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風狂夜話2

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2007年12月11日
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1945年の敗戦で日本は連合国の占領軍GHQの管理下に

おかれ、ゼロからのスタートを切った。

そのGHQの戦後処理の4大改革といわれるものは、

1)農地改革、2)教育改革、3)労働組合の保護育成、4)軍隊・財閥

の解体 である。

当時のGHQの経済官僚は日本というアジアの先進国の無惨な現状に対し、

アメリカのニューディール政策の実験場とすべくきわめて進歩的な改革を

打ち出したのである。

第1の農地改革では、一握りの地主階級を廃絶して小作自作農の権利を保護

し、その育成を図った。

平等化を徹底して推進し、自作農の生産意欲を刺激した。(食糧危機を克服

することが第一義であったが)

第2の教育の改革では、6・3・3・4制を導入し、教育の機会均等を実施し

社会階層の移動を可能にした。

(のちの総中流意識の背景となる)

第3の労働組合の保護・育成は、日本企業の封建的体質を改め旧来の身分差別

をなくすことに貢献した。(その反面、ユニオン型ではなく、労使一体型の

「会社主義」を生み出す素地ともなる)

そして第4の軍隊・財閥の解体では、日本軍国主義の完全な清算を果たした。

財閥解体は日本の主要企業の細分化を促し、熾烈な国内競争を惹起した。

ベンチャー企業の登場でコストダウン、品質強化、価格競争が激しくなった。

企業の活性化と経営内容の進歩を促した。

軍隊の解体はしかしのちに朝鮮戦争の勃発で自衛隊への転身となる。

いまだに尾をひいている、対米依存の姿勢がみられるのは時代の魔術といえようが。

このようにGHQの経済的政策の骨子は封建的、軍国主義的日本の解体と自由競争

平等と民主主義のシステム構築であった。

これにより、戦後日本の経済環境は、封建的地主階級と軍・財閥の支配(天皇制

統治)からアメリカ型資本主義の産業経営中心へ激変した。

全く新しい企業モラルが生まれたといえるのである。

GHQという「外圧」により日本の旧システムが崩壊し、新システムが誕生する

過程がここに見える。

官民一体や労使一体の「運命共同体」的意識はここでも旧日本のシステムに似て

新しい目標「欧米企業に追いつけ追い越せ」を見出し、そのパワーを全開にする。

日本人は明治以来の伝統的手法をまた発揮する。

「民主主義」という衣をつけて。

この新しい目標に向かって日本人は全力を尽くし、競争に勝ち抜く諸条件整備に

努力する。

太平洋戦争時の「欲しがりません勝つまでは」のスローガンと同じくここでも

企業の業績が好調で利益がいくら上がってもそれを株主や労働者に還元せず、

更なる競争力向上に振り向けて、犠牲を強いる同一パターンを想起させる。

このパターンは利益を労働者や株主、地域社会さらに協力会社(下請け企業など)

へ還元するという点に欠けていた。

即ち自社の利益蓄積を優先し、分配の公平とか下請けの成長などにあまり配慮

しないスタイルが固定される。

戦後日本の驚くべき経済成長は相変わらず共同体的モラル(和の精神)によって

かりたてられた日本人の経済シフトにある。

個人の自立がなかったともいえる。

欧米では既に宗教的な後ろ盾ともいえる個人の自立がなかったのである。

日本の戦後の経済成長は欧米人の思考を驚きと謎に満たした。

これはどういう仕掛けであろうか。

資本主義とか民主主義であろうかと。

むしろ官民一体の社会主義ではないだろうか。

日本人はだが彼らの疑問に気付かず、看板方式やQC活動に励んでいた。

そのうち日本は世界第2位の経済大国となり、自分の図体の大きさに驚く。

その位置の重さや責任に対しあわててしまう。

それでいて軍事的、外交的努力はアメリカまかせで来たのだ。

安倍前首相の言葉ではないが「戦後レジームの脱却」がいま問われている。

そして日本は自己分析に深入りしなければならない。

さまざまな選択肢の前で。






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最終更新日  2007年12月11日 21時52分40秒
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