中国が政府職員にiPhoneの使用を禁じる:米国は 戦略見直しか
中国が政府職員にiPhoneの使用を禁じる:米国は中国への先端半導体輸出規制の戦略見直しか9/8(金) 6:02配信NRI研究員の時事解説・Yahooニュース中国政府は中央政府機関の職員に対してiPhoneの職場での利用を禁止か中国政府は中央政府機関の職員に対して、アップルのiPhoneやその他外国製のデバイスを職場に持ち込み使用することを禁じた、とウォールストリート・ジャーナル紙が報じている。中国政府は過去数年間にわたり、一部の政府機関でiPhoneの職場での使用を制限してきたが、今回はその措置を拡大した模様だ。この措置の狙いは3つあると考えられる。第1は、米国の制裁措置に対する報復だ。米国政府は昨年10月に、先端半導体、先端半導体製造装置の中国への輸出規制を導入した。2019年に米国政府は、中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイへの、半導体などの輸出規制措置を導入し、今年年初にそれをさらに強化している。さらに、米国では多くの州で、中国企業が提供するアプリTikTokの職場での利用を公務員に禁じている。第2は、海外への機密情報の流出を防ぐ、安全保障上の狙いである。アップルやテスラなどの外国企業は、中国国内にデータセンターを設け、海外にデータが流出しないようにしている。しかし中国政府は、それでも情報管理は十分でないと考えているのだろう。2021年に中国政府は、テスラ車を州政府が保有する主要企業や軍事関係者が利用することを制限した。テスラ車が蓄積するデータが流出し、安全保障上の脅威となることを恐れたためだ。第3は、国内製品の利用を促し国内企業を支援する狙いである。中国政府は既に、政府関係機関や国有企業に対して、外国製のコンピューター、OS、ソフトウエアを国内製に置き換えるよう促している。米国の制裁措置によってファーウェイの5G対応のスマホ生産に制約が生じる中、600ドル以上の価格帯の高額スマホでは、中国国内でiPhoneが支配的地位を維持している。ファーウェイが7ナノ半導体を搭載したスマホを発売他方、米国政府にとっては衝撃的な事実が現れた。8月下旬にファーウェイは通信速度が5Gの水準に達したとされる新しいスマホ「Mate 60 Pro」の発売を発表した。米国の先端半導体、先端半導体製造装置の輸出規制によって、5G対応のスマホをファーウェイは製造できないと米国政府は考えていた。ブルームバーグ社から委託を受けた調査会社テックインサイツがこのMate 60 Proを分解したところ、同端末には中国の半導体メーカーSMIC(中芯国際集成電路製造)が製造した新たな「麒麟9000s」チップが搭載されていた。これは、SMICの最先端7ナノテクノロジーを初めて使用したものだという。バイデン政権が昨年10月に中国向け先端半導体輸出規制を導入したのには、14ナノ半導体に中国がアクセスするのを阻止する狙いがあった。しかし、実際には、そうしたもとでも、最先端の3ナノから5年遅れの7ナノ半導体を中国が製造できていたことになる。依然として少量の生産に留まっている可能性はあるが、米国の制裁措置に誤算が生じたことが考えられる。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は9月5日に、Mate 60 Proに搭載されているプロセッサーの正確な構成を知りたいと米政府は考えている、とホワイトハウスでの記者会見で明らかにした。バイデン政権の受けた衝撃は大きい。この事態を受けてバイデン政権は、対中戦略の見直しを迫られるだろう。制裁措置がさらに強化され、米国など先進国と中国の間での経済、貿易面での対立が一層激化するきっかけとなる可能性もある。(参考資料)"China Bans iPhone Use for Government Officials at Work", Wall Street Journal, September 6, 2023「ファーウェイ「Mate 60」分解、SMIC製造の7ナノ半導体使用判明」、2023年9月4日、ブルームバーグ「ファーウェイ採用の中国製半導体、詳細把握目指す-米政府」、2023年9月4日、ブルームバーグ木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト)---この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。木内 登英※・・・アメリカの戦略は日本を滅ぼした次は中国らしい、中国様にはがんばってもらいたい(笑)、米国を怒らせた中国ファーウェイの携帯電話にハイニックスのチップ…「取り引きしたことない」(1) 中央日報/中央日報日本語版2023.09.08 07:08 中国ファーウェイが新型スマートフォン「Mate 60 Pro」に自国企業SMICが開発した7ナノメートル(nm、1ナノ=10億分の1メートル)の半導体とSKハイニックスが製造したDRAMを搭載したことが分かった。このため、米国の輸出統制の実効性に対する疑問が高まっている。