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December 19, 2005
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『ピアニシモ』 集英社文庫
 辻 仁成 (著)


 僕にはヒカルがいる。しかし、ヒカルは僕にしか見えない。伝言ダイヤルで知り合ったサキ。でも、知っているのは彼女の声だけ。あとは、冷たい視線と敵意にあふれた教室、崩壊寸前の家庭…。行き場を見失い、都会のコンクリートジャングルを彷徨する孤独な少年の心の荒廃と自立への闘い、そして成長―。ブランク・ジェネレーションに捧げる新しい時代の青春文学。第13回すばる文学賞受賞作。


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 以下はネタバレも多少含んでいます。


 人間が子供から大人に成長するあたり、知らず知らずのうちに常識や道徳を身につけていくために世間体や社交性を気にしてだんだん自分自身の感情を表に出さなくなっていくものです。

 この物語の主人公の15歳の少年もそうあるべきはずなんですが・・・・。成長するにつれて身に着けていく常識で自らの感情を抑えてきて、その感情を妄想の中で放出している存在、それがヒカルなんです。


 誰だって日常生活しているとヒカルの囁きを聞くことがあると思います。時には自分の思っている感情を全部ぶちまけられたらどんなにスッキリするだろうかと・・・・。でも、もし大人ならそうしたらこの後どんな結末が待っているのかを考えて無意識にセーブしてしまう自分がいる。これがきっと大人なんでしょうね♪ 


 この物語はそんなヒカルの囁きと実生活のギャップに頭を抱える15歳の少年の心の葛藤の物語です。



 この作品の評判は賛否両論です。今まで読んだ辻作品(『冷静と情熱のあいだ blu』『ニュートンの林檎』『嫉妬の香り』)とは違って具体性が欠けていますが、抽象的な描写だからこそ共感できる部分があったのかもしれません。


 ちなみにこの作品


     第13回すばる文学賞受賞作




 です☆





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Last updated  December 20, 2005 12:51:37 AM
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