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2006年01月02日
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2005年4月1日

■損切りに関する正しい理解

 ある株式を買い、買値よりも株価が2割下がったとします。損切りしたくなる局面ですが、それは正しいでしょうか?
 もともと「この株価なら投資する価値がある」と考えて投資したので、特段の理由がないのに株価が下がったのだとすれば、買値より2割下がった株価は、投資したときよりもさらに高いリターンを望める株価になったはずです。ここで保有株を売るのは合理的でないという判断が、一つの判断としてあり得ます。 事実、株式投資で、このような状況で売った株の株価がほどなく戻って悔しい思いをすることは少なくありません。
 もちろん、株価の下落に見合う以上の悪材料があれば、買値よりも2割下の株価で保有株を売るべきでしょうが、自分の買値とは関係なしに、2割下がった株価をあらためて評価してみることが必要です。 機械的な損切ルールは、投資の合理性の立場から考えると、正しくありません。
 マネー誌などに「○割下がったら売ると決めておこう」とか「塩漬けはだめ」といったアドバイスが(偉そうに・・・)載っていることがありますが、無条件にそう書くライターは信用できないといっていいでしょう。
 ところが「場合によっては」、株価の値下がりを理由にある程度機械的に損切りすることが正しいと考えられる場合もあるのが、ややこしいところです。
 損切りが有力になる場合は二つあります。
 一つは、もともと自分が取ったリスクが長く持つには大きすぎる場合です。こうした場合、損切りによるリスク縮小はいいことになります。このような場合には、本当は利食いであってもリスクを縮小することがいいことかも知れません。また、そうだというなら「直ぐに損切りしなければならない大きさのリスクを持っていたこと自体が誤りだった」ともいえますが、リスクが大きすぎると気づいた場合には損切りは正しい行動です。
 もう一つ、損切りを正当化する状況は、自分がリスクを取った判断根拠に自信がない場合です。この場合も本来リスクを取ったことが余計ですが、たとえば株価の下落は、自分が気づいていなかった悪材料が重要である可能性を示唆するので、損切りに合理性があると考えることが出来ます。
 加えて、株式への投資といったリスクの取り方であれば、前述のように、生産活動に資本を提供しているので、自分の判断に自信がなくとも資金を投じておいてプラスになる可能性が大きいとも考えられますが(「市場をあてにする」考え方です)、外国為替のようなゼロサム・ゲーム的なリスク、「投機のリスク」の世界ではそうはいかないという状況のちがいもあります。
 おそらくは、この点の違いが、手数料の大きさの違いとも相俟って、為替ディーラーには損切りが重要で、株式のファンドマネジャーは頻繁な損切りよりも長期投資が大事だという違いをもたらしているといえるでしょう。


■相場は美人投票か

 経済学者ケインズの美人投票のたとえが相場の世界では有名です。株式投資では、自分が美人だと思う銘柄に投資するのではなく、他の市場参加者が美人だと思う銘柄に投資しなければならないという有名なたとえ話です。相場が、心理的なゲームであることと、独りよがりではいけないことをよく表しているといえるでしょう。
 しかし、よく考えるとこれだけでは不足があるのではないでしょうか。順を追って考えてみましょう。
 たとえば、自分がいいと思った銘柄Aではなくて、他人がいいと思うにちがいないと判断した銘柄Bに投資したとしましょう。
 ここで、自分の読みが当たっていたとすると、どうなるでしょうか。 他人が美人だと認める銘柄Bは既にそれなりの株価で取引されているはずですから、ただ他人が美人だと評価するということを当てただけでは、この銘柄の株価はそれなりのままのはずであり、結局、これで儲かることになりません。
 儲かるためには、銘柄B自体がもっと魅力的になるか、他人がこれまでよりも一層この銘柄を美人だと思うようになるか、という「変化」が発生しなければなりません。 前者では業績予想の予想外のプラス変化、後者では市場の人気のさらに一層の集中が具体的なケースとして考えられます。
 株式投資は(他の相場も一緒ですが)投資対象の人気の「変化」に賭けるゲームなのであり、美人投票ではあっても「美人度合いの変化」を当てるゲームなのです。そう考えると、現在が美人であるか不美人であるかということではなくて、これがどちらに変化するかが問題なのだと分かります。
 もう一歩先を考えてみましょう。現在、人気絶頂の美人のような銘柄を買って、はたして儲かるものでしょうか。現在予想されているよりも、さらに素晴らしい業績のプラス変化、といった情報が将来飛び込んで来ることがあるかもしれませんが、既に大いに注目されている美人なのですから、将来のプラスの変化さえも織り込まれている可能性がかなりあります。加えて、美人は飽きられるものですから、人の気分で人気が変化するとすればマイナス方向の可能性が大きいといえます。「美人に手を出すと火傷をする」というといい過ぎでしょうか。
 一方、現在、不美人と見られている銘柄は、実体が少しでも改善すればプラスに評価されるでしょうし、人気はこれ以上落ちにくい。確率を考えると不美人銘柄にこそチャンスが豊富だといえます。 しかし、不美人銘柄に投資するときには、他人はきっと賛成してくれないでしょう。やっぱり、投資は、自分で考えなくてはいけないもののようです。


以上





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最終更新日  2006年02月07日 14時17分21秒
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