最終話 大団円? その2.
ズシーーーーーーーーン!!ガラガラガラガラガラ 俺たちの乗った飛空挺が浮遊大陸から飛び立つと、じきに大きな音を立て今まで上空にてその存在感を思いっきり出していた浮遊大陸は墜落し崩れ去っていった。 「ふ、ふぅ・・・・・・・あぶなかったぁああああああああああ」 「本当‥‥間一髪だったねぇ」 「ギ、ギリギリだったね・・・」 「あぁ、もぉ。何だって最後の最後にこんなに全速力で走って疲れなきゃいけないのよ」 「はは、だけどよ。これも後になって思い返してみれば良い思い出になるぜ」 「それはそうかも知れないけど・・・いや、でも!!」 声を荒げたエリーだったが、すぐにその声はまたいつものトーン戻った。 「はぁ・・・まぁ、こうして命もあることだしもうそれでいいわ」 「ねぇねぇ、ところでこれからどうするの?」 「は?どうするって?」 「えっと、えっとね。ルシファーも倒し終わって目的は達成したわけだよね?それでベリル君・お姉ちゃん・エリーはこれからどうするつもりなのかな?って」 「予定も何もそんなもん何も決めてねぇよ」 「そうだねぇ、特にこれからどうするとかは決まってないねぇ」 「あたしはオルロフのところに戻ろうかとも思ったけど、皆が旅を続けるっていうなら、このまま一緒に同行しようかしら。あんた達と一緒にいると退屈しないし。いいでしょ?」 俺達の返答を聞いておきながら、それでもナディーは不安そうな瞳を俺の方へと向けてきた。 「ベリル君は、その。実家に戻らなくてもいいの?」 「別に戻るつもりはまだねぇよ。この世界には俺の知らない、まだまだ行ってない場所も一杯あるしな。それら全部に行って楽しんでから戻っても遅くはねぇだろ」 俺の言葉を聞くとジルはすんげぇ満面の笑みを浮かべながらくっついてきた。 「前にも言ったけど、うちはもちろんベリルがどういう選択を取ろうとも、それに一緒に着いてくからね♪」 ジルとは正反対の反応を示すナディー。 「ね、ねぇ・・・私も一緒に行ってもいいかな?」 何で今更そう反応するのが不思議な気もするが、ナディーはチラチラと目配せをしながら伺うように俺の方へそう言ってきたんだよ。 「何言ってんだよ。当たり前じゃねぇか。というか、俺はもとよりそのつもりだったが?」 「えっ?」 「みんなと一緒にいるとすげぇ楽しいし、俺はまだまだナディー・ジル・エリー。皆と一緒に世界を旅したい。そう思ってたからな」 「そ、そう・・・なの?」 「ってか、忘れたとは言わせねぇぞ?俺、ナディーを助けた時に言ったよな?もうこの手は二度と離さない、離したくないって」 「あ、あぁ……そうだったね。あはは、ごめんね、ベリル君。そうだったね」 「あぁ、それでまずはどこ行くか、だな」 「そうだねぇ・・・うちあそこ行って見たい。確かシヴァ大陸にルビーの涙っていうとっても綺麗な宝石が奉られてる場所があるとかって聞いたよ」 「へぇ・・・ルビーの涙、か。いいじゃない。シヴァ大陸のどの辺りかしら」 「確かヘルエムの近くだっけ?」 「ほうほう・・・ま、詳しい場所はそこで聞けばいいか。うっし、エリー、とりあえずヘルエムの辺りまで飛ばしてくれ」 「おっけ、わかったわ」 「それじゃ俺たちの新しい冒険の始まりだぁあああああ!」 『おーーーーーーーーーーー!』 こうして1つの物語は終わりを告げ。俺たちは今度は世界の名所(?)をグルグル回るという新たな目的に次なる旅に出発したのだった。 ベリルのドタバタ冒険記 終わり