126002 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ショート・シナリオの館

ショート・シナリオの館

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ショート・シナリオ

ショート・シナリオ

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

宮崎征志@ Re:身近にあった「新四国八十八ヶ所霊場」の札所(01/25) 龍ヶ崎の88か所について調べていて、こち…
√6意味知ってると舌安泰@ 御池大橋西詰の漱石句碑(附:謎の石造物) 八瀬まぐろ石の句碑は、二代目か??? …
鮎川桃果@ Re:向島百花園で秋の七草を愛でる  (11/07) 伊関あゆみ 鮎川桃果
猪鼻ちひろ@ Re[1]:向島百花園で秋の七草を愛でる  (11/07) 小泉奈津美さんへ

フリーページ

ニューストピックス

2016.05.09
XML
カテゴリ:シナリオ
Scan.jpg

動物村では川沿いにある沼地に次々と花が咲き始め、まもなく春のお花見会が開催されます。
いつもなら、憩いの場所として大いに賑わうのですが、何か異変が起きている様子です。
「人間らしき生き物がいるから沼周辺には近づかないように!」との連絡が回っているのです。
仲良し3人組が沼の情況を心配して集まっているところへ、長老がやってきました。

長老 : ここにいたのか。お前たちを探しておったぞ。ワシと一緒に来てくれないか?
ミミ : 沼のことでしょ。あそこで何があったの?
長老 : 実は沼に変なものがおるんじゃ。人間の姿に似ておるが、人間とも違うような生き物
     が座っておるんじゃが、体はビクとも動かない。
ポン吉: 動かないって、どういうこと?
長老 : 人間かもしれないから近くに寄れなくて、よく分からんのじゃ。ただな、思い出した
     んじゃよ。以前、ワシや動物村のみんなには見えぬが、お前たち3人組だけには見え
     て、会話もできる生き物が川の中にいると言っておったことを。
コン太: それって、カッパの川太郎だよ。
長老 : そうそう、それじゃ。ワシはカッパというのは人間が考え出した想像上の生き物だと
     思っておったんじゃが、お前たちは実物に会ったと言っておったな。あの時にお前
     たちが話してくれた川太郎の特徴と、今、沼におる生き物の姿が似かよっているよ
     うに思うので、お前たちに確かめてもらいたいんじゃ。とにかく、沼へ急ごう!
ミミ : でも、川太郎さんの姿は私たち以外には誰にも見えないはずよね。長老に見えるとい
     うことは川太郎さんじゃないと思うけどな~。

仲良し3人組は半信半疑ながら、長老と一緒に沼へ向かいました。沼に着くと、確かに人間らし
きものがジッと座ってしていました。

ポン吉: あれはカッパの川太郎だよ。間違いないね。でも、どうして動かないのだろう?
コン太: なぜ、川太郎は動物村のみんなの前に姿を見せたのかな?
ミミ : 川太郎さんに何かあったんじゃないの?
長老 : そうか、やはり、あれがカッパの川太郎なのか。不思議な姿をしている生き物じゃの
     う。お前たちの友達なら、近くへ行って話して来てくれないか?人間のようにも見
     えるから、ワシも怖くて近寄れないんじゃ。頼むぞ。
ポン吉: わかった。お~い、川太郎く~ん。仲良し3人組だよ。そこで何をしているの?
ミミ : 聞こえないみたいね。もっと近くへ行きましょう。
コン太: 何だか、おかしいよ。僕たちの声が聞こえないようだし、やはり変だ。

3人組は座り込んでいる川太郎の近くへやってきました。

ミミ : アラ!?これは生きている川太郎さんじゃないわ。そっくりの作り物よ。
ポン吉: 本当だ。まさか、川太郎が死んで固まっちゃったんじゃないだろうね。
コン太: 変なこと言うんじゃないよ!この作り物はカチンカチンだぞ。もしかしたら、川太郎
     はこの近くにいるんじゃないかな?みんなで呼んでみようよ。
     お~い、川太郎く~ん、出てきてくれ~。僕たち3人組に顔を見せてくれよ~。
ミミ : こんなに大きな声を出しているのに出てこないわ。もっと呼んでみましょう。

しばらくすると、沼のそばを流れる川の水が盛り上がり、カッパの川太郎が顔を出しました。

川太郎: や~、しばらくぶりだね。相変わらず元気そうで何よりだ。君たちの声がしたから急
     いで戻ってきたんだ。みんなに会えて嬉しいよ。
ミミ : 会えたのは嬉しいけど、悠長な挨拶をしている場合じゃないのよ。動物村のみんなが、
     あの作り物を見て怖がっているの。
川太郎: え~、どうして怖がるんだよ。可愛いじゃないか。あれは君たち、というよりは動物
     村のみんなへの贈り物なんだ。まさか、怖がられるとは思ってもみなかったな。
ポン吉: 僕たち以外は、動物村の誰も君のことを知らないんだよ。それに、昨日まで無かった
     ものが、今朝、こつ然と現れたんだから、みんなが警戒して怖がるのは当然だろ?
コン太: 動物村への贈り物だと言ったけど、何か意味があるの?
川太郎: 説明が必要だね。去年のお花見会で動物村の子どもがヘビにかまれて大怪我をした事
     があったよね。だから、二度と同じ事が起きないように、見張り役としてこれを置
     いておこうと考えて、僕が作ったんだよ。
ミミ : そうそう、私の友だちが噛まれたの。幸い毒蛇じゃなかったから、命は助かったけど、
     今でも足に傷が残っているのよ。それじゃ~、あれは川太郎さんの分身なの?
川太郎: そうだよ。僕がここに座っていれば、ヘビは近寄って来ないよ。だから、動物村のみ
     んなは安心して、花見をしながらお弁当を食べられるだろ?作り物だけど、十分に
     見張りの役は果たせるはずだ。
ポン吉: へ~ェ、それで誰にでも見える作り物を作ったんだ。
川太郎: その通りだ。でも、僕の姿は君たち以外には見えないんだから、怖がって当然だった
     ね。村のみんなには仲良し3人組からうまく説明しておくれよ。
コン太: うまく説明?できるかな~?でも、頑張って君の気持ちを伝えるよ。
ミミ : 川太郎さん、ありがとう。久しぶりだから、いっぱい話が聞きたいわ。
川太郎: 本当に久しぶりだ。みんなでゆっくり話そう。話す事ならいっぱいあるからさ。
ポン吉: ちょっと待って。その前に長老へ説明してこなくっちゃ。怖がっているみんなを早く
     安心させたいからね。

3人組は急いで長老のもとに行き、川太郎の話を伝えました。長老は大きくうなずき、川太郎へ
のお礼を3人組に託すと、動物村の住民を集めて、いきさつを説明しました。どうやら、子ども
たちの安全を守ってくれるものとして受け入れてくれたようです。今年のお花見会では、川太
郎の贈り物を囲んで、住民たちが大いに盛り上がることでしょう。
といっても、カッパという生き物のことを、動物村の住民たちが理解できるかどうか、はなは
だ疑問ではありますけどね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.05.09 07:59:01
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.