かかづのばかもやすみやすみ

　世の中に『公正』な人は何人も居ますが、行動を検証して『この人ほど公正な人間は他になかなか居ない』という人物を見つけました。



　いや、そこの人引かないで。

　カイジに出てくる帝愛グループの会長さん。この人の公正さは特筆に値すると個人的には考えます。

　帝愛グループのこの会長さんは、まあカイジの世界の悪役です。いつも高いところから他人を見下ろし、不遜とかさまざまな罵詈雑言で飾り立ててもいいでしょう。

　しかし彼は少なくとも、一度取り決めたルールに対して文句は言いません。そして部下にもそれを徹底させます。そのルールがどのように相手にとって理不尽であっても、あるいは自らが大損害を被る事になっても、定めたルールだけは守る。

　非道な行いに目が行きがちですが、帝愛グループがしっかりした基盤を持っているのは、会長自らが『定めたルールには従う』ということを実践し続けているからではないでしょうか？

　例えば、カイジがギャンブルに勝ったとします。億単位の損失が出る。この金額が暴力団相手の話なら、カイジはコンクリの靴を履かされて海に沈められたことでしょう。しかし勝者への支払いは滞りなく行われ、損失を出した者を処罰した。賭けパチンコや地下労働とか色々ガジェットがフィクションの世界ですが、この会長は、部下が合意の上で一度決めたルールというものを、しっかり守らせているわけです。

　カイジと直接対決した時も、カイジが提示したルールを呑み（交渉と合意はあった）、その範囲でイカサマを仕掛けてきたカイジを撃破しています。つまり『ルールの範囲』において。負けて怒ることはあっても、敵だろうがなんだろうが筋は通す。その公正さは、先にも言いましたが特記すべきほどのものかと。

　イカサマ賭け麻雀の時の「ノーカン！」のヤツとかは、そういう意味では帝愛グループ的にNGなんでしょうね。

　絵面として非常にアレな悪役ですが、奇矯な行動はさておいても、やはり一国の主というキャラなのではないかと思います。奇策で勝ち続けるカイジですが、やはり最強の敵は『公正に』戦いに臨むこの会長なのではないでしょうか。







　ただ、『フェアな精神』を持っていても『フェアプレイ』からはちょいと縁遠いのが微妙と言えば微妙というか。まあその程度は『個性』でいいかもしれませんけど。