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カテゴリ:マラソン/山/トライアスロン
ここ1週間くらい、1日数時間はネットでアコンカグアやマッキンリーをはじめとする山のサイトばかりネットサーフィンしている。とくに寝る前にベッドで横になってiPadで読む他人の登頂記は面白く、気がつくといつも深夜になっている。 この種の登頂記録というのは得てして登山を趣味としている人が書いたもので、とうぜん同じ趣味の人であれば理解できるような登山用語も登場するし、何よりも山への敬愛が感じられるものが多い。一方でオレはというと登山が趣味なわけでもなく、山に入るのはもっぱらマラソンやトライアスロンのトレーニングの一環だとか、極端に標高の高い世界を経験してみたいとかいったフトドキな理由であり、足元の草花を愛でるとか素晴らしい風景を記録に収めるといったこともせずにひたすら頂上やトレイルの終結点を目指して走り回っていることが多い。なのでこれらの登頂記を読むたびにほんのちょっとだけ神妙な気持ちになっている(笑)。 ただ、登山を趣味としている人の中にも必ずしも純粋に山を愛しているわけではなく、世界七大大陸最高峰への登頂なんかを目標にひたすら世界中の「一番高い山」ばかり選んでを登山をしている「セブン・サミッター Seven Summitter」狙いというのがいるらしい。これは明らかに「一番高い山を征服した」という満足感のために登山しているわけで、景色を十分エンジョイしたからと言って途中で帰ってくることはまずあり得ない(笑)。マラソンの「完走」と同じく「登頂」自体が目的で目標なのである。本当に山を愛する人に言わせればこのような動機での登山は邪道なのかも知れない。 ちなみに2010年時点で七大大陸最高峰を征服したセブン・サミッターは250人くらいいるそうで、そのうち野口健さんをはじめとして日本人も6~7人いる(ちなみに植村師匠は南極最高峰までは登っていないのでセブン・サミッターではない)。(注1) 世界各国に遠征して1~数週間かけてそれらの山に登るのには毎回(マッターホルンあたりの)数十万から(エベレストの)1000万円くらいは費やしているはずで、それだけの体力や精神力はもとより、それだけのカネを「登山」にポーンと遣ってしまえる感覚がまず常人離れしてるよなあと思う。やっぱ1000万円とかあったら常人であればすぐ新車を買うとかブランド物を買うとか南国のリゾート地に旅行するとかいった発想をするはずで(笑)、わざわざカネを出して生死ギリギリの淵のツライ体験をしに行くところがこれらの人のスゴイところなのだろう(笑)。 まあそういうオレも単にシンドイだけのアイアンマン・レースに参加料6万円を2回も払ったことがあり(笑)、これらのレースに出るために何の実用性もないトライアスロン・バイクに40万円以上を費やしたような人間なので、たぶん価値観的にはこれらのセブン・サミッターに近いものがあることは間違いない。 ところで昨年アイアンマンを完走した後で旧友から指摘されたとおり、オレはずっと前からタナトスだポトラッチだの自分をギリギリまで追い詰めるだの言ってる割にはなかなか死なず(笑)、それどころかむしろ10年くらい若い頃より健康になっていたりして(笑)、さいきん保身に走り始めた自分に気づき、ちょっとだけ反省している(笑)。「将来どうなるか分からない」とか言ってしっかり貯金をキープしようとしている44歳の自分を30代の自分は決して赦さないだろう(笑)。「どうなるか分からない」ときのためのカネがあったら、それこそエベレストにでも登れや!...と言いたくなるわけである。 まだ正確に計算したわけではないが、実のところオレも貯金をぜんぶはたけばもしかしてセブン・サミットに1回ずつくらいは遠征する程度のカネ(≒カナダの田舎に小さな家を立てる程度のカネ)をすでに持っているような気がする。どうだ、カナダに家買って独りで住んでたって何にもならないだろ?思い切って次はドーンと世界七大最高峰でも目指すか(笑)?そんなわけでオレは今、「バカなことは止めとけ」という自分と「どうせ先の短い人生んだろ」という自分との間で、軽く脳内で葛藤しているところなのである。 (注1)世界最高峰エベレストだけの登頂者だと日本人だけで141人いるそうである。ちなみに最近で挑戦者が一気に増えてなんと年間400人くらいが登頂してるらしい。さいきんの世界的なアイアンマン人気と一緒か(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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