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風狂夜話2

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2007年12月29日
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今年9月に瀬島龍三氏が逝去。享年95。東京調布の自宅にて老衰のため

その波乱万丈の生涯を閉じた。

富山県の寒村の農家の三男に生まれる。

頭脳明晰で地元中学から陸軍士官学校へ入り、首席で卒業。昭和天皇から恩賜の

銀時計を受ける。

そして陸軍大学校に入学。昭和13年これも首席で卒業した。

その後関東軍参謀、昭和15年には大本営陸軍の参謀として作戦立案にあたる。

昭和16年太平洋戦争開始で、陸軍の全ての作戦に参謀として指導した。

中国から南方まで実に多彩な作戦に関与した。

聞くところによると南方作戦の失敗により更迭され関東軍に移り、満州へ赴任。

昭和20年8月のソ連参戦による関東軍壊滅で敗戦を迎える。この降伏にあたり

ソ連司令官との停戦交渉にあたったのも瀬島氏であった。

その後彼はシベリアへ11年間抑留される。東京裁判にもソ連側の証人として

出廷する。(同じく証人になった草場氏は東京のソ連代表部で自決した)

彼の証言内容はソ連側の意向に配慮しているという人もいる由。

さてシベリア抑留から帰還後、昭和33年伊藤忠商事に入社。入社3年目で業務部長、

昭和43年に専務、47年に副社長、昭和53年に会長に就任した。

帝国陸軍の参謀本部の組織をモデルに「瀬島機関」とよばれるセクションを作り、

伊藤忠商事の総合商社化に貢献したといわれる。

特に自衛隊をターゲットにした軍事利権への参入に大きく前進させた。

さらに昭和56年相談役、昭和62年特別顧問に就任。

この間中曽根内閣のブレーンとして臨時行政調査会の委員として政界にもパイプを

作り、名誉職を相当数兼務する。

(財)戦没者慰霊協会名誉会長など。昭和59年勲一等瑞宝章を受章。

昭和12年伊藤忠商事を退任。本年9月逝去。のち従三位が贈られる。

築地本願寺にて伊藤忠商事と亜細亜学園主催の合同葬がおこなわれる。

まさに波乱万丈の生涯であった。

しかしその生涯のありかたに毀誉褒貶がかまびすしい。

たとえば旧ソ連との停戦交渉時に日本の捕虜抑留について密約(捕虜の抑留と

使役)があり、瀬島氏が自ら申し出たという批判が保坂正康氏らによって出されて

いる。本人はそういう権限はなかったと反論していた。

また昭和天皇は入江侍従長にたいする言葉として「許しがたいのは、この戦争を認め

計画し、開戦を促し、全部に渡ってそれを行い、なおかつ敗戦後も引き続き日本国家

の有力な立場にあって指導的役割を果たし戦争責任の回避を行っている者である。

瀬島のような者がそれだ」(田中清玄自伝)

「佐官が左官になった」と自らのシベリア体験を話す瀬島氏の一連の発言に疑義を

もちだす体験者も少なくない。

大本営参謀という立場から戦争責任を自問したら、戦後の活動は自ずと違ったもの

になるのではあるまいか。

ここが現役と退任者の責任のとりかたの難しいところだと思う。

瀬島氏に限らない。全ての戦争責任者が戦後アメリカに追随して復権している。

吉田茂のように当時の日本の窮状を救うには一番いい選択はGHQの下で講和に

導き、独立を果たすことだ、内乱や革命はほぼ日本を四分五裂させることになる

と見通していた人はどれくらいいたであろうか。

ドイツや朝鮮はまさに東西に分かれ苦難の歴史を永く続けた。

一方日本は吉田の予言通りアメリカの庇護の下経済安定に特化して繁栄をかちとった。

瀬島氏も伊藤忠時代にその果実を手にいれた。不本意ではあったろうが。

さて今日の日本の国家的欺瞞や右顧左眄の外交はこれでいいのだろうか。

官民問わずその行き先が懸念される。とはいうが私の責任もまた総括すべきだ。

年末にあたり「衷心よりお詫び申し上げます」

一体誰にたいして。





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最終更新日  2007年12月29日 09時41分05秒
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