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風狂夜話2

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2013年10月18日
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カテゴリ:政治


ムラのすべては大長老を中心にして、長老たちがクルマ座をつくり、そこで

決められる。ムラの決まり、仕来たりに従い、守る者は身の安全を保証され、

相互扶助の恩恵にあずかる。

嫌われるのは異端、飛び上がり、決定にそむき、これを破るものです。

この人は集団の保護から取り除かれる。警戒されるのは未知の人、余所者で

す。ムラの仲間に入れてもらえない。

やっと仲間に入れても外様扱いだ。身内にしてもらうにはよほどの時間と信用

を積まねばなりません。

ムラでは決まり、分担に沿って、田植え、田の草取り、刈り入れもムラじゅう

総動員で整然と一緒にやる。指揮系統が確立している。出来秋をねらって野伏、

乱波が来て、ムギを横取りしようとしていることを知れば、ハラの減った浪人

たちを集め、ハラ一杯メシを食わせることだけを条件に命を的にしてムラを守

らせる。自分たちも闘う。

代官の目をごまかして、隠し田で万一に備えて米もつくっている。

豆もつくっている。年貢の取り立てに代官が来れば、地べたに土下座して、額

を泥にこすりつけ、お土産をもたせ、上手に帰してしまう。

ひと筋縄でいかない、したたかな集団……これがムラです。

『七人の侍』で野伏が撃退され、侍は三人に減って、大将の志村喬が言う。

「こんども百姓が勝った」……風の鳴る丘に死んだ四人の侍の土まんじゅうが

作られ、それをよそに百姓たちは明るく刈り取り仕事に励んでいる。

早坂文雄の甘く、パセティックな主題メロディーが流れ、私は痛感しました。

「百姓=人民は大地である。政治家は風だ。風は役割を終えて吹きすぎる。そ

して大地は残る」

わが国の社会はいまでも、どこでも、大なり小なり『七人の侍』の中にある。

ムラ社会です。自民党の派閥しかり、社会党、共産党、総評しかり、宗教の世界、

新聞社、大学の教授会、絵描きの集まり、大小の企業……みんなムラ社会です。

クルマ座になって、カリスマ、ボスの一言一句に耳を傾け、一挙手一投足に注目

する、尻を外に向けて、わが組織、集団の生き残りのために論議を尽くし、決定

すれば一丸となって方針を実践する。

異端はしりぞけられ、ラインからはずされる。大切なのは根回しです。

事前にボスの意向に沿って側近たちが青写真をつくる。主要メンバーの了解をと

りつける。会議は事実上儀式です。知らないで演説するものはバカにされる。

主流になれません。

日本が戦後、一万ドルクラブに加盟できたのは、この集団主義の行動力、ダイナ

ミズム、組織への忠誠を自己目的に化したエネルギーがあった……私はそう考え

ています。

(早坂茂三「オヤジとわたし」田中角栄論)





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最終更新日  2013年10月18日 19時01分11秒
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