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2008.04.30
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カテゴリ:軍事
一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第160話 「帝国銀行事件」

 時は1948年1月26日午後三時半前後の事。

 所は東京の池袋の界隈、最寄りの駅なら西武池袋線の椎名町駅が近い帝国銀行で奇妙な殺人事件が発生した。

 生き残った4人の証言によると、東京都のマークが入った腕章を左腕に巻いた男がふらりと入ってきて、”近隣で集団赤痢が発生しました。”と告げたという。

 その男の名刺の肩書きは”東京都衛生課”だったそうで、見た目の年齢は50歳前後、身長は5尺3~4寸(約160センチ)くらいで、中肉中背という、まあ、どこにでもいるといえばいるような男性だったらしい。

 その時の帝国銀行内部には、残務整理をしていた銀行員14名と、その家族が2名いたのですが、”感染者のひとりがこの銀行に来ている”と説明され、都の消毒班が来る前に予防薬を飲むように指示されたそうです。

 これもまた生き残った人達の証言によれば、男は持参していた金属製のケースから2種類のビンを取り出し、第1薬を飲んでから第2薬を飲むようにと指示し、”飲み方を教えます”と言って実際に用意させた湯飲みを使って飲んで見せたことになっています。

 そして、ほぼ同時に16名が第1薬を服用し、約1分後に第2薬を服用したそうなのですが、第1薬を飲んだ直後から胸焼けを起こしているような状況になったそうで、第2薬を飲み終わった頃にはかなり悲惨な状態になりはじめていたようです。

 ただ、幸か不幸か被害者の一人の女性が、痙攣や失神を繰り返しながらも、なんとか建物の外に出た事で事件が発覚し、この奇妙な事件は完全犯罪では終わらなくなります。

 もっとも、警察と救急車が駆けつけた時には、10人が死亡していたそうで、病院に搬送された残る6人も2人は死亡したそうです。

* 使われた毒物は青酸化合物。

 ちなみに、事件現場からは、犯人が提示した都職員の名刺も、茶碗の類も持ち去られていて、かなり用意周到な計画を練っていたのではないかと推測されています。

 ただ、この事件の疑問点として、銀行を襲ってお金を取る事が目的だったのか、大量殺人を行う事が目的だったのかという事があり、状況証拠からは、後者の目的の方が大きかったのではないかと私などは考えてしまいます。

 おそらく、外に逃げ出した女性というのは犯人の計算外だったとは思うのですが、それでも、銀行にあった金を掻き集めるには十分な時間はあったはずなのに、机の上の現金約16万円と小切手1枚(約1万7千円)しか持ち去っていなかったのです。

 他の机にあった40万円程度の現金や金庫に入っていた多額の現金などには手をつけておらず、はたして何が目的だったのかには意見が分かれるわけです。

 こうした事件が発生した場合、あまり詳しくマスコミが事件の詳細を報道してしまうと模倣犯が出てくる事が多いのですが、帝国銀行事件の場合は、帝国銀行事件の前、1947年10月14日に安田銀荏原事件、1948年1月19日に三菱銀行中井視点事件が発生していて、それこそ帝国銀行事件は三度目の正直とでもいったことになるようです。

 警察は1948年8月21日に平沢貞通を逮捕し強盗殺人などで起訴されているのですが、どうも確たる証拠があったとは言い難い逮捕だったようで、1955年4月6日に最高裁で死刑が確定した後も、再審請求が何度となく出されたことで有名だったりします(というか、しました)。

 結局の所、平沢死刑囚は死刑では死なず、1987年5月10日に八王子医療刑務所で死んでいるのですが、その時の年齢は95歳だったそうで、死刑が確定してからでも30年を越えて留置が続いていた計算になります。

 この話が怪しくなっていくのは、事件の背後にCB兵器の専門家ともいえる731部隊に所属していた某軍医中佐が真犯人ではないか?という説があるため。

 というのも、731部隊の部隊長であった石井四郎の指摘によれば、731部隊の毒物実験の手法と帝国銀行事件の手口が極めて類似しているのだそうで、無駄の無い侵入~逃走経路もまた軍事作戦で採用される手法に類似しているという指摘もあります。

 現実問題として、平沢は毒物などに関する知識が皆無の画家で、事実上、逮捕された後の”自白”だけが死刑の証拠だったわけで、あれほどあざやかに事件を仕切れたか?というとかなり疑問が残るのではないかと。

 ちなみに、警察は某軍医中佐も本命候補としてマークしていたのですが、GHQからの横槍が入って途中で捜査が打ち切られたようです。

 ただ、不思議なことに某軍医中佐は事件の翌年急死していまして、当然のように”消された”のではないかと指摘する人は意外と多かったりします。

 あれこれ考えていると、事件の動機に関して、お金が目的、人殺しが目的という他に、実験(仮説や理論値など)の検証という動機も入ってくるような気がしないでもありません。

初出:一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第160話(2008/04/24)





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Last updated  2008.04.30 00:09:08
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