「騎手になって、よかったです……」
下村騎手の震える声を、昨日のことのように思い出します。
「福山ラウンドの2勝がなければ、もう騎手を辞めていたと思います」
大きな2勝がきっかけとなり、2012年、下村騎手は福山競馬場で武者修行に励みました。
そのまま福山へ移籍。しかし福山は、2013年3月24日をもって廃止。
そして高知にやってきました。
高知移籍と同時に、勝負服のデザインをチェンジ
「名古屋と佐賀では、楽しく、一生懸命乗ってきたいです。いまはちょっと流れが悪いので、そろそろポンといいことがあると信じています」
久々の遠征が、なにかのきっかけとなりますように。
2006年のLJS、高知ラウンドの集合写真。別府騎手は当時、19歳になったばかり。出場騎手の最年少でした。森井美香元騎手(右上)は、高知の目迫大輔厩舎で厩務員さんとして奮闘中。今は“目迫美香”さんですね。
2015年のレディス&ヤングジョッキーズ(名古屋)にて、別府騎手と岩手の鈴木麻優騎手。
中学生の時に騎手を志した鈴木騎手は、別府騎手に想いを綴った手紙を送りました。
別府騎手は「手紙をくれた東北の女の子」のデビューを、楽しみに待っていたんだそうです。そして今、鈴木騎手はこう言います。「真衣さんに認めてもらえるような、ジョッキーになりたいです!」と。
3月4日は、名古屋競馬場でレディス&ヤングジョッキーズ!
3月15日に高知競馬場で行われる黒船賞まで、あと12日!