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2013.11.02
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カテゴリ:軍事
怪しい話 第4シリーズ 第844話 「麻薬と準麻薬」

 特定の物質が法律で取り締まりの対象になるというか、所持したり、販売したり、使用したりすると何らかの刑事罰の対象になるかどうかに関しては、かなり御都合主義なところがあり、利権が絡んでいる事例が無いとは言い切れない国もあることは比較的知られた話になります。

 分かりやすいところでは、”大麻(たいま)”を麻薬と見なすか否かといった議論で、国によっては法律の取り締まりにそもそもなっていない国もありますし、地域や用途を限定して使用することを公認している国もあれば、所持しているだけで刑事罰の対象となる国もあるという具合で、A国では合法でもB国では非合法ないしグレーゾーンという状況に実際になっている薬物ということになります。

 大麻に関しては、いわゆる”麻(あさ)”の葉っぱですから、日本ではあちこちに自生している野草に過ぎませんし、(中略)が良ければ痩せた土地でも比較的育ちやすいことや、種子が比較的はじけやすいこともあって日本の山谷から根絶することは不可能に近いような気がしないでもありません。

 というか、せっせと無断で他人の山などを使って栽培する人が後を絶たないのも大麻の一つの特徴ですし、アパートの押入やマンションを丸ごと一室使って大麻栽培をしていて摘発された事例も1つや2つではありませんから、これを読んでいる人の隣の部屋や家で密かに栽培している可能性がある ・・・ ある意味で身近な ・・・ 麻薬と言えます。

 実のところ、葉っぱではなく麻の実は日本では神世の昔くらいから宗教儀式と密接な関係があり、トランス状態といいましょうか?いわゆる”トリップして”常世(とこよ)から神世に至るときに用いる秘薬の類として、少なくとも数千年単位で用いられ、その効能が知られていたが故に、宗教系の支配者階層が栽培から用法まで隠匿していた節があります。

 もっとも、明治に入って、呪いや祈祷の類が”非科学的な迷信”と位置付けられ、大麻の薬物としての成分がそれこそ科学的に分析されるようになると、西洋諸国に追いつけ追い越せを国是とした日本国としては宗教儀式とはいえども用いるベカラズ。ということになっていったわけです。

 まあ、実際に戦前の宗教儀式などでどのくらい通達が守られていたかは定かではない話になりますし、阿片(あへん)の害は江戸時代から知られていて取り締まりの対象にも既になっていましたが、麻が見逃されていたというか対象になっていなかったあたりで、そもそもその程度の薬物という解釈が妥当なのかもしれません。

 というか、医療用に大麻を使いたいという声は意外と多く、西洋医学の医薬品がさほど効果を見せない一部の神経症の類や内臓の病気などに卓効を示すことがあるそうですし、”大麻からコカインやヘロインなど本格的なドラッグに墜ちていく、入門ドラッグ(”ゲートウエイドラッグ”)だから駄目だ!”と一律に禁止したままそのあたりを再検討して医療機関など場所を限定して解禁しないことに合理性があるかどうかは微妙な時代になっているのかもしれません。

 ただし、日本では立派な禁止薬物というか文字通り”麻薬”として取り締まりの対象になっていますし、あえて法を犯してまで健康な一般人が吸飲するメリットは皆無というのも確かな話で、漢方薬のような薬の一種として医療関係者の監視と処方の下で部分解禁してはどうか?という程度の話ですから念のため。

 江戸時代に大麻より阿片の方が厳重な取り締まりの対象となったのは、阿片が典型的かつ習慣性の強いダウン系の麻薬に区分されていることと無縁では無く、吸飲すると日にちや時間の概念が無くなるくらい無気力になってぼ~っとしてしまうのは比較的知られた話で、常習者を相手に吸飲させる場所が”阿片窟(あへんくつ)”と呼ばれていたこともまたシャーロックホームズなどにも登場する有名な話だったりします。

 もっとも、阿片の危険性を知りながら清朝に貿易品として売りつけ、清朝側が麻薬として取り締まろうとすると”我が国の貿易品に対してなんてことすんだ!”と難癖を付けて戦争を仕掛けたのが英国だったのも有名な話で、英国の良識と良心が麻痺していたという説もありますが、”アヘン戦争”は特定の国が他の国に対して国として麻薬を使って侵略行為を働いた初めての事例と言えます。

 個人や集団レベルで麻薬の取引をする事例はそれ以前も以後も存在していますが、自らの国では禁止薬物にしている麻薬を他の国には貿易の商品として売りつける恥知らずな行為は、後に毛沢東などが典型ですが、欧米列強が倍返しされることになったのは御存知の通り。

 また、アヘン戦争において、清国の軍隊が英吉利軍に惨敗し、上海などが事実上の植民地と化した事は当時の日本の武家など知識人階層にとって驚天動地の衝撃だったようで、清国が人数的には遥かに劣勢な英国軍に勝利することができなかったことで、外国人を殺してでも鎖国を守る”攘夷”という考え方が現実的でないことを具体的に実感した事例にもなり、開国から明治維新へと時代が本格的に動く端緒ともなったのでした。

 アヘン戦争は軍事力以外のナニカを使って特定の国を内部から揺るがし別の国が侵略するという図式でもあったのですが、その”ナニカ”の部分が映画だと聖林映画で亜米利加の価値観を擦り込みたがる合衆国が思い浮かびますが、映画を使ってイデオロギーを他の国に擦り込むという手法に関してはナチス独逸のヒトラーが先駆者として知られていますし、かなり有効な方法であることもまた歴史が示しています。

