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カテゴリ:蟹工船上映実行委員会
新潮文庫版14ページに出てくる周旋屋。【挿絵は『マンガ蟹工船』(東銀座出版社)から】 ----------------------------------------------- そこから少し離れた棚に、宿酔( ふつかよい) の青ぶくれにムクンだ顔をした、頭の前だけを長くした若い漁夫が、 「俺( おら) アもう今度こそア船さ来ねえッて思ってたんだけれどもな。」と大声でいっていた。 「周旋屋( しゅうせんや) に引っ張り廻されて、文無しになってよ。― ― また、長げえことくたばるめに合わされるんだ。」 ----------------------------------------------- この「周旋屋」というのが、いまでいう派遣企業です。 「周旋屋」によって、田舎や炭鉱などから食べられない農民や労働者たちをかき集めて連れてこられ、売り飛ばされ、「蟹工船」の中で奴隷労働を強いられる。 これは、現代のモノのように使い捨てにされる派遣労働と同じではないかということで、若い人が共感して、『蟹工船』が読まれています。 そこには、中間搾取、ピンはねが横行していました。 戦後、日本では、長い間、派遣労働は禁止されていました。 それをまた解禁したのが、1986年の派遣法です(このときは専門業務に限定していた)。 派遣法は、1999年には、派遣労働の原則自由化という大改悪がおこなわれました。 これが、現在の若者の使い捨て労働という大問題を生み出してしまった原因です。 この改悪には、自民、公明、民主、社民など、日本共産党を除くすべての政党が「多様な選択肢を確保し、雇用の安定を図る」と言って賛成しました。 日本共産党は、当時、この法改悪によって、正規労働者を派遣労働者に置き換えるリストラがすすむことになる、大量の無権利・低賃金の使い捨ての労働者をつくり出すと批判をしていました。 今年に入って、労働者の中でのとりくみと日本共産党の国会論戦と運動が政治を動かし、潮目の変化が起こり、ついに、巨大企業を動かすところまでなっています。 1999年の大改悪の前に戻す抜本的な派遣法改正をはかって、人間らしい労働のルールをみなさんとご一緒につくりましょう。 10月3日は、「蟹工船」をみんなで観よう!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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