米国では「すべての技術輸出を中止しなければならない」という強硬な声が上がっている。7日、情報技術(IT)業界と外信などによると、中国ファーウェイは最近7ナノ工程プロセッサーが搭載された第5世代(5G)スマートフォン「Mate 60 Pro」を披露した。ブルームバーグ通信は半導体コンサルティング会社テックインサイトに依頼し、この製品を解体分析した結果、SMICが製造した「Kirin 9000s」のチップが搭載されたと報じた。SMICは中国1位、世界5位のファウンドリ(半導体委託生産)会社だ。テックインサイトはこのチップに対して「世界最先端技術より2~2.5段階遅れており、中国政府の自国内半導体のエコシステムの構築に向けた努力がある程度進展を見せていることを示唆する」と明らかにした。そして「(米国の)ビンタをすること」と表現した。世界1位のファウンドリであるTSMCの創業者であるモリス・チャン氏は3月、台湾のある半導体行事に参加し「中国の技術は台湾より5~6年遅れている」と診断したことがある。TSMCが7ナノメートル工程を活用した半導体を作ったのは2018年4月だ。米国政府はこれまで中国が最先端技術より約8年遅れた14ナノメートルチップに接近することを遮断してきた。2019年からはファーウェイとSMICをブラックリスト(取引制限)に入れて管理した。しかし、このような制裁をあざ笑うかのように、中国は技術格差を8年から5年に縮めた。中国半導体技術の急成長の背景には、中国政府と企業の莫大な投資があった。ファーウェイは昨年、研究開発(R&D)に1615億元(約3兆2380億円)を投入した。全体売り上げ6423億元の25%に迫る。この10年間のR&D投資額は計9773億元で、これはアルファベット(グーグル)、メタ、マイクロソフトに次いで世界4位だ。米国を怒らせた中国ファーウェイの携帯電話にハイニックスのチップ…「取り引きしたことない」(2) 中央日報/中央日報日本語版2023.09.08 07:09 中国政府も積極的だ。ロイター通信によると、中国は半導体産業の活性化に向けて3000億元規模の「中国集積回路産業投資基金」を作る計画だ。2014年(1387億元)と2019年(2000億元)に続き3回目だ。今回は従来とは違い、半導体製造装備に集中的に投資するという。KAIST電気電子工学部のキム・ジョンホ教授は「米国の制裁を避けてファウンドリ分野で『チャイナチップ』(中国半導体)の追い上げが本格化したということに注目しなければならない」と話した。米国内では制裁の度合いをさらに強める必要があるという声が上がる。「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」の委員長を務める米共和党のマイク・ギャラガー議員は6日(現地時間)に発表した声明で、「(ファーウェイの新型スマートフォンは)米国の技術なしには生産できなかったはずであり、したがってSMICが商務省の外国直接製品ルール(FDPR)に違反した可能性がある」とし、「商務省はファーウェイとSMICに対するすべての技術輸出を中止しなければならない」と述べた。オランダを訪問中の米国連邦下院外交委員会のマイケル・マッコール委員長も同日、「SMICが米国の制裁に違反したのは確実とみられる。米国の知的財産を確保するために取り組んでいる」と述べた。ジェイク・サリバン米国家安保補佐官はこの日のブリーフィングで「SMICの半導体を使用したというファーウェイの新しいスマートフォンが米国の輸出規制の失敗と規制措置違反を意味するのか」という質問に「正確な情報を入手するまでコメントを控える」と答えた。その一方で「米国は『庭は狭く、塀は高く』という原則に合わせて安全保障への懸念に焦点を当てた技術規制を継続していく」と話した。中国も米国の制裁に対抗し始めた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、複数の消息筋を引用して「中国中央政府機関所属の公務員は数週間前から業務用機器としてアップルのiPhoneを使用、または事務室に持ち込まないように命令を受けている」と報じた。一方、Mate 60 ProにはSKハイニックスが生産した半導体が使われていることが知られ、韓国半導体業界も動揺している。テックインサイトはファーウェイの携帯に入った主要部品の中でSKハイニックスのスマートフォン用DRAMである「LPDDR5」と「NANDフラッシュ」が含まれたと明らかにした。SKハイニックス関係者は「米商務省産業安保局に通報し、経緯を把握中」とし「2020年9月以来、ファーウェイと取り引きした事実がなく、米国輸出規制を徹底的に守るというのが確固たる方針」と話した。業界ではファーウェイが中国にすでに流入したハイニックスの製品を代理店や営業店などを通じて確保した可能性が大きいと見ている。匿名を求めた業界関係者は「だが、このような方式では大量の物量を確保することは難しい」と話した。※「Mate 60 ProにはSKハイニックスが生産した半導体が使われていることが知られ、韓国半導体業界も動揺している」・・・あと、フォトなんとかもね(笑)