今日付け地元紙くらし欄で見つけた『メール相談の現場から』シリーズの4回目。カウンセラーとしても見逃してはいけない基本的なことが述べられていましたので、そのまま引用させていただきます。
『何げない言葉が相手に届くことがあります。相談メールを寄せてきたある26歳の女性に返信をしたところ、次のようなメールが返ってきました。
「カウンセラーさんありがとう。この前のメールの最後に書いてあった一言がとても励みになりました。お返事しなくてはと思うと、なぜかがんばる気持ちでいられました」
カウンセラーは返したメールの最後に、「必ず、お返事くださいね。お待ちしています」と言葉を締めくくっていました。これを書いたカウンセラーは、実は相談者からの返信を受け取るまで、そのように書いた覚えもなく、女性から指摘されて驚かされたといいます。
振り返るとカウンセラーはこころの底から、「まずは必ず相談を送ってほしい」「もう少しどんなふうに困っているのかを知りたい」という思いがあり、それが気づかぬ間に「必ず」と書きつづっていたのではと気づきます。見方を変えると、「必ず」とは少しお仕着せに近いような言葉ですが、カウンセラーがこころから素直にそう感じていたからこそ、相手に伝わった一言になったのだと思います。
逆にメール相談で相手に伝わらない言葉とは、一般化された言葉や、他人からの借り物となった言葉です。例えば、「日はまた昇るから大丈夫」「まずはがんばってみて。応援してますから」とか、「悩んでもいい、人間だから」などです。
一般化されたとは、誰に伝えてもマイナスとならないあいさつ文のような言葉で、極端に言うと当り障りのない言葉です。また、借り物の言葉は一見するときれいな言葉となりますが、それはカウンセラーが相手と対峙する仲から湧き出てきた言葉ではありません。
メールでも対面でも、大事な思いはあいての身体の中に届くように伝える。それはテクニックや知恵を巡らせて出てくるような着飾った言葉ではありません。相手と向き会う中で、一人の人間としてこころの底から自然に湧き出てくる、何げない一言なのだと思います。
事例は、普段の相談活動をアレンジしたものです。
(渋谷英雄・日本オンラインカウンセリング協会理事長)』
私の場合は、自分に当てはめてみることが多い。すると、やはり心の底から出てくる言葉というのがある。そうせずにはいられない。。。ただ、それが相手にとってはきつい言葉だったりすることがあって、自分自身の気持ちとは相反していたりする。「励まし」のつもりが「叱られた」だったり。言葉では確かに、「叱責」というのも存在するけれど。叱る気持ちなんてさらさらないのに。
人を奮い立たせる言葉って、やはりその人、その人で違うと思う。やはり親身になって相手の言葉に耳を傾ける。。。それからでなければ奮い立たせるなんてことはできない。先ずは耳を傾けること。それに徹することにしよう。