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私家版 さいたまの石仏

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☆いたやま☆

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自転車とカメラが趣味で、気軽に写真を撮っています。
お地蔵様や庚申塔などの石仏にはまってしまいました。

さいたま市の石仏探しの参考書として
「石の文化財-浦和の石造物」浦和市教育委員会
「郷土の石佛 写生行脚一期一会」酒井 正

私家版さいたまの石仏のホームページ版は
http://saita-seki.jimdo.com/

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2020.07.13
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岩槻区の庚申塔をまとめて整理した際、二つの宿題を残していました。(2017年5月26日の記事)岩槻区、見沼区あたりでよくみかける二つのタイプの青面金剛庚申塔で、いずれ時間ができたらまとめて考察しようと思っていました。以下、当時の記事の一部を再掲します。

〇明和期あたりから天明期あたりに見られる独特な髪型の青面金剛。真ん中に大きく三角形に束ねられた髪は、その先がやや右に折れている。さらに額の両脇にも小さな三角形に束ねられた髪型。いくつか見てみよう。

香取神社(上) 岩槻区長宮1101 明和7(1770) 剣・ショケラ持ち六臂


西福寺 岩槻区南平野1-33 安永5(1776)唐破風笠付角柱型 剣・ショケラ持ち六臂


薬王寺入口 見沼区島町 天明3(1783) 剣・ショケラ持ち六臂
DSC_0290.JPG

頭上の日月を瑞雲がつなぐ変わったデザイン。青面金剛の第2手、第3手が左右対称ではなく、若干傾いている。足下には組んだ両手の上に頭を乗せ、達磨のように丸まった邪鬼。三猿は両脇が内を向く構図。このあたりが共通に見られる特徴になる。このタイプは岩槻区と見沼区で十数基確認できた。

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同じタイプの庚申塔をまとめて、その地理的分布、時代的分布を考察してみれば面白いと考えていたのですが・・・

実は後から知ったのですが、このタイプの庚申塔については、悉皆調査の上そのすべてについて細かく分析し、資料としてまとめられていました。著者の五島様の了解を頂きましたので、こちらを紹介いたします。



西福寺の庚申塔を見てみます。


寸法の記録はもちろん、銘の読み取りも実に細かく丁寧で、青面金剛、邪鬼、三猿の特徴をわかりやすく解説してあります。さらにこの同型、類似型の青面金剛庚申塔37基が紹介されていて、時代分布は正徳6(1716)から寛政5(1793)、地理的分布は、岩槻区、見沼区、緑区、蓮田市、白岡市、伊奈町、上尾市となっています。結論としてはこのタイプの青面金剛庚申塔は、岩槻の石工、萩原氏一門の作品ということでした。

もう一つの類似型庚申塔は

須賀香取稲荷神社 岩槻区新方須賀1056 寛政12(1800)唐破風笠付角柱型 剣・ショケラ持ち六臂

〇寛政期あたりから天保期あたりまでに多く見られる、彫りは細かく写実的な作品。共通する一番大きな特徴は青面金剛の衣装の右の裾が螺旋状に跳ね上がること。衣装の下半身に独特の紋様が見られるものもある。

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五島さんの本の中にはこのタイプの庚申塔も何点か掲載されていて、どうやらこちらは林道石工 田中武兵衛一門の作品のようです。

それにしても、このような地道なフィールドワークに裏打ちされた丁寧なお仕事は、そう簡単にまねできるものではありません。これまでいろいろな資料を参考にさせてていただきましたが、五島さんのこの著書といい、越谷の時にお世話になった加藤幸一さんの資料集といい、在野の研究者の方々の誠実なお仕事には本当に頭が下がります。

以上、自力ではないのですが、岩槻の庚申塔 二つの宿題については一応の答えは出たようです。






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Last updated  2020.07.14 07:25:43
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