Kanaris mieux.txt.

　
きゃあ、ごめんなさい。
着陸予定は、私のアタマの中にある
ハノイの塔だったのだけど、
なにせ操縦士が運転免許もたない
乱視なうえに向こう見ずだったもので、
イラク上空で謎のトリコロールカラーに
星いくつもつけた旗のヒトタチに、
いわれなき攻撃受けちゃいました。
やっぱり、原付免許くらいはいるのね。
あん、
ユニクロさんにオシリまで裸にされて
くしゃみするカシミア山羊を横目に、
低空飛行。
おねがいです、この子だけは、
へっくしょんちっと、
お母さん山羊が泣いてました。
ニホンハ暖冬ラシイヨ...。
ああ、いつのまにかついてきた蛇が、
私にささやくの。

冬、ヨーロッパに行くヒトは
気をつけて。
合成皮革の靴だとカチカチでつらい。
使い捨てカイロはポケットで凍る。
6時には目がかすむように暗い。
ヒト恋しい独身者が、
イルミネーションに錯覚おこす。
そうね、零度を越すと寒い。
でも、ニオイのないガスはこわい。
暖炉の火は消えかけて、
次に燃やすなら贅沢なドレスか、
子羊が大事にしている本？

どこにも行かないの。
だって、シャンパンと赤ワインを
12本もたのんじゃったし、
デパートのおせち料理も予約した。
絵本も本もいっぱいある。
クリスマス用にラム酒を塗ってる
フルーツケーキだって、
まだ残ってそう。
星のそばを通る飛行機を、
風がさらってくる轟音といっしょに
見ているわ。
いいの、留守番してるから。
アタマの中で出かけるのは、
それから。

encore une fois toujours.

ひゃあ、そろそろ
どこかに不時着しないと燃料ぎれ。
いけない、いつか見た草原だ。
ががががが、じゅんっ。
ええと、星がくるくる。いちたすいちは。
どこ？もう、わかんない。
なんか動物に囲まれてる。
カシミア山羊？鹿？トナカイ？
ユニコーン...う、ひつじくさっ。
アインがいっぱい？
おまいちゃんは、
ラム肉ばっかり食べてたから、
よその犬にお尻から、かぶられそうに
なってたもの。しりっぱげになってない？
心配そうにしちゃいや。
狼がこないうちに、おまえと
逃げなきゃ。いえ、すでにおまえは、
草原の狼になれたの？
私をおぼえていてくれてる？

今週のメニュースケッチ

キムチを作ったついでにチヂミも


ひさしぶりにホシノ酵母で田舎パン、
りんごのひっくり返し焼き付き


おしりパンではない、おしりパンでは...。