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2006.08.16
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カテゴリ:ウォール街から
日本で犬は可愛いペットのイメージが強いと思いますが、アメリカでDog というと、あまり良い言葉ではありません。特に投資の世界においては、エサを食う物=金を食う物の比喩に使われる事が多く、今回ご紹介するDogs of the DowのDogもその意味で使われています。具体的には配当利回りが高い銘柄を指し、配当利回りが高いというのは株価が安くなっている=パフォーマンスの良くない株、と受け止められ、Dogと呼ばれてしまう訳です。

ところがその「ダウの犬」に投資していると、長期的にダウを上回るパフォーマンスが得られるという傾向が見られる事で、「ダウの犬」投資法には根強い人気があります。方法は簡単です。ダウ採用30銘柄の中で配当利回りの高い10銘柄をピックアップし、その銘柄に投資するというだけです。総リターンを比べるために配当を再投資する事を前提とします。すると過去30年間、ダウ30種平均の年率平均リターンが12%であったのに対し、「ダウの犬」投資法では18%のリターンが得られたという結果が出ています。これだけ差が出てくると統計的にも偶然では説明できなくなります。それでは何故こんなにシンプルな「ダウの犬」投資法が上手くいったのでしょうか?

第一の理由は「良いビジネス」に投資している可能性が高いからです。ダウ30種に採用されるのはアメリカのみならず、世界的に見ても疑いのない超優良企業です。いずれも超大型株で時価総額が大きいという事は、それだけ独自の強みや競争力を持っており、かつその状態が比較的長期間続くと市場が評価しているという事です。

第二の理由は、にも拘わらず「安い」からです。配当利回りは一株配当÷株価で算出されますが、配当利回りが高いという事は分母である株価が安いという事でもあります。配当というのは通常、頻繁に増減させるべきものではなく、従って高い配当は経営陣の中長期な業績及び財務内容に対する自信の表れと言えます。キャッシュフローが厳しい会社、財務体質が悪い会社、中長期的なビジネスに自信のない会社が高い配当を出す事はできません。

すなわち、「ダウの犬」投資法は「良いビジネスを安く買う」方針を実行してきたからこそ、このような良好なパフォーマンスを得る事ができた訳です。 「ダウの犬」投資法は90年代後半のバブル期にダウのパフォーマンスを下回る事がありましたが、その後は再びその有効性が発揮されてきています。

例えば昨年末、配当利回りが10.3%とダウの中で一番高かったGMは年初来57%上昇しています。GMの場合、そもそもその配当が維持できるかどうかの方が問題であった訳で、実際今年になって配当は50%カットされる事になりました。しかしそれでも十分に高配当で、「ダウの犬」であった事には変わりありません。

2005年6月の楽天証券の6周年記念セミナーにお越しいただいた方は、私が注目銘柄としてメルク(MRK)をご紹介したのを覚えていただいていると思います。当時、メルクは30ドル近辺でしたが2005年の年末になってもほぼ同じ水準だった結果、配当利回りが4.8%となり、「ダウの犬」4位にランキングされました。そのメルクは今年、年初来30%上昇し、現在41ドル強で取引されています。

「ダウの犬」投資法は「良いビジネスを安く買う」一つの方法に過ぎませんし、実際これよりも優れた「良いビジネスを安く買う」方法はあります。しかしこんなに単純な方法を実行するだけでも好パフォーマンスを生む事ができるというのは特筆に値すると思います。





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最終更新日  2006.08.17 17:02:37


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