岡田外相起用、「体よく追いやられた」の声も
岡田外相起用、「体よく追いやられた」の声も 岡田幹事長が外相に起用された背景には、外交政策や環境問題などに詳しく、米国や中国、韓国などアジアにも人脈を持つことが挙げられる。また、幹事長を外れる岡田氏を重要閣僚として処遇することで、5月の党代表選で岡田氏を支持した議員を含む挙党態勢を敷く狙いもあるようだ。 党内には、小沢代表代行と距離を置く議員を中心に、強まる小沢氏の影響力に対抗するため、岡田氏の幹事長続投を求める声も強くあった。外相に就けば、頻繁な外国訪問で政権運営から遠ざかることになり、「華々しい閣僚ポストに体良く追いやられた」(中堅議員)との指摘が出ている。 岡田氏には、財務相への起用論もあったが、消費税率引き上げに積極姿勢を見せるなど、財政出動による景気刺激より財政再建を重視する立場だとされ、起用が見送られた、との見方もある。岡田氏が財政再建路線を前面に推し進めるようなら、衆院選の政権公約(マニフェスト)に盛り込まれた政策実施の妨げになりかねないとの懸念も、鳩山氏らにはあったようだ。 鳩山外交のかじ取り役として、岡田氏には早速、試練が待ち構える。今月下旬の初の日米首脳会談や10月のゲーツ国防長官、11月のオバマ米大統領来日と、重要な外交日程が続く。 民主党はインド洋での海上自衛隊の給油活動を来年1月以降継続しない方針で、政権公約では、在日米軍基地再編などの見直しも掲げているが、米側と摩擦を生むのは必至だ。また、岡田氏は、核持ち込みをめぐる日米両政府間の「密約」の存在を明らかにするとも公言しており、外務官僚と衝突する恐れもある。筋を曲げない「原理主義者」と評される岡田氏の対応が問われることになる。 岡田氏は今年5月には、米国に核兵器の先制使用などを行わないよう働きかけ、米国の「核の傘」から一部外れることを容認する考えを示した。自らが提唱する核廃絶に向けた「北東アジア非核兵器地帯条約」構想の中核の考えだが、米政府関係者らには警戒感がすでに広がっている。鳩山論文問題で広がった不信感の払拭(ふっしょく)と合わせ、まずは米側との信頼関係の構築が急務となる。(2009年9月6日08時05分 読売新聞)怒りの矛先は橋下知事、自民大阪は批判の嵐 衆院選後、初の週末となった5日、大阪、兵庫、京都では自民、民主、公明3党の地方組織が幹部会などの会合を相次いで開いた。 自民党大阪府連では、中山太郎・元外相が会長職を辞任。怒りの矛先を橋下徹知事に向け、「候補者とのポスター撮影も断られた」と恨み節をぶつ一幕も。一方、新政権発足に向けた人事構想が次々と明らかになる民主党の会場は、勝利の万歳三唱とともに高揚感に包まれ、くっきりと明暗を分けた。 「空前の逆風の中で選挙をした。敗北の原因を徹底的に議論し、党の再生に協力をお願いしたい」 5日、大阪市内で開かれた自民党大阪府連の幹部会・役員会合同会議。中山氏が声を上げたが、出席した府議ら約40人の表情は硬いままだった。 自民党は大阪の19小選挙区で15人を擁立したものの、1勝14敗。自身も負けた中山氏は会合後、橋下知事への不満を漏らし始めた。 「我々は彼のために全力を挙げたのに、自民党候補との選挙ポスター撮影をお願いしても、断られた」 2008年の知事選で橋下知事を支援した同党府連は、橋下知事を衆院選の劣勢をはね返す“切り札”と考えていたが、当人は分権政策の観点から民主党支持を表明。報道陣に囲まれた中山氏は「党員が怒っている」「信頼できない」と延々と<橋下批判>を展開。今後の知事との関係を問われると、「関係は尾を引かないよ。向こうが(尾を)切ったから」と切り捨てた。(2009年9月6日05時11分 読売新聞)