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歩人のたわごと

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2010/01/23
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カテゴリ:カテゴリ未分類
土曜日の朝日新聞
落合惠子さんのコラム

「積極的その日暮らし」

今日のタイトルは「手を振る人に」

イギリスの詩人スティヴィー・スミスの
詩を紹介して思いを綴られています。

そのコラムの一部を引用させていただきます

荒波   荒波   荒波
彼女には
『手を振ってるんじゃない 溺れてるんだ』
という代表作とも言われる奇妙なタイトルの作品がある。

「誰にも聞こえなかった あなたの声は」
で始まる短い詩だ。
たとえばこんな情景だ。

わたしは岸辺で海を見ている。
と、遠く波間で手を振る人がいる。
そこでわたしは、波間の人に手を振り返す。

そしてやがて波間のひとのことは忘れて
砂浜の貝を拾いだすかもしれないし
ポットから注いだ紅茶を飲むかもしれない。

そうして・・・・。しばらくの後、わたしは知らされるの。
波間で手を振っているかのように見えたひとは
実は助けを求めていたのだ、と。
助けることができなくなって、から。

荒波   荒波   荒波

読むうちに、胸が息苦しくなってきた
昔の苦い思い出がよみがえって


千葉県の海岸で知人と二人海水浴をしていました
台風のあとだったか、接近中だったかで海は少し荒れ模様
それでも日曜日とあって、海水浴場は大勢の人で賑わっていました

海に入ったものの、波が高く泳ぎにくいので
ある程度のところから岸へ引き返すことにしました

知人はと見ると、もう少し沖の方にいるのがわかりました
ボクは帰るよと言う合図のつもりで、岸の方を指差すと
彼は、判ったというように左右に手を振りました。

砂浜に上がって一息ついて休んでいると
波打ち際に人だかり、突然襲ってくる胸騒ぎ

知人が紫色の顔をして横たわっていました
近くの人が「あなたの知り合い?大丈夫だよ」
と声をかけてくれて全身の力が抜けました

助けてくれたのは誰で
きちんと御礼をしたのか
どうして彼を家まで送り届けたのか
不思議なことにそれからあとの記憶が
夢の中の出来事のようにぼんやりしています


『ひとりの女性詩人が書いた
ひとつの詩を前にして
しばし言葉を失った。』


落合さんのコラムの書き出しが
そのままボクの気持ちに重なります。


知人が手を振ったのは
ひょっとして「助けてくれ」だったのか・・・・







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Last updated  2010/01/23 04:56:23 PM
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