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2010.12.18
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カテゴリ:天体・宇宙
一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第985話 「はやぶさ」

 とある常連さんと小惑星探査機”はやぶさ(第20号科学衛星MUSES-C)”の話をしていて、”・・・ 諸説有るモノの、”はやぶさ”が行くから目的としたアポロ群の小惑星が”イトカワ”になったという説もあるといった話になったことがあります。

 少なくとも、”はやぶさ”を打ち上げた後の2003年8月に小惑星がイトカワと命名されたというのは確かな話です。

 命名がたまたまそういう組み合わせになったと言われて素直に首肯するかどうかはともかく(笑)、”はやぶさ”の計画と同時期に事業計画案が出されていたものの中に、ATOMがあり、Asteroid Take-Out Misson の略だと言われて、”鉄腕じゃなく?”と思わない人の方が珍しいのではなかろうか?

 それはともかく、宇宙科学研究所(ISAS)が、2003/05/09に”はやぶさ”の打ちあげに成功したとき、正直、”往復で60億キロメートだけに帰ってくることができるかという事より、片道の30億キロメートルを辿り着けるかどうか?”と思っていました。

 そう考えていたので、2005年に”はやぶさ”が”イトカワ”に到着というか着陸して離脱した時にはかなり感動したのですが、このあたりから機器の故障というか、着陸に伴う損壊とでもいったアクシデントの発生を窺わせる情報が増加していったのでした。

 その帰途で、”はやぶさ”が遭難し帰還が絶望的になったといったニュースが流れたときは、正直、”まあ、無理もないよな~”と思っておりました。

 その後、奇跡的にコントロールを回復した”はやぶさ”は地球への帰還にも成功し、2010/06/13に地球の大気圏に再突入し、本体は大気との摩擦で焼失したものの、切り離されたサンプル容器入りのカプセルは濠太剌利のウーメラ立入制限区域内にパラシュートで降下したのでした。

 どちらかといえば、日本よりも”はやぶさ”の偉業を理解し評価してくれた濠太剌利の適切な対応で、翌14日には無事にカプセルが回収されたのですが、その少し前に、与党となった民主党が、自民党時代にやっとの思いで確保していた宇宙開発予算を大幅減額していたのは御存知の通り。

 怪しい話でも何度となく書いてきましたが、スーパーコンピューターと宇宙開発という、21世紀の産業育成で不可欠になる分野への投資を、予定していた事業の実行が不可能か大幅に遅滞するレベルにまで予算削減すると査定をした”事業仕分け”の間抜けさと意固地さには特筆しておくべき価値があります。

 唖然としたのは、複数の民主党議員が宇宙開発にしてもスパコン関連にしても”海外から技術や情報を買えばいい”といった主旨の発言を仕分けでばっさり予算削減をした頃にしていて、スパコンや宇宙開発の予算をばっさり切る仕分け結果に関しては与党としてそれで良しとしたわけですが、”どこの国が自分たちの優位を覆す情報や機材などを素直に外国へ売るというのか?”という事は気にならなかったようです。

 既に、自衛隊が採用している同盟国である亜米利加の戦闘機にしたところで、肝心の部分はブラックボックス化されているわけで、極端な事をいえば、ハイテク兵器であればあるほど、一定のコードを受信したり、一定の条件を満たした場合に自己判断して行動不能になっても不思議ではない時代になって久しいわけです。

 或いは、これを書いている時点で自衛隊の主力戦闘機でベトナム戦争の頃に基本設計が行われていたF15イーグルが、その後のハイテク技術の進歩によって時代遅れになりはじめたことから、米軍が採用している後継機であるF22の購入を打診したところ、”日本に提供すると、最先端の機密情報が他国にだだ漏れになる可能性が高い”ということで輸出が許可されないまま店晒しになっていたいりします。

 ちなみに、F15とF22が戦闘した場合、一機のF22で五機以上のF15を同時に一方的に撃墜できるという噂が流れた事があるのですが、流石に模擬戦闘のデータを含む詳細は伏せられているようです。

 亜米利加がF22の提供を拒否している間に、中国空軍のハイテク近代化が急速に進んでいることもあって、高性能であっても何時になるかわからない亜米利加製ではなく、NATOが採用している(ないし採用予定の)戦闘機の導入検討が始まったり、露西亜の戦闘機の導入の可能性まで噂されるという異様な状況になっているのですが、それほど高性能な戦闘機が必要かどうかは微妙な話になります。

 なお、宇宙空間への有人飛行に成功した中国が熱心になっている分野の一つが軍事衛星の近代化ですが、現在のGPS機器の大半が亜米利加の(軍事用)人工衛星からの信号を元に機能していることから、自前のGPSシステムを人工衛星込みで構築する方向で話が進んでいるようです。

 その昔、国防において制海権という概念が誕生し、近代国家が栄えるためには貿易が不可欠で、貿易を優位に行うためには海軍力が不可欠といった時代が大航海時代くらいから本格化して第2次世界大戦くらいまでは続いたのですが、第2次世界大戦で戦艦が航空機によって高確率で撃沈されるようになったあたりで、制海権より制空権の方が重要になっていったのは御存知の通り。

