トラウマの話【善光寺お戒壇めぐり】
久し振りに[トラウマだったお話]をします。今思えば、ホントに馬鹿みたいな話ですが、どうぞ、笑わずに読んでくださいね。小学校1年生の時の事、当時の担任の教師が、〇年生になると何処どこへ社会見学に行くのかという説明をしてくださいました。その話の中で、『さてみなさぁ~ん、4年生になるとですね、県庁所在地の長野見学です。・・・・・中略・・・・・その後全国的に有名な善光寺見学をします。・・・・・中略・・・・・最後にお戒壇めぐりをしてもらいます。良い子は鍵に触れて地上に出て来れるのですが、鍵に触れなかった人はそのまま地獄の扉が開いて閻魔さまの所へ連れて行かれてしまうんですよ。上に戻って、そこに居ない人がいたら、その人は鍵に触れなかった人です。ですから、4年生になるまでに皆さんイイ子になりましょうね。』私は、雷に打たれたかの様な衝撃を受けました。何故なら、私はいつもいつも母親から『お前はヘボっ子だ』 『家のことを何もしない悪い子だね』とか散々言われながら育ったから・・・小学校1年生にして自分がドジで不器用で性格も悪いと思い込んでいたから・・・だからこそ「私は絶対に鍵に触れない、きっとこの世に戻って来られない」という恐怖感に囚われてしまったのです。その想いは何年生になってもずっと私の心を縛り続けました。心を締めつけるトラウマとしてずっどすぅっ~と私を苦しめ続けました。誰にも相談もできず、ただただ、4年生になるのを恐れました。 しかし、必然的にその時は来るのです。出発の朝、胃がよじれる位痛かったのを今でも覚えています。 結果は・・・・・・・(どうぞ鍵に触れますように)と祈る気持ちで恐るおそる戒壇に入る。見事な位の漆暗の闇。その中を、右手で壁を伝いながら歩く。自然に前を進む人の裾を掴んでしまう。突然、ガチャガチャという音と共に『あったぁあった!』という喜びのの声が前方から聞こえて来る。 「えっ、どこどこ?」さざ波のように興奮が後方に伝わって行く。声に導かれ、私も前に進んで行く。『しいちゃん、ここだよ、ほら!』 友達が私の手を鍵に導いてくれた。「あ、ほんとだ、 あったあった、さわれたよぉ」私は、今までの想いを払拭するように思い切りガチャガチャと鳴らした。こうして、私は無事、極楽へ行けるという鍵を触ることが出来たのだった。その時の興奮とみんなの一体感!そして何よりも、感激!そして安堵感!それは、何年もの間のトラウマから解放された瞬間 皆様、想像してみてください・・・ その後、戒壇の最後の角を曲がると、突然に眩しい光が。今までの下らない思考も邪念も、浄化されていくように感じました。 光に満ちた外の世界は、こんなに美しいのか・・・。そんなことを考えながら無事に戒壇めぐり体験は済みました。あまりに安心したので、その時の担任に、1年生の時からずっと私を苦しめて来た悩みを始めて吐露しました。すると、担任の先生は、『そうか。アハハ。いや、笑いことではないね・・・しいたんは余りにも純粋無垢だったから、その先生の言葉の一部分だけを大きく受け止めてしまったんだね。それに鍵に触れなくても地獄の門が開くなんてことは有り得ないんだよ。これからも何回も来てみると良いよ』私の頭を優しく何度も撫でてくださいました。 そういえば、つい先日もお戒壇巡りをしました。当時の記憶が苦い味として蘇えって来ました。同行した人たちにその話をしたら爆笑されたのは言うまでもありません。しかし・・・私にとっては、未だに笑えないトラウマの思い出なんです。日々の生活の中でも“大人の何気ない一言が小さな子供にどれだけの心理的影響を与えるか”と言うことを私達は肝に銘じなくてはいけませんね!。 真っ暗闇の中極楽の錠前に触れてご本尊と結縁する善光寺のご本尊が安置されている瑠璃檀と三卿の間の床下に部屋があり、その部屋をロの字型にめぐる暗黒の回廊があります。この回廊をめぐるのが、善光寺の「お戒壇めぐり」です。善光寺本堂の中、三卿像の右手にお戒壇の入口があります。ここから階段を下り、4,5歩進むとあたりは漆黒の闇。混雑時に行くと、人に足を踏まれたりしますが、それはそれでスリルがあります。しっかりと右壁に手を置きながら歩いて行くと、瑠璃壇(るりだん)の真下、即ち、ご本尊の下あたりで極楽の錠前(鍵)に触れることができます。ごの錠前(鍵)に触れることで、ご本尊と結縁ができて極楽浄土へ行けると伝えられています。お戒壇めぐりは各地のお寺にもありますが、信州善光寺のお戒壇めぐりが最も有名なので、善光寺に参拝したら必ず巡ってみてくださいね。 善光寺詣りの参考になるリンク 【信州 善光寺】公式ウェブサイトさわやか信州旅.net 善光寺平ライブカメラにほんブログ村 心と体にほんブログ村