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カテゴリ:秩父巡礼
第23番札所
山号:松風山(しょうふうざん) 宗派:臨済宗南禅寺派 本尊:聖観世音菩薩 巡拝日:2008年4月16日 ----------------------------------------------------------------- 二十二番・童子堂の駐車場へ戻り、二十三番へ向けて車を走らせる。 県道を二十一番と逆方向へ進み、秩父ミューズパークへ向かう道を右折。 丘陵地を一気に登るこの道は、秩父の街並みを一望する絶好の眺望だ。 童子堂は、巡礼者の便を考えて里に降ろされたということだったが、 二十三番・音楽寺は、今もこの丘陵地の上にある。 この丘陵一帯がミューズパークであり、 音楽寺の境内もミューズパークの一角ということになるらしい。 整備の行き届いた広々とした駐車場に車を停め、境内へ向かう。 門前には茶店があり、そこからも秩父市街が遠望できる。 霞んではいるが、武甲山もよく見渡せる。 茶店の横を抜けて境内へ進むと、二十番・岩之上堂に負けないほど、 赤・白・ピンク、さまざまな花が咲き誇っている。 お参りをするのも忘れ、しばし眺め、写真に収める。 さて、肝心の観音堂は、 緩やかな曲線を描く大きな屋根をかぶせ、堂々と建っている。 江戸中期の建立といい、無数の千社札が、歴史の深さを物語っている。 お寺の名前にあやかって、この観音さまは音楽関係者の信仰を集めている。 お堂の片隅には、そんな願掛けの音楽関係者のための掲示板があって、 祈願に訪れた歌手やらバンドやらのチラシが張られている。 演歌系が多いけれど、中にはビジュアル系風なチラシもあった。 こんなスペースがあるんだったら、なにか持ってくればよかった。 観音堂の手前には、秩父市指定有形文化財の梵鐘がある。 文化財でありながら巡拝者も自由に突くことができるので、突いてみる。 鋳造300年を超えるとは思えないほど澄んだ音が響き渡る。 ところで、ここにはもうひとつ見どころがある。 十三地蔵。 西武線の駅や中刷りの秩父巡礼の広告でよく見かける写真の場所だ。 行き当たりばったりで巡礼に出た自分にとっての数少ない事前知識であり、 したがって、個人的に巡礼の中で最も訪ねたかった場所でもある。 観音堂の裏手の竹林の間を登れば、その先が十三地蔵の場所。 そこは小鹿坂峠という峠道の頂点にあたり、 童子堂跡地の前を通っていた古い巡礼道も、 尾根をつたい、ここへ至っている。 お地蔵さまの前の桜がすでに散ってしまっているのが惜しい。 それでも、足元の水仙がその景色に色を添えている。 しばらく眺めていると、あることに気がつく。 小さいお地蔵さまは、確かに十三体。 しかし、その中央に大きめなお地蔵さまが一体。 つまり、本当は十四体のお地蔵さまが、ここにはいらっしゃる。 いったいどういういわれでそうなったのだろう…。 まぁいずれにしても、 幾万の巡礼者の往来を見つめ、旅の安全を見守ってきた証しのお地蔵さまである。 この先の巡礼の無事を、十四体の十三地蔵にお願いする。 この日の巡礼は、ここまで。 まだ陽は高いが、帰り道に寄りたいところがあるので、早めに引き上げる。 誰かがついた鐘の音を背に、境内をあとにした。 松風山音楽寺 秩父市寺尾3773 tel.0494-25-3018 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年10月20日 11時26分21秒
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