爺ブログ

 ためしてガッテン流健康づくり術　　　◇2◇　　NHK科学・環境番組部専任ディレクター『ためしてガッテン』担当　北折一

ダイエットとか健康にいいという話に飛びつく人飛びつく人を狙うマスコミ

　ダイエットと健康についての○×クイズを出します。

　一番、「納豆を朝晩食べるとダイエット効果がある。○か×か」

　正解は×です。これは4年前、某テレビ番組で大変な問題になりました。特定の食べ物を食べたからといって、その中の何かの成分が体をどんどん痩せさせてくれることは全くないとお考えください。

　二番、「バナナには脂肪を燃焼してくれる酵素が含まれている。○か×か」。○と思われる方？　結構手が挙がりますね。今何を聞いておられたんでしょうか。「そういうものはない」とたった今お話したばっかりじゃないですか（笑）。×が正解です。

　皆さん、脂肪燃焼とか酵素という言葉にすぐ飛びついてしまうんですけど、脂肪を燃焼するような酵素があったとしても、それを食べたときに、酵素はタンパク質ですから、食べても胃酸で分解されないと吸収されません。ですから、酵素のまま体の中に入って、それが体内の脂肪を燃やしてくれるということはあり得ません。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■　　　■　　　■

　三番、「ビタミンCは体にいいと言うものの、摂り過ぎると体に悪い。○か×か」

　正解は○。「ビタミンCは水溶性のビタミンだから摂り過ぎてもおしっこと一緒に出てしまう」という知識をお持ちの方がいると思います。でも、実はビタミンCも、これ以上食べると死んでしまう「致死量」があります。1粒に3000ミリグラムのビタミンCが入っているのど飴に換算すると、1度に2380粒食べると半分の人が死ぬそうです（笑）。基本的にあり得ない量ですが、高濃度のサプリメントを大量に採り続けるような生活をして、果たして本当に大丈夫かどうかは確認されていませんので、そういうことには気を付けて欲しいと思います。

　四番、「コラーゲンを食べると肌の保湿力が高まるか。○か×か」

　これは△です。どういうことかというと、コラーゲンもタンパク質なので、体の中に入ってから分解されコラーゲンじゃない状態になって吸収されます。それが再びコラーゲンに戻って肌のところで働いて欲しいというのが人情なんですが、残念ながら、人間の体はほとんどの部分がコラーゲンでできています。まず筋肉や骨などコラーゲンを必要としているところに行って、残った部分が肌にも一部行きますので、コラーゲンを食べたからってすぐツヤツヤになることはありません。ただ、きちんと摂り続ければちゃんと肌にも少しは行ってくれます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■　　　■　　　■

　一番の「納豆はダイエットに効果がある」という番組を放送した某テレビ局の問題で、マスコミ界は大変な騒ぎになりました。全く関係ない僕たちのところにもいろんな取材が来て結構迷惑もしました。

　ただ、一ついいこともありました。それはマスコミが言っていることは必ずしも本当のことばかりではないんだということが世の中に伝わったということです。

　にもかかわらず、未だに「食前キャベツで水太り解消、1週間で5キロ痩せた」とか「湯豆腐ダイエットで33キロ痩せた」という記事が「健康雑誌」に堂々と載っています。だいたい水太りなんて科学的には存在しないし、湯豆腐食べて33キロ痩せたなんて、これ体に悪い以外の何ものでもないじゃないですか（笑）。

　あの事件をもう一度思い返してください。あれだけの事件があったにもかかわらず、まだまだこういうものに飛びつく人たちが多いという事実に加えて、「どうせ飛びつく人が多いから」と思っているマスコミもまだまだたくさんあるということです。　(宮崎地区歯科保険大会での講演より／11月7日号1面の続編です）

『みやざき中央新聞』2011年（平成23年）11月21日（月）2437号発行紙より記事抜粋。



　爺曰く、8年ぐらい健康食品会社の事務系役員としていましたが、業界としていろいろな会社があるというこをしりました。薬事法すれすれで販売している会社もあれば、完全に詐欺まがいの会社や、薬品会社のようにラット試験のデータを表に出して販売している会社等々です。一言で言えばいい加減な業界だと言うことはいえます。さすがに、キャベツがガンに効くと言っても誰も信用しないので、こういうのは薬事法に引っかからないのです。なにせ、食品と薬の中間に位置する健食産業ですから、これという法律はないのです。

　ですから、薬事法と食品衛生法、表示法、景品法とかでしばられている業界なのです。薬事法ギリギリで如何に当局に捕まらないように販売するかが、売上に繋がるんです。おっしゃる通り、いくら商品にビタミンやミネラルが成分表に書いてあったとしても、果たして効果があるのかどうかは大いに疑問は、あるでしょう。実しやかに女性の心をくすぐるキャッチフレーズをつけ、購入者にはプレゼントを付けたり、割り引いたりして、いかに買ってもらうかを考えて売っている業界なのです。だから、100人いて1人ぐらい、たまたま痩せたとか、病気が治ったとか、因果関係は分らなくても、大々的に取り上げるんです。だって、一番のCMはテレビが一番ですもの。最近は、やはり時代の流れか、インターネットが多くなっています。

　いずれにしても、イワシの頭も信心からというように、マスコミを使って洗脳してきますので、キャッチフレーズのみで飛びつかないように気を付けるしかないのです。ダイエットでも健康でありたいためには、正しい生活習慣を守り、適度の運動を毎日、少しずつでもいいから、継続してやることが一番です。これ、経験上からそう言うのです。≪爺私見≫

※抜粋記事に関する事や、是非新聞を購読して見たい方は次にお問い合わせをお願いします。


『みやざき中央新聞』


〒880-0911　宮崎市田吉6207-3


Tel (0985)53-2600　　　Fax (0985)53-5800


Hp　　　　　　　 http://miya-chu.jp/


e-mail 　　　　info@miya-chu.jp