|
テーマ:障害児の親として(1435)
カテゴリ:障害児の親として
金曜日は職場の忘年会でした。
なあくんはヘルパーさんをお願いして健康ランドに行ってもらうことになっていましたが、 いくら予告をしても「いや!」という返事が返ってきて不安でたまりませんでした。 朝予定表にヘルパーさんと健康ランドの写真を貼ったら、健康ランドの写真を投げ捨てていました。 結局どこに行ったのかな?と思いながら私は忘年会へ。 家からそう遠くはないところでの開催だったので、私は車では行かず、 こういう席でお酒を飲むのは何年ぶり?という感じでした。 ヘルパーさんには泣き始めたら私の声を聞かせるために電話をしてもいいと伝えてあったので 私は携帯が気になって仕方ありませんでした。 飲んで食べ、おしゃべりしてるうちに私は一人の先生に呼ばれて隣の席に移動しました。 その先生はいつも乳がん検診を担当していただいている方です。 2年ほど前からよく一緒にお話をするようになり、 以前なあくんの通っている学校の校医をされていたのを知って、なあくんのことを2カ月ほど前に話しました。 息子に障碍があると伝えた瞬間、先生の表情が変わり、「そうだったんだ…」と呟いていました。 校医をされていたことで、どんな子たちがその学校にいるかよくご存知です。 なあくんのことも想像されたんじゃないかと思います。 それからずっと気にかけてくださっていたのでしょう。 お菓子を子供にいただいたこともありました。 「今日は子供はどうしてるんだ?」といきなり聞かれました。 「ヘルパーさんと健康ランドに行ってます。でもきっと泣いていると思います。」 「今あんたが一番困ってるのはどういうことだ?」 「私がいないとダメなこと。毎日私の帰りを泣いて待ってるし、でも仕事しなきゃ食べていけないし… 自傷行為もすごくて、おでこ打ち付けたり自分の手を噛んだり…それを見てるのが辛いです。 将来のことは考えても仕方ないってわかってるけど、 私がいなくなってからのことを考えると眠れないんです。 私が死ぬ時はあの子を連れていきたい…っていつもいつも思ってて…」 「わかった。僕は医者だよ。そういう日が来たら僕が一緒に逝かせてあげるよ。 犯罪者になっても僕は先が短いから、あんたのためなら罪を犯してもいいよ。 ほぅら、これであんたの悩みは一つ消えたでしょ。 もう心配しなくていいよ。」 私は涙をこらえることができずに泣いてしまいました。 先生の言葉がとてもあったかくて。。。 心の琴線に触れる言葉というのはこういうことをいうのだなぁと思います。 「先生、それまで絶対に生きててくださいよぉ。。。お願いします。」 「わかったよ。」 今現在その先生は81歳。 私が死ぬ頃…あとせめて40年は生きてもらわないと! 先生は手帳を取り出し、なあくんの名前と年齢を書きとめ、 自閉症について勉強すると私に言ってくれました。 「僕はね、幸い図書館に近いところに住んでいるからいろいろ調べてくるよ。 医者として何ができるのか、あんたに何がしてあげられるのかを考えるよ。 まだ僕のことを知っている先生が学校にいるかもしれないからちょっと聞いてみるよ。 でもあんた、偉いぞ!これまであんたの笑っている顔しか見たことなかったからね。」 ずっと私は泣いていました。 先生の言葉一つ一つが心にじ~んと浸透して、凍っていた心にあったかいものが流れてくるような これまで経験したことのない感動でした。 一緒に死にたいということに共感してくれる人はいました。 同じ学校に通う子供を持つお母さんです。 でもそんなこと考えちゃダメだとか、親のエゴだとか、 子供にも生きる権利があるとか批判的なことを言われることもたくさんありました。 それだけに先生の言葉がありがたくて、まるで私にとって神様みたいな存在です。 お顔にも優しさがあふれていて、先生に見つめられるだけで涙が出ちゃいます。 お酒の席で泣いたことなんてなかったのに… 二次会にはもちろん行けません。 私が帰宅して玄関に入って3秒後になあくんが帰ってきました。 予定より早めの到着でヘルパーさんはビクビクしていたようです。 ギリギリセーフ。 これで私が帰ってなかったら大絶叫していたでしょう。 ヘルパーさんに様子を聞くと、ご飯の時に「おかあさ~ん」と本泣きしたそうです。 大好きな焼きそばも半分しか食べられず、大好物ばかり用意して持たせたおやつにも手をつけてませんでした。 『健康ランド』=『お母さんと夜一緒にいられない』 そう思っているようで… 今度は行き先変えなきゃだめだなと思いました。 散々お風呂に入ってきたのに、すぐに私をひっぱってお風呂へ。 私はパジャマの支度をしている時におばあちゃんに先生との会話を話しました。 話しながらやっぱり泣いてしまって。 おばあちゃんの前で泣くことは極力しないように努めてきたのだけどね。 おばあちゃんも泣いていました。 「あんたと一緒じゃなくて私と一緒になあくんを逝かせて欲しいよ。」とおばあちゃんがポツリ。 私のことを心配してくれているのがよくわかります。 お風呂に入ってるときも先生の言葉が頭の中を駆け巡り、 目の前のなあくんの可愛さにさらに泣けてしまい… ずっと泣いてしまいました。 『医者』という私のイメージにはなかったお人柄の先生です。 この先生に出会えたことを感謝します。 今日はりょうちゃんとケーキを作りました。 遊べる友達がいなくて暇を持て余し、作りたい!と言ってきて。 とても張り切っていました(^O^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[障害児の親として] カテゴリの最新記事
|
|