年末には体験報告会と講演会が開かれる。そして忘年会。今年の講演会講師は、徳島大学名誉教授・丸山尚子先生をお迎えして、『子どもは手で育つ』という内容の講演を。とても興味深いものがあって、「楽しい方の」コーラスグループの忘年会とかち合ってしまったのを振り切って参加した。
『「手は第二の脳」、「手は脳の出店」、「手は突き出た脳」などといわれます。それをよく表しているのが下の図で、(実は、レジュメにはやはり職業とされているご子息が描かれた図が)それほどに、手は脳との関わりが深く、そのおかげで、手は敏感で、いろんんあことができます。手は、日々の生活・遊びの中で大活躍!です。また、日々、生活・遊びのなかで、手を使うほど、脳を働かせているということにもなります。』と始まるレジュメをいただき、先生の話に耳を傾ける。
人間が二足歩行が可能になって、手が自由に使えるようになったこと。どうやら、この辺が他の生物とは違うところのようで、ずうっと乳幼児などの行動と、手の関係について調べていらっしゃった先生は、現在の子どもたちが決して不器用なんかじゃない。けれど、例えば箸の使い方などは、家庭の中で家族が教えるものとして、このときに言葉がどんなに大切なことか。と仰っておられた気がする。
鼻をかみたいときに、「取って!」と頼まれて「ハイ!」と、または無言でティッシュの箱を渡すだけ。こんなことでは駄目で、何か言葉をかけてあげる。「この紙だと柔らかいから、鼻が痛くならないわよ」とか。現在の生活で、こういう風景は余り見られなくなってしまったのではないか。というようなことも仰っておられた。
また、まとめとして
『<まとめ・手を育てよう>
1、手のみでなく、全身を育てよう!
手がしっかり使えるためにはそれを支える足腰も重要です。
2、毎日の生活・あそびの中で育てよう!
日々の生活の中で使う中でこそ、生き方を支える手は育ちます。手間がかかり、無駄が多いようにみえますが、実は、子どもは、てま・ひま・むだの中でこそ、豊かにそだちます。
手も「人の気配の中で」楽しく育てる。ことば・コミュニケーションの渦・輪の中で!
「自分一人で黙々と」、よりも、「誰かと一緒に」、わいわい楽しく、いろんな思い出とともに育てましょう。そして、いろんなことを語り、伝えましょう。もののこと、ひとのこと、世の中のこと!
参照はコチラ』
はさみを使って線に沿って切れるようになる年齢は4~5歳なのだそうで、正直驚いてしまった。私がはさみを使って紙を線に沿ってなんて切れるようになったのはいくつの頃だっただろう。果物ナイフを使ってリンゴの皮が剥ける。なんて一体いくつだっただろう?兄がすんなりできた、冠きり。これにも苦労したなぁ。両手の指を使ってタイピングができるのは、もしかしたら、父が勧めてくれて習い始めたオルガンのお陰だったりするのかなぁ。普通、両手指の動きを違えて。なんてこと、やらないものねぇ。食事のときのナイフ、ホークなら別だろうけど。手が使えるってことは、ホント、凄いことなんだ!
先生はこれからも、ずうっと地道に幼児の行動などについて研究を続けられるそうです。脳だから、すぐ頭の方へ関心が行ってしまいがちだけど、本当は『手』にあったんだ。