 ちなみに、その”ナニカ”の部分が”オタク文化”となると、ラノベの”アウトブレイクカンパニー(榊一郎)”で日本政府が異世界の”神聖エルダント帝国”に仕掛けた侵略行為となるのですが、まあ、具体的にどのような話の展開になるのかは深入りせずに伏せておきます ・・・ TVアニメにもなっていますし(笑)。

 話を戻すと、20世紀くらいまでにメジャーな禁止薬物となった、大麻、阿片、コカインといった植物系の麻薬や、阿片を加工したヘロイン、先駆的な合成麻薬として知られる覚醒剤やLSD、そしてクラックのような混ぜ物系の新顔の麻薬の取り締まりが少なくとも先進国では実施されてそれなりの成果を上げ、その揺れ戻しのような1980年代に中南米で麻薬組織が国家を軍事的に圧倒しかけた時期を経て、先進国の経済成長の停滞もあってか小康状態といえば小康状態となっていたのですが、そうなって生じたのが発展途上国から先進国へそれこそ密貿易の重要品目として流れていた各種の麻薬の供給が減少して、早い話、先進国で麻薬の価格が上昇した地域が多かったようです ・・・ 例によって正確な統計資料があっての話ではありませんが。

 もちろん、富裕層の中毒患者より貧困層の中毒患者の方が末端価格の上昇は切実な問題だったようで、4-844”マイアミゾンビ”事件の原因薬物という説もある”バスソルト”にしたところで、敢えてそんなハイリスクな麻薬として未知の物質を麻薬の代わりに使用するところまで追い詰められていたのかもしれません。

 習慣性の強い麻薬の場合、その薬効が切れると大半の人が各種の”禁断症状”に悩まされることになることもまた比較的知られた話ですが、その禁断症状から逃れるためには何でもありの状態になりやすこともまた比較的知られた話になり、覚醒剤の俗称である”しゃぶ”の語源として”骨までしゃぶられる”から”しゃぶ”という説もあるといった話は以前にしたことがあります。

 しかしながら、20世紀末くらいから合法ドラッグとか脱法ドラッグと呼称される新顔の麻薬が蔓延しはじめ、従来の禁止薬物の分子構造を一部変えることで”別の物質”を製造し、法律が指定している取り締まり薬物と少なくとも化学式で見る限り異なるため刑事罰の対象外になることに目を付けた人達がいたわけです。

 まあ、二卵性の双子の兄弟がいたとして、兄が犯罪を犯した場合に遺伝子レベルでほぼ同じだからという理由で弟の方を逮捕できないようなもので、一人一人というか一つ一つ禁止薬物に加えていくという地味な作業が続いたわけですが、メスカリン系のサボテンや茸などが”植物標本”として堂々と輸入されて繁華街の路上で堂々と売られていた時代が日本でもあったわけですが、特定の蛙の体表の分泌物を舐めると麻薬成分が云々とかいった話に遭遇して、”う~ん、児雷也と大蝦蟇の時代に逆戻りしてるな~”と思ったものでした。

 この手の脱法ドラッグに関しては、これを書いている時点だと3種類くらいに区分されているようで、1つはデザイナーズドラッグとかケミカルドラッグと呼ばれフォクシーに代表される合成麻薬の分野、2つ目はラッシュで知られるようになった亜硝酸エステル類の”ニトライト”系、3つ目は”エフェンドラ”とよばれるハーブ系の分野といったことになります。

 ちなみに、ケミカルドラッグだと、ペピラジン系、トリブタミン系、エネチルアミン系、 ・・・ 、とさらに細分化されて来ているのですが、ごっそりと”ナントカ系”で一括して禁止薬物指定する国が増えているようです。

 ニトライト系は亜硝酸エステル類が主成分だけに、”芳香剤”の名目で販売されていた事例もあるくらい身近といえば身近で、使用すると急激に血圧が低下し条件によっては循環器系を中心に障害が残ったり、死に至ることもあるのですが、産業界のかなり多方面で亜硝酸エステル類が使われているだけに、取り締まりが難しいようです ・・・ まあ、麻薬というより自殺薬のような気もしますが。

 ハーブ系としては、これまでそれほどメジャーでは無かったマオウやフェドリンなど、いわゆる魔女の野草の類が該当するようですが、薬草なのか毒草なのかは使用する量と利用方法による上に、下手に禁止すると医薬品にも影響がでかねない分野ではありますし、海外では合法、国内では非合法となりやすい分野だけに海外からサプリメントや健康食品を個人輸入する際に注意が必要な分野と言えます。

 バスソルトとほぼ同じ成分の品が”フレグランスソルト”とか”フレグランスパウダー”といった名称で合法のハーブなどを扱っているショップで売買されていた時代もありましたから、それこそ別の使い方を知らずに入浴剤として利用したことのある日本人は意外と多いのかもしれません。

 まあ、覚醒剤の増量剤として(中略)や(中略)が用いられることがあるのは有名な話で、そのブレンドによっては本来とは別の効果というか感覚に襲われるという説もありますが、だからといってそういった”その辺りで簡単に入手できる単体では問題のない日用消耗品”の類が準麻薬として規制できるか?という話と似たようなことになりかねないのも脱法ドラッグの一つの側面かもしれません。

(2013/10/08)





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Last updated  2013.11.02 05:59:19
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