誰も書かない新聞記事と社説 『みやざき中央新聞』‐250
田園風景が心を変えたぁ! ◇2◇ 作家 あかね 稲作とピアノが出てくる小説を書きながら農業体験スクールに飛び込んだ 私は小説講座での合評会(お互いの作品を批評し合う会)を通して、他者との関係を築く方法を改めて学ぶことになりました。作品について当たり障りのない意見を言い合っていたのではそれ以上発展しません。自分の作品について率直な意見を言って欲しければ、ほかの人の作品についても思ったことをきちんと言わないと心が通じ合いません。 私は、いいことも悪いことも思ったことを優しい言葉で傷つけないように、でも率直に伝える方法を学びました。それまで他人に嫌われることが怖くて、相手におもねるような、表面的なことばかりしか話すことができなかったので、それはものすごく新しい行動様式でした。 表面的なところに留まらない対人関係はエネルギーを使います。でもストレスが溜まることは少ないことを知りました。心が伝わったときに本当に楽しくて嬉しいということも実感しました。30歳を過ぎて初めてそういったことを心の底から感じることができたのです。それまで、こんなに長い間、なぜこのことを知らずに生きてきたのか残念でなりませんでした。 でも、今携帯電話でいつも連絡を取り合いながら、だけどお互いちょっとした言葉で傷つけ合ってしまうことをとても怖れる。そんな中高校生を見ていると、心から通じ合える関係が作れないとか、心を割って話せる友だちがなかなかできないという悩みは、今の若い人たちに共通する苦しみであるという気がします。 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ さて、夏の水田の稲の美しさに魅せられて、私は実際に稲とピアノの出てくる小説を書いてみました。農業高校に通っている男の子が主人公で、彼がピアノの上手な女の子に恋をするという、たわいのないラブストーリーだったのですが、その作品を合評会に提出してみたところ、ほかの人たちからこてんぱんに批判されてしまいました。 「農業とはこんなに綺麗なものではない。もっと泥臭くて苦しいものだ。作者は農業のことを全くわかっていない」と。その批判は当たっていたと思います。ショックでしたが稲とピアノの出てくる物語を書きたいと思いは諦めきれなかったので、私はどうしたらいいか、考え始めました。 そんなある日、新聞の小さな囲み欄に、千葉県で農業を営む1人の青年を紹介する記事が掲載されていました。都会の人に稲作を体験してもらい、その苦労を知ってもらおうというアグリスクール(農業体験学校)を開いているということでした。 私はすぐに電話をして、入学する手続きを取りました。そして、応募してきた十数人の人たちと一緒に1年を通して春の田植えから夏の草取り、秋の稲刈り、出来たお米を搗いてお餅にして食べるまでを体験しました。また、スクール以外にもさまざまな農業見学や農業体験をさせてもらいました。 学校にも職場にも行けなくなってしまった私でしたが、アグリスクールは月に1回くらいの頻度だったせいもあったのか、つらくなることもなく、とても楽しく通い続けることができたのです。 (不登校・引きこもりの子どもをもつ親たちの会・コスモス会主催の講演会より/前号1面の続編) 『みやざき中央新聞』2012年(平成24年)2月20日(月)第2448号発行紙より記事抜粋。 自分は他人からどう思われているのか、何をやっても長続きしないとか、自分はダメだとか思ったり、悩んだりしてきたら、取り敢えず死んだ振りをして、どこか田舎の日本の原風景を見に行ったり、犬や猫・イルカなど生き物に接するといいかも知れない。夢ばかり追っていても意味がないことは分かっています。だから動いて見るんです。動けば周りの風景も変わって見えます。 周りの風景が変わると、自分も何か変ったように思います。そういうふうになると、今まで悩んでいたり、くよくよしていたことがアホらしくなりいろんな事にトライしたい気持ちになるんです。やっぱり動かないと何も変わらいないと言う事になるんです。小説もノンフィクションとフィクションに分れます。夢を与えるような小説なら少々荒唐無稽でも構わないんです。映画のスターと同じでスーパーマンになるんです。だかtら、白馬の王子様が出てきても問題ないのです。要は、自分は何をどうやりたいか、が大切だと思います。何か悩み事や壁にぶち当たったら、少しだけ動いて見たら周りの景色も変わります。≪爺≫ ※抜粋記事に関することや、是非、新聞を購読して見たい方は次にお問い合わせをお願いします。 『みやざき中央新聞』 〒880-0911 宮崎市田吉6207-3 Tei (0985)53-2600 Fax (0985)53-5800 Hp http://miya-chu.jp/ e-mail info@miya-chu.jp