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カテゴリ:マラソン/山/トライアスロン
オイラの妹の夫(いわゆる義弟か)はケーサツ官で、税金の無駄遣いだとか騒がれて解散になるまでは県警の駅伝チームに所属していた。もともと長距離選手としての実力を買われてケーサツに就職が決まったようで、当時は勤務時間中の半分以上は陸上の練習をしていたそうなので、まあ、準実業団レベルの選手だったといって過言ではないだろう。ハーフマラソンの記録も1時間10数分とか言ってたし。
ところで、この義弟だが、6年くらい前に駅伝チームが解散してから、ぜんぜん走っていない。彼に理由を尋ねると、「忙しいから」だと言う。現役時代は1日4-50キロを走っていた男が、今は走行距離ゼロだという、そのギャップがオイラには理解できなかった。 大学時代からの友達/知り合いで、楽天仲間である心斎橋氏とドイモイ氏は、学生時代はそれぞれ中距離/長距離の選手であったが、彼らもやはり社会人になってからほとんど走っていないらしい。 一方、学生時代ぜんぜん運動なんかしていなかったヤツや、運動神経が鈍くて体育の成績が「1」だったようなヤツが、市民ランナーとしてコツコツと走り続けて実力を伸ばし、今ではサブスリー(注.3時間以内でフルマラソンを走ること)ランナーという話を耳にすることがある。 両者のこのギャップは何なのか。 たとえば、元野球部とかサッカー部の選手で、殺人的な忙しさの職業に就いているような人でも、土日などに同好会で練習や試合をしているヤツらは普通に見かける。だから、「忙しい」というのが理由だとは思えない。彼らは忙しくても、フリーの時間を優先的に自分の好きなスポーツに割いているわけだが、一方で「元陸上部員」たちにとっては社会人になってからの走ることの優先順位が極めて低いわけだ。 それはきっと、単純に、元陸上部員にとっては純粋に「走ること」が楽しくないからなんだと思う。 元野球部員やサッカー部員にとって、野球をすることやサッカーをすることは「楽しみ」なのだが、陸上部員にとっては走ること自体が楽しみなのではなく、走った結果、よい記録を出すことが楽しみなのだよな、きっと。 それに、野球やサッカーはチームプレーであり、年をとろうが体力が衰えようがプレイ自体を楽しむことができるが、陸上競技の場合は自分個人の「数字」がすべての世界なわけで、年をとって体力が衰えれば、もはや数字を追う楽しみがなくなってしまうわけだ。 考えてみれば、サッカーが下手であってもサッカーするのが好きだからという理由でサッカー部に入るヤツはいるだろうが、いくら走るのが好きでも、足の遅いヤツが陸上部に入ることはまずないもんな(笑)。 きっと彼らは、オッサンになって今さら走るのを再開して、若い頃とは途方もなくかけ離れたタイムを目にして自分の老いと衰えに直面するのがイヤなのかも知れないなあ。 あともうひとつ考えられるのは、現役の陸上選手時代は数ヶ月先の大会に向けて、1分、1秒、コンマ1秒を短縮するために毎日全力を傾けて練習していたのに、社会人になってからはいかんせん、仕事や家庭の諸事の合間に限られた時間でしか練習できず、半年後とか1年後とかの極めて長いスパンで記録を向上するために、断続的な形で走り続ける必要がある。 過去にプロの領域で頑張っていた者は、市民レベルのハンパなトレーニングでは満足できないのかも知れない。 でも、学生時代にはデカダンで不摂生極まりないな生活をしていクセに、30歳も後半になって走り始めたオイラとしては、当時キラキラ輝いていた陸上野郎どもが、今では不摂生な生活習慣に陥りしなびていくのを見るのはしのびないものがある。 ...ということで、心斎橋さんやドイモイさん、走るのを復活して、そのうちどっかのマラソン大会で一緒に走りませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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