2023/04/17(月)20:14
南区四谷 稲荷神社と路傍の石仏
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四谷からあと二か所の石仏を見てみましょう。
稲荷神社 南区四谷3-7[地図]
四谷交差点の南東の角にある稲荷神社。同じ敷地内に「四谷会館」があり、その奥が四谷観音堂になる。
神社の裏、ブロック塀と大きな木に挟まれた狭いスペースに角柱型の石塔が立っていた。
神社のほうに向いた面は石塔の右側面。南 坂下り わらび 道まん はやせ ミち と刻まれている。
正面は西向き。目の前にブロック塀があり、正面から全体を写すことはできなかった。上部に「水神」水神供養塔である。
正面下部には西 あきがせ ひき又道。「西」の下あたりに大きな断裂跡が見える。
塔の左側面はさらに狭く、ピントを合わせるのも難しい。上部に北 橋下り うらわ よの 道。
下部に四ツ屋 願主とあり一名の名前が刻まれていた。本来の台を欠くためか、紀年銘などは見当たらず、造立年は不明。三方向七地名が記された立派な「道標」でもある。
稲荷神社南路傍 南区四谷3-10-12[地図]
四谷交差点から県道79号線を350mほど南へ進む。細い路地を左に入るとすぐその先、左路傍に小堂がたっていた。
小堂の中 庚申塔 文化7(1810)駒型の石塔の正面 日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持ち六臂。前に大きな石が置かれているが、その正面に地蔵菩薩をあらわす梵字「カ」が刻まれていて、どうやら後ろの庚申塔とは関係ないもののようだ。
全体に風化が進み、像は溶けだしている。青面金剛の尊顔ははっきりしないが、持物は矛・法輪・鏑矢・弓で、こちらはなんとか確認できた。
足元の邪鬼はやはり溶けてしまって岩の塊のように見える。両脇に二鶏を線刻。その下の三猿は中央が正面を向き、両脇が内を向く構図。
側面の銘は小堂の壁板の隙間から確認できた。塔の右側面に造立年月日。その横に 右 うらハ道。
左側面 左 よの道。その横に「講中」と刻まれていた。