 陸地や海で戦争をしていたころは、いわば2次元の平面を想定していれば良かったのに対して、航空機の発達は戦闘空間を3次元に拡大してしまったということですが、制空権はロケット兵器が核兵器の搭載が可能な大陸間弾道弾へと進化したあたりで、航空機からロケット兵器へ主役の座が移動してしまいます。

 つまり、いくら高性能な航空機を大量に有していても、核を搭載した大陸間弾道弾を持つ国に対して制空権を確保しているとは言えなくなったということで、これが亜米利加とソ連の二カ国だけが大量に保有していた頃なら、使うに使えない冷戦で終わったのですが、冷戦終結後に技術者が流出したこともあって、今や北朝鮮でさえ保有している時代になっています。

 ちなみに、大陸間弾道弾を開発する過程で進化したのが宇宙ロケットなのですが、正確には大陸間弾道弾を実用化するために宇宙ロケット開発が(特に亜米利加において)急ピッチで進められたわけで、ソ連がスプートニクで人工衛星を実用化した時、亜米利加人は自分たちがロケット兵器による核攻撃を受ける可能性を実感したようです。

 第2次世界大戦中に独逸が実用化して倫敦爆撃に使用したV2号ロケットでさえ、V1号の時には可能だった航空機による迎撃が不可能になっていただけに、当時の(というかこれを書いている時点の)技術で大気圏外から高速で飛来するロケット兵器を迎撃可能なシステムは事実上存在しません。

 ある意味で、ソ連は亜米利加が数でも質でも圧倒的に優位だったB29(後にB52)などの戦略爆撃機を大量に使用する核攻撃システムを、亜米利加のどの航空機も飛翔する事ができない宇宙空間を主に利用して移動する大陸間弾道弾を実用化することで一気に無力化したわけで、結局、効果的な対抗手段は自分も同じような大陸間弾道弾を所有するしか無かったわけです。

 ただし、1980年くらいから急速にコンピューターが進化しはじめたことと、レーザー兵器などの実用化の目処がついたことで、レーガン大統領の時に”スターウオーズ計画”という名のミサイル防衛網の構築(の研究)が本格化し、大陸間弾道弾による攻撃が無力化される可能性が増大したわけです。

 となれば、ソ連の側も同様の防衛システムを構築するくらいしか根本的な対抗策は無いのですが、経済が低迷していたソ連がコンピュータ関連技術(というか産業)で亜米利加に追いつく事は不可能どころか、日本にさえ追いつけなくなっていただけに、亜米利加のミサイル防衛システムが完成するまでに何らかの対応を迫られたとも言えます。

 結果的に、経済の行き詰まりもあってソ連は崩壊し、露西亜として再編されたのですが、皮肉なことに、その混乱で世界中に核兵器とロケット技術の情報と研究者が核酸してしまい、ほとんどの軍事的な劣勢を解消できる核兵器搭載可能な大陸間弾道弾の実用化に邁進する国が増加したのでした。

 最大の仮想敵国であったソ連が崩壊して経済が大混乱に陥ったことで、亜米利加の側としても多額の費用が必要なスターウオーズ計画は立ち消え状態になっていたのですが、北朝鮮が核兵器搭載可能なロケット兵器の開発に成功し、核兵器の開発にも成功したことなどで、スターウオーズ計画を本格的に再開する必要が生じたとも言えます。

 これを書いている時点では、日本に北朝鮮から飛来する核兵器搭載可能なロケット兵器を確実に迎撃して撃墜する事ができる兵器は(秘密兵器があれば別ですが)存在しませんし、首都圏が核攻撃を受けた場合の対応が整備されているといった話も寡聞にして聞いたことがありません。

 話を”はやぶさ”に戻すと、大気圏への再突入時に某国営放送局も民放各局も生中継をせずに録画して後に放送してお茶を濁したのに対して、インターネットを利用してニコニコ生放送の現地中継などは行われ、録画した映像の提供も行っただけに、新聞やTVといった既存のマスコミだけが情報源という人と、ネットユーザーの間でかなり反応が違った事件となったのでした。

 怪しい話ではお馴染みの”ロケットガール”の作者であるSF作家の野尻抱介などはニコニコ生放送の現地中継に同道していたそうですが、”ロケットガール”の4巻目に小惑星探査機”はちどり”が登場し、映画”サマーウォーズ(2009)”には小惑星探査機”あらわし”が登場しているのですが、両作品伴に探査対象の小惑星の名前は「マトガワ」で、モデルにした探査機は”はやぶさ”だったりします。

 驚いたのは、今回の”はやぶさ”のケースのような、日本で打ちあげて宇宙空間で物質を追加搭載した宇宙船が外国に到着するような場合など、税関を経由しない輸入と解釈すれば”密輸”になるだけに、”はやぶさ”を打ちあげた段階で法律を改訂したり新規作成する必要があったわけですが、その辺りも”はやぶさ”が帰還してからの話になったようです。

 いつの間にか何かこの国は物事の優先順位がおかしな国になってしまっているのではないのか?

初出:一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第985話:(2010/12/13)





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Last updated  2010.12.18 00:17:05
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