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2008.10.23
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カテゴリ:神秘学
一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第311話 「狐の階級考」

 そもそも狐に身分があるのか?という素朴な疑問もあるのですが、狸などと比べると明らかに二元の身分制度にも似た階級社会を構成しているようです。

 ちなみに、狸の方は、親分子分という関係が多いようで、集団の規模が大きくなったり、親分が神格化されていたりしても、結局は親分とその他大勢という人間界の渡世稼業にも似た構造になっているようです。

 従って、その他大勢の中で、兄貴分、弟分といった区分けはあるわけですが、それは身分というよりも、上下関係というか仲間内での序列を意味しているようで、明らかに狐たちの社会と比べるとシンプルです。

 話を狐業界の身分制度に戻すと、まずは獣の狐と、妖怪としての能力を有する狐とに大別され、上下関係は圧倒的に妖怪としての狐の方が上というか、チンパンジーと人間くらいは違う関係になっているようです。

 したがって、狐の世界で身分がどうこうというのは、妖怪としての能力を有する狐たちの間での話ということになります。

 もっとも、狐といいながらも、これまでにもしばしば登場してきた、管狐(くだきつね)と御先稲荷は別種でしょうし、管狐は妖怪としての能力を有する狐たちの中では最下層に属しているようです。

 話を進めるために、とりあえず、妖怪としての能力を有する狐という表現をしてはいるのですが、神様の眷属として仕える、いわゆる御先稲荷(おさきとうが)達の能力に関しては神通力の類と捉えた方が良いわけで、そうした神様の眷属としての狐たちは別格というかセレブ階級という理解でいいようです。

 そうなると、人を化かしたりするような狐というのは、管狐と御先狐の間の階層に所属する狐たちということになってきます。

 また、能力を有していて人に害を加えない善狐の中で、千年以上生きた狐は仙狐になるとされ、こうなってくると神仙の類ということされるようで、普通の人間より上の知的生命体とでもいった区分になってしまいます。

 面白いのが、狐の系統も神道系と仏教系に別れていることで、一応、狐たちの中での階級としては、下から、


 黒狐 ・・・ 北斗七星の化身ともされる神道系の狐。白狐と対。

 銀狐 ・・・ 象徴は月で仏教系の狐。金狐と同様異質とされる。

 金狐 ・・・ 象徴は日で仏教系の狐。銀狐と同様異質とされる。

 白狐 ・・・ 日本では人と関わる事が多い神道系の狐。黒狐と対。”葛の葉”狐はここに属すとされる。

 赤狐 ・・・ 稲荷神社など、神社で要職に就いている神道系の狐。


 九尾狐 ・・・ 尾が九本ある妖狐の代表格。この辺りから神に近くなっていく。

 天狐 ・・・ 齢千年を超える。金瞳と四本尻尾が特徴。強大な神通力を備える善狐の最高位。御先稲荷はここに属すとされる。

 空狐 ・・・ 齢三千年を超える大神狐。天狐となった御先狐が引退した後に辿り着く境地とも言われる。

ということになっているようで、狐の最高位は空狐ということになるのですが、空狐までいくと事実上神様に区分してもいいのではないかと。
 この区分の場合、仙狐に該当するのは、天狐と空狐なわけですが、怪異談では定番の九尾狐あたりまでは能力的には神狐の領域に近くても俗気が抜けていない分、人に付け込まれる隙があるということか?

 ラノベ系では、”オーパーツ・ラブ(ゆうきりん)”に登場する九尾狐の転生体である天御門玖美(あまみかどくみ)あたりから復権した気がしないでもないのですが、H描写で話題になった”かのこん(西野かつみ)”の源ちずる(みなもとちずる)は自称で400年以上の妖狐で伝説の怪物である体内の八岐大蛇の方は数千年の時を生きているようですから、最低でも白狐レベルとういことになるかと思われます。

 意外なところでは、”我が家のお稲荷さま(柴村仁)”のクーちゃんこと三槌の空幻狐は天狐空幻(てんこ くうげん)と名乗っていますから、ラノベ業界の狐の中では最高位の妖狐なのかもしれません ・・・ 俗気が抜け切っていないようなので空には至っていないとは思われますが(笑)。

 やはり、小説などに登場する美女系の妖狐となると、正体は九尾の狐だったというオチが圧倒的に多いのですが、この妖怪が文献に初めて登場するのは中国の”山海経”とされているのですが、”赤子のような鳴き声で、人を喰らう”とある一方で”逆に、その肉を喰らえば邪気に襲われない”ともあり、人の補食対象であった事がわかります。

 白面金毛九尾(はくめんきんもうきゅうび)と形容されることから、金狐が九尾になりやすいのかもしれませんが、古代印度の国王をたぶらかして国を傾けたあたりで既に凶獣と呼ばれ、その後も、中国や日本で最高権力者をたぶらかせては国を傾けた逸話を量産したあたり、本人に悪気があるというよりも、これはもう、そういった性ということで、そのあたりを克服出来ないが故に神仙と化す事ができないのだろうなと。

 その意味では、情が強いというか、人間ぽくなってしまいすぎた妖狐が九尾狐という側面があるのかもしれず、人の方も楊貴妃を歌った長恨歌の冒頭に”色を重んじて傾国を願う”とあるように、人と妖狐との間でニーズが一致している可能性もあるわけですし、妖狐の九尾の中でも地雷女の特性を持っている時にトラブルが生じているのかもしれません。

 ただ、狐の思考傾向といいましょうか、妖怪と称される事も多い(数百年~数千年も生きているような)存在が人と同じような善悪の基準でいるかどうかは微妙ですから、人の尺度で判断しようとする事に既に無理があるのかもしれません。

 もっとも、そういった妖異に属していても、山海経の記述にも見られるように”食べた”人間がいるところを見ると、狐の側も人と交わるのは命がけのスリルを伴っているのかもしれませんし、正体が発覚した葛の葉が姿を消した理由も、意外と”狐汁にされたらたまらない”というのが真実に近いのかもしれません(笑)。

初出:一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第311話:(2008/10/17)





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Last updated  2008.10.23 00:06:03
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