|
カテゴリ:カテゴリ未分類
座談会 金城馨さん ( 沖縄文庫 主催者)
なぜ、本土が沖縄にこれほど過酷なのか。 戦後の占領だけが問題ではない。 戦前の、琉球の侵略・支配体制の形成過程は、その後の植民地支配、台湾、朝鮮、中国・満州植民地化のモデルとなった。 併合後は、言語、風俗、生活、文化、歴史観などの精神面で同化が強制され、土地整理事業などの法制免でも日本化=収奪が行なわれた。土地を失った農民が、食べるため、日本本土に安価な労働力として、出稼ぎに出ざるを得なくなる政策を採った。 ヤマトが琉球侵略でした経験を、アジアに広げている。 島津の支配も同様だった。 外交を掌握する。 経済はデノミで、銅貨を占有し、沖縄には鉄の貨幣を押し付けた。
大正区は、100年前から、日本に移り定住した、最初の外国人労働者の町だ。 その外国人とは、沖縄人のことだ。 沖縄人は、そこで日本人から非常な差別を受けた。 日本人側に、「外国人だったら、こういうことをしていい。」とか、「植民地化した所に対する暴力」という面がないか。 1879年琉球処分以後、琉球人は日本人と思い込まされてきた。 政治的に、押し付けられてきた。 琉球人には、日本人から差別されてきた記憶があり、自分から、日本人ではないとは、思いたくない。 つまり、琉球人とは、日本人と日本人でない人々の狭間にいる人々のことだ。 2008年、国連自由権規約人権委員会が国連先住民会議で、日本政府に対する勧告を議決した。 アイヌの人々及び、琉球・沖縄の人々を侵略における先住民として認めたうえで、彼らの文化遺産及び伝統的生活様式を保護し、保存し、促進し、彼らの土地の権利、教育権を認めるべきである、との勧告である。 沖縄人を先住民と認めるということは、先に国連総会で採択された「先住民の権利宣言」が、沖縄にも適用される、ということを意味する。 「先住民の権利宣言」には、民族自決権が謳われている。 民族自決権を認めるということが、日本に求められている。 ところが、日本政府は、日米安保を民族自決権より、優先している。 日本社会でのマイノリティとしての沖縄。 ほかにアイヌ、部落、在日がマイノリティとして存在する。
言語が、政治運動の中で使われると、変質する。 戦後言われた「異民族支配からの脱却」、本来、アメリカ支配への怒りから出た言葉が、「日本復帰運動」に変質してしまう。 その理由は、日本を支配者としてみることが出来ないからだ。 沖縄と日本の関係性を、問い直すことが出来なくなる。
沖縄は日本ではない、ことから出発する。 その証拠は多くある。 沖縄戦の体験がある。 言語を通じて、スパイと判断された。 本土防衛の捨て石にされた。 これらは、同じ日本人だということが、崩れていった体験だったが、この体験を総括できないまま、「復帰運動」が起こってしまい、その後の沖縄の問題点が不明になった経緯がある。 これらのことを正すには、日本の中での自分達の立ち位置、positionalityを明確にすることが不可欠だ。 そのようにしようとした運動体として、復帰後の沖縄のあり方を考えようとした「関西沖縄解放同盟」がある。日本人に嫌われても、自分達の主張をした。 日本ヤマトの市民運動では、お互いの立場をはっきりさせていくと、排除された。 「連帯」という言葉が、政治化したとき、排除が生まれた。 それゆえ、92年以後「連帯」という言葉を、ヤマト側から出されると違和感がある。 連帯という語には、連携や共闘と違う内容があるはずだが、その前提となるのは、それぞれの立ち位置の明確化、ヤマトには、ヤマトがなすべきことが、あるはずだ。 それを、ちゃんと、考えているのか。 人類館事件 人間を展示した。 日本人を文明人に祭り上げるという目的があった。 文明人が未開人を文明化する、という構図が、侵略には必要である。 対等な人間関係の対象でない者にかえることで、侵略は可能になる。 植民地とは、未開人を文明化する手段なのだと、侵略を正当化する。 という面が、人類館にはあった。 沖縄人が、展示された時、われわれは一等国民で、日本人だと、反発した人々があった。 朝鮮人や、台湾人といっしょにするな、と。 彼らは、植民地化に取り込まれ、日本化の先兵となって、侵略に加担した。 約一万人が、教師などとして、沖縄に渡った。 遅れている、という意識が邪魔をして、植民地化されたと認めにくい、という、 自分の中の、自分に対する差別がある。 それと同時に、他のアジア民族を、沖縄人は差別してきた。 沖縄人は、それも謝罪しなければならない。
同化政策は、民族浄化=ジェノサイドである。 朝鮮にも、沖縄にも、日本によってなされた。
戦後日本が、戦争に積極的に加担したのが、朝鮮特需である。 しかし、基地から軍艦が出港してゆく姿は、基地が沖縄に集中して移されたことで隠された。 沖縄の基地が、日本人の思考を、抑止する。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年07月25日 06時01分57秒
コメント(0) | コメントを書く |