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子羊たちの中から アインを探していると馬に乗った 武装兵たちが激怒してやってきた。 此処はNO BORDERじゃない。 そんなかんじ。 両手両足縛られて棒でかつがれ、 どこかに行くらしい。 あん、ジンギスカンにされちゃう。 国境越えに必要なワイロを きちんと持っていかなかった、 「仁義、好かん」という罪らしい。 (魅惑のオヤジギャグ手榴弾、えいっ) アイン、おまえは逃げ...。 だめなのに、ツイテ来ちゃ...。 え?ラムもマトンも、好きなんです...そう。 おまいちゃんが、そうなのにね。 でもね、私の師匠はシェラザード。 口先のコトバで逃げおおせるの。 舌もまわるように、 さっき草原で、蜂蜜かすめてきてた。 私の妄想話は尽きないわ。 火を守るねずの番兵が眠ったあと、 汽笛が鳴る方へ耳をすませて 走った。心臓の鼓動といっしょに、 草むらの香りをトモダチに。 血が地を蹴って逆流するみたい。 内側は快感を追いかけ、 カラダの外側は冷えていく。 アインはいずれくるプレゼントに わくわくして、四つ足の仲間と どこかに駆けていった。 またね、アイン、またね。 でも、飛行機はどこに墜ちたのか わからない。大陸横断列車に乗ろう。 きゃ、どこでも乗せてって言ったのが まちがいだったみたい。 うしろで扉が閉じられ、 錠前のかかる音がしたと思ったら、 そこは六面が鏡になったコンテナ。 ロウソクとマッチが置かれてた。 暗闇はこわいけど、 炎を灯すのもおそろしい。 みにくい私がこの世の果てまで、 同じ姿で続いていくの。 妙齢でもなく、美しくもなく、 どおしようもない私がいっぱい。 あん、神様ごめんなさい。 もう無謀な冒険なんてしないから、 かんにんしてください。 じぶんの視線に耐えられない。 何時間走ったのかな。 列車はどこへ行くのだろう。 中央アジア環状線よろしく、 モンゴルを南下して インドの北を通りさて、中国へ? それとも、このままバンコクあたりまで? では、「暁の寺」へ行くのね。 編んだ竹の帽子にフューシャの生花をさし、 子供たちに慈悲とお布施を。 狙撃手のような目をした小さな物乞い、 土の上に死んだように倒れて眠る女たち、 諦念に似た慎ましさの褐色の肌の男たち。 シヴァの聖都で、 コンペイトウほどのシアワセが その手の中に見つかりますように。 握って溶けて、カラダに入ればいい。 ガンガーの彼岸に行って橋を捨てるのだと。 私をのせた列車が渡る リーンカーネイション・ブリッジは、 まだまだループを描いて、 なんだか終わらない旅みたい。 あ、おみやげの トンガリコーンがっ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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