カテゴリ:つれづれ
たーこの宿題はなかなか忙しゅうございますよ。
先日のお題はアポロ13号でした。 なんか無いかなと見つけたところには、 ちょうど1年目にして、去年のメキシコ湾のお話が。 物事は同じ方向を指しているということですね。 アーカイブの保存が1か月分みたいなのでメモ。 毎日新聞 2011年4月16日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20110416ddm005070062000c.html 社説:震災後 「低エネ」社会 日本モデルは可能だ 「3・11」以後、多くの日本人が「日本はもう原発に頼るわけにいかない」と 感じたに違いない。私たちも同感だ。地震国日本が原発と共存するのは無理がある。 だが、今後進むべき方向が原子力に代わる新たな電源探しのレベルにとどまっては、 3・11の歴史的意義を卑小なものにしてしまうだろう。 あの大災害は自然が私たちの暮らし方の根本に反省を迫っているのであり、 ひいては私たちの文明のあり方にも再考を求めている。そう受け止めなければ、 最高度の「レベル7」に達した災害の意味をとらえたことにならないだろう。 ◇許容限度踏み外す 昨年の夏、話題はメキシコ湾の海底油田で起きた原油流出事故に集中した。 あの広い湾が原油でいっぱいになり、大西洋まで流れだすのではないかと 世界が震撼(しんかん)した。 そして今年、東京電力福島第1原子力発電所の放射能汚染事故。無論、今回のほうが 事態ははるかに深刻だが、このふたつの事故は極めて似通った側面を持つ。 カナダのエネルギー経済学者ジェフ・ルービン氏は (1)東京電力とBPというエネルギー巨大企業の管理下で起きた事故であること (2)いずれも原油枯渇に対応するプロジェクトであること、をあげている。 2点目がより重要だ。海面から数千メートルもの地点で、 サーカスのような危なっかしい石油採掘をなぜBPはやらなければならないのか。 それは楽に石油掘削ができるところが陸になくなったからだ。 いま、新規油田の大半が深海である。 他方の原子力発電。これもまた、化石燃料の枯渇あるいはコストの高騰に対処するため、 非常なリスクを冒してエネルギーを取り出そうとしている点で、 深海油田と本質は変わらない。 ルービン氏は「自然は何かを私たちに語りかけているのではないか」と言う。 「何か」とは「もっとエネルギーを」という人間のあくことなき欲望への警告である。 フランス哲学の内田樹さんは「原発供養」が必要だという。 「ほんとうに人間が最大限の緊張をもって取り組まなければならない リスクの高い仕事に際しては『超越的なものに向かって祈る』という営みが 必須なのである」と。 私たちはエネルギーへの激しい渇望に突き動かされて、自然への畏怖(いふ)を忘れ、 いつの間にか自然の許容限度を踏み外してしまったのかもしれない。 今後、日本は強いエネルギー制約下に置かれる。政府のエネルギー基本政策は 2030年までに14基の原発を新設し電源の半分近くを原子力に頼るというものだったが、増設は政治的に不可能になったと思われる。 それどころか、既存の原発も定期検査で休止した後、 地元が再稼働に同意するかどうか予断を許さない。原発の今後は非常に危うい。 この夏の電力需要のピークを計画停電なしで乗り切るため、 政府・東電・経済界が需要の「山」をならすプランを練り、 供給面では休止中の火力発電所の運転再開を急ぐなど、綱渡りの作戦を展開している。 しかし、それでも「計画停電」がないとはいえない。事態は厳しい。 原発の比重は低下せざるをえず、当面、天然ガスが代替の主役になるとみられる。 また、高効率の石炭火力の増設も有力だ。石油火力の新設は停止されているが、 既存施設の再開も必要だろう。 ◇信頼の絆を生かして 長期的には太陽光や風力による再生可能エネルギーの拡大だ。 また、日本の送電ネットが東西で事実上分断され、緊急時に電力を融通できない現状も 早急に改めるべきだろう。 日本経済にとってはまことに厳しい状況だ。エネルギー多消費型産業の海外移転は 加速せざるをえまい。雇用への影響も懸念され、日本経済の先行きは楽観できない。 しかし、過度の悲観論は排し、3・11の意味をもっと前向きにとらえたい。 エネルギー制約を逆手にとって、日本を低エネルギー社会の先進国に転換していく覇気を ふるい起こすべきであろう。 低エネルギーは低成長を意味し、一般に国民の福利を引き下げるとされている。 しかし、今度の大災害で諸外国は日本人のさまざまな美徳を絶賛した。 我慢強さ、助け合い、地域や職場の信頼の絆。日本には石油はないがこうした 「社会資本」は多量にあり、それを社会の隅々に織り込んでいきたい。 家庭生活と労働の両立をめざすワーク・ライフ・バランスなども一例であろう。 家庭生活の平安は金銭の多寡に置き換えられるものでない。企業の在り方も採用や 人事評価など根本から見直すべきだ。 窮乏生活をする必要はない。浪費を避け、資源の再生につとめ、 リサイクルを促進する。そして、小型水力発電などでエネルギーの地産地消を 可能な限り進めたい。分散型の国土形成で防災力を高める。 エネルギー制約は早晩、ほかの国をも襲う。 それに先だって低エネルギーでも福利の低下しない日本モデルを構築することこそ、 3・11への何よりの鎮魂となるだろう。 【関連記事】 東日本大震災:「復興債」を検討 政府・与党 民主党:マニフェスト変更で批判 小沢系議員が会合 鳩山前首相:自民幹事長らと会談 東日本大震災:「復興税」導入に苦言 岩手知事 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.27 13:25:41
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