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シュタイナー関連書籍出版社                イザラ書房編集室だより

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カタリナnote

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2005/08/11
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 7/31の新田義之先生(東京大学名誉教授・学術博士)講演会のレジュメを8/7にはまとめようとしていたのですが広島の原爆の日を7日朝教会で祈り、その後泊りがけで参加した、立教大学文学部キリスト教学科&全国キリスト教学校人権教育研究協議会主催『第16回 全国キリスト教学校人権教育セミナー』であまりに大きな問題を教職、聖職の皆様が提起していましたので、自由というものをずっと考えておりました。
 このキリスト教学校というのは、特定の学校を指すのではなく、自由参加のサマースクールみたいなものだと私は勘違いしていて、黙想/瞑想の家に行く様な感じで立教大学内の会場に行ってみました。

 セミナーの今年のテーマは
『「心の自由」守っていますか?守られていますか?』でした。
現地研修は3つにわかれ
・ハンセン病療養所多摩全生園フィールドワーク
・靖國神社&遊就館フィールドワーク
・墨田区小学校の同和教育ときねがわ資料室見学

そして2日目の分科会は

1.キリスト教と人権
2.「障害」を問い直す
3.セクシャリティーを考える(マイノリティーの方たちを考える)
4.性差別を問う(セックスとジェンダーの相克)
5.東京の非差別部落の歴史/文化
6.在日コリアンの子供達と共に
7.ニューカマーの人権を考える
8.今こそ平和教育を

マイノリティーの人々への差別は、制度が改められても意識の上でいかに強く残っているのか、詳細な報告をお聞きすることができたいへん価値あるものでした。嫌がらせ葉書を特定の人たちに1年もの間飽くことのない執拗さで送り続けたまだ30代の青年に、2年の実刑判決(執行猶予なし!)という判決が下ったのも実は恥ずかしながら知りませんでした。

 全国の自治体で、学校で、必死にがんばっていらっしゃる人たちがいる一方で、陰惨な事件は絶え間なく続き、いかに若者の意識が自由とは逆の閉塞的状況に追い込まれているか物語っているようにも感じられます。

 あらゆる呪縛からの開放をイエス・キリストは福音書で述べ約束していますが、『自由の哲学』を書き、終世キリストとの対話を続けていたシュタイナーが言わんとしていたことは、これほど大変なことなのだなあとつくづく思いいたりました。
新田先生講演会
           ***

 7/31の新田先生講演会で特に深く心に残ったのは
「教育は、はかないものです」というしみじみとした感慨に満ちた言葉でした。
「卒業後の追跡調査等は教育の冒涜です。教育の現場でどれだけのことが
できるか、できたのか?それがすべてです。つかの間のことともいえます。
あとはその子達の運命が決めます。‥‥シュタイナー教育は自由な教育で
はありません、自由に向けての教育なのです」と。

 先生が教えてこられた方々の個別の侵しがたい「運命」に対する、深い
尊敬の気持ちは会場にいらした皆さんにどのように伝わったでしょうか?
 私はそのときはっと息をのみました。長い教職のなかでさまざまなことを
見てこられたその静かな悲しみ喜び、高次の領域への畏れのようなものを感
じたからです。そしてルドルフ・シュタイナーへの謙虚な敬愛の念も。
 教職にあるものは日々祈りながら、その責務をまっとうされているのだな
あと感じ入った講演でした。

 子どもの頃は、それほど自由が貴重なものだとは思わなかったのですが、
大人になりだんだん世の中のことを知るようになってくると、いかに人が
さまざまなことに拘束され、呪縛されているか知るようになってまいりまし
た。また意識の内に住む、見えざる差別というものも。
 それは普段はおとなしくしていても、何か外的内的変化が起きたときむく
むくと膨らみその人の魂を蝕んでいきます。
 あらゆる呪縛から開放され、真に自由に生きることは、まだまだ地球上で
は無理かもしれませんが、その日を目指し、長い道のりを友人達と旅してい
こうとしみじみ思いました。

 60年前の広島、長崎の原爆投下を思い黙祷をささげます。合掌。

>>『全国キリスト教学校人権教育セミナー』の主催者をNCC(日本キリスト教協議会)といままで誤記してしまいました!申し訳ございません m(__)m。
これに懲りずに来年もどうぞ宜しくお願いします(^-^ゞ)






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Last updated  2005/10/23 10:16:04 PM



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