この間体験した話です。

　　いつものごとく、ウォーキングで道を歩いていたのですが、道路
　　を渡って反対側の歩道を、歩いたときの話です。

　　ちょうど渡ろうかと思ったときに、目の前をパトカーが通り過ぎ
　　ていきました。

　　ここは、新しくできた道路の下をくぐって、その新しい道路に上
　　がるための、導入路になっているところです。
　　ほとんど車の通りは無く、たまにしか車に会うことはありません。

　　ですからその導入路の、脇にはよくトラックが止まっていて、休
　　憩をしています。
　　この時には珍しく、トラックが止まっていませんでした。

　　ところでそのパトカー、動きが遅いのですよ。
　　ここでちょっと違和感を感じました。
　　ずい分とゆっくり走って行きます。

　　この時に、なんとなく見られているという雰囲気がしました。

　　本線に入ってからも、スピードを上げずにゆっくり走っています。
　　まあ、本線とぶつかったところで、１車線が２車線になるので、
　　後ろから来る車の心配はありませんが。

　　わたしはそのまま歩いていきました。
　　そうですね、パトカーと同じ方向に歩いていきます。

　　この道路真ん中に、分離帯というかガードレールがあるので、Ｕ
　　ターンは出来ません。

　　しばらく歩いていくと、Ｔの字型の交差点にぶつかります。
　　そのＴの字の上の横棒を、右から左に歩いて行き、下に下りてい
　　る線に向かって左折します。

　　その道が、運動公園に行く道です。
　　片側１車線なのですが、新しい道で、まあまあの広さがあります。

　　その交差点に差し掛かったところで、反対側の交差点をこちらに
　　行き過ぎて、パトカーが１台止まりました。
　　そして、助手席から一人が、手に黒いファイルのようなものを持
　　って降りてきます。

　　ちょうどその時です。
　　青だった信号が、黄色から赤に変りました。

　　こちらに渡るための横断歩道が、残念ながら向こう側にしかあり
　　ません。
　　ちょっとおまわりさんが慌てたみたいで、横断歩道の無いところ
　　を、こちらに渡ろうかどうしようか、悩んでいるようでした。

　　しかし、わたしが見ていたので、あきらめたようです。

　　その間にも、パトカーは先に進んで行きました。
　　つまり相棒を降ろして、走って行ったということです。

　　考えられることは一つ。
　　パトカーは、分離帯があってこちらにＵターン出来ないので、先
　　ほどの、道路の下をくぐっているところまで行って、こちらに戻
　　ってくるつもりでしょう。

　　これが先ほどのパトカーだとしたら、ここに戻ってくるためにも、
　　一度この先でＵターンしているはずです。しかも、Ｕターン出来
　　るところは、かなり先になります。

　　パトカーを最初に見てから、時間的には２～３分のはずです。
　　と言うことは、かなり急いでいた？

　　どうやら不審者は、このわたしみたいです？

　　まあ、最初に見たときから、嫌な予感はしていたのですが。

　　ところでわたしは、止まることなく、どんどん歩いて行きます。

　　これは今まで、２時間半かけて歩いていたのを、２時間に短縮し
　　たからです。そのくらいで歩かないと、家につく頃には、かなり
　　暗くなっていて、ちょっと不安だったからです。

　　それからしばらくＴの字をしたの方に下っていくと、またパトカ
　　ーがわたしの横を、ゆっくりと通り過ぎて行きます。

　　もう、嫌になっちゃうな。
　　用があるんなら、さっさと来ればいいのに、車にしてはかなり遅
　　いスピードで、走っていきます。

　　少し行ったところに、運動公園専用の駐車場が、右側にあります。
　　その駐車場に、パトカーが入って行きました。

　　その道なのですが、こちらからだとちょっとした土手の陰になっ
　　ています。
　　ですから、こちらからでは、その道が見えないんですよ。

　　そしてその道に差し掛かると、予想通りその道に頭をこちらに向
　　けて、パトカーが止まっていました。
　　仕方がないので、見えたときから、ずーと見えなくなるまで、睨
　　みつけながら歩いて行きました。

　　来るんなら、とっとと来いという感じです。
　　やってやろうじゃないか！　と息巻いていました。

　　しかし、パトカーは、結局もと来た方に、ゆっくりと去って行き
　　ました。
　　かなりゆっくりでした。

　　まだ迷っている感じでしたね。
　　やはりわたしは不審者だったのでしょうか？

　　下はジーパンに、上は普通のセーター。
　　腰にはウェストバッグと、薄手のジャンパーをくくり付けて、帽
　　子をかぶっていました。
　　とくに薄汚れた服装でもなかったのですが。

　　まあ、おまわりさんも仕事なので、仕方がないでしょう。
　　ただ、本当に職務質問されたら、結構めんどうだったかも知れま
　　せん。

　　何故かというと、ウォーキングの時には、身分を証明するものは
　　一切持っていないからです。
　　財布とかお尻のポケットに入れていると、汗で湿ってしまうので、
　　小銭だけを持って歩いています